召喚されたのに、スルーされた私

召喚されちゃいました

３３８★イヤな予感って当たるんですよね

　アルファルーラ帝国と、この帝国に住む民達の生活を考えるコトが、私の義務と責任と立場なのです。

　ハインツ達があわれだとは思いますが、それだけです
　私が大事なのは、アラン様だけですからね

　アルファルーラ帝国と他国の関係は、アラン様達に情報を貰い意見をと言われた時に考えれば良いんです。

　国際関係に悩むほどの小国では無いし、資源も食料も足りている大国なんですから………。

　じゃ無くって、あんな者達のコトを考えて悩むよりも愛するアラン様を見詰めると………。

　「私の考えも、シオンと同じですよ

　　あの国に内政干渉するなんて
　　面倒なコトはしません

　　属国としての契約を破棄して
　　滞在させている

　　大使と文官と騎士達を
　　アレ等と共に帰還させるだけです

　　離婚した側妃達と
　　あのバカ王女達を

　　我が国から追い出せば
　　それで終わりです」

　言い切るりりしいアラン様のお顔にフラフラしますわ。
　じゃなくて、これだけは聞かないと………。

　「属国契約の破棄の書簡は
　　誰が持って行くんですか？」

　「それは、これから
　　陛下達と相談して決めます」

　あははは………貧乏くじを誰に引かせるか……ですね

　あれ？私をシオンって呼んでいる。
　アラン様は、この会話を隠す気が無いってコトですね。

　フレデリカさん達や、騎士様達は平然としている。
　アラン様だけじゃなく、みんながあのＤＱＮ王女達に怒っているってコトですよね。

　私は、アラン様の腕の中からハインツ達を振り返ると、思いっきり青い顔をしたままです。

　でも、私には何も出来ないしする気も無いから、アラン様の顔を見ます。
　だって、視線を合わせると、甘く微笑んでくれるんですもの。

　はぁ～癒されるわぁ～………でも、ベロチューはいりません。
　意識が飛びそうになったので、別のコトを考えます。

　大使は、自己判断ができる能力と権力と地位の人ですよね？
　確実に皇族だと思いますけど？

　行き帰りは、グリフォンですか？
　それって、危険はどの程度なんでしょうか？

　首を傾げて考えていたら、アラン様が話し掛けてきました。

　「シオン、私の従兄弟達で
　　フルトランスできる者を大使に

　　その部下達は
　　ハーフトランスできる者達を
　　予定していますよ

　　イラっとしたら
　　あの国を無かったコトに
　　出来ますからね」

　えっと…今…なんか……ものすごぉ～くヤバいコトを、サラッといいませんでしたか？

　「はい？」

　アラン様ってば、いくら怒っているからって、マジでなにを言っているんですか？

　そんな爽やかな表情で、淡々と外道なコトを言っていますよね。
　それって、本当に実行したら過剰戦力………そう、オーバーキルですよ。

　でも、今現在はアラン様以外に、フルトランスできる人は、まだいませんよね？
　なんか、こう……ものすごぉ～く嫌な予感しかしませんけど………。
　適当な言葉が思い浮かばないので、アラン様をじっと見詰めてしまいます。

　「シオン
　　魔族の襲撃頻度が
　　あがっています

　　フルトランスして
　　古傷を治すだけでも
　　戦闘能力があがります

　　ついでにですが
　　私の《魔力》操作能力が
　　かなりあがりましたよ

　　精霊達の補助も
　　格段に増えました

　　これを考えると
　　フルトランスする
　　練習をした方が

　　確実に能力アップというか
　　戦力アップになります

　　この恩恵を得る為なら
　　本当に、本当に、不本意ですが

　　シオンが、私以外の人間達に
　　かまうのを我慢します

　　ですから、皇族中心の
　　フルトランスの練習に

　　私と一緒に
　　毎日付き合ってもらいます

　　そして
　　ちゃんとフルトランスが
　　出来るようになった皇族達を

　　あの迷惑な存在を生み出した
　　国々に送る予定です」