気が付いたら転生していて、皇子様でした

ブラックベリィ

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015★早く大きくなりたいです

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 「はっ………では、帰還の準備を始めます」

 ふふルイスが、人の悪い微笑みを浮かべた………これで一安心ね。

 「頼んだわよ」

 私がほっとしてルイスの退出の挨拶を聞こうとしたら、ドアの外からちょっと焦ったような声が………。

 「皇子、陛下よりの呼び出しです」

 レクサスってば、その言い方は下手したら不敬罪よ。

 お祖父様やお祖母様、それに叔父様が暗殺され、本来なら皇太子筆頭候補の私は、レアリア辺境伯爵へと臣籍降下するしか無い立場になってしまったから、キレているのね。

 皇帝である父上が、不甲斐ないからこんな事態になったってルイスやレクサス達が思っているのは確かだわ。

 「そう、母上は?」

 「皇子のみだそうです」

 「そう………母上には何の説明も
  しないつもりなのね」

 私は、溜め息をぐっとこらえて、ルイスに視線を向ける。
 もしかしたら、あの役立たずの父上からの呼び出しが、今日にもあるかも知れないと思っていたから……。

 気持ちを切り替えて、着替えの手伝いをルイスにさせる。 
 そして、私は護衛の騎士達と侍従達を連れて、父である皇帝の執務室へと向うコトにした。

 宮の中では、既に旅立ちの支度が始まっている。
 故郷に戻れると何処か嬉しそうな彼等と、この帝都で採用された者達の様子は微妙に違っていた。

 父との会談が終わって帰ったら、面倒くさいけど帝都で採用された者達の本心を聞いてみよう。

 ここで辞めるって言われると嬉しいんだけど、なんて考えしまう。
 お荷物は減らしたいのよ。

 思考に入ってぼんやりしていたら、レクサスが話し掛けてきた。

 「アスラン様
  歩くコトに集中して下さい

  まだ、色々な危険は去っていませんから………
  お気を付け下さい」

 「うっ…ごめんね…今日は…
  色々と考えるコトが多いから
  ついやってしまうわ

  レクサス、安全の為に
  私を抱き上げて欲しいわ」

 「本当に抱き上げて、宜しいんですか?」
 
 「頼むわ
  どうせこの後宮や離宮や
  皇宮に居るのも後わずかよ

  それに、父上に命令されれば
  私は、今日から臣籍降下して
  レアリア辺境伯爵になるのよ

  皇子じゃなくなるんだから
  危険もほとんど無くなるわよ

  今日中に、それが正式に
  発表されると思うから………」

 私の答えに、レクサスはにっこり笑って私を抱き上げる。
 レクサスの腕に抱きこまれて、私は5才の幼児になっているって、ほんとぉ~に実感できるわ。

 自分で自分の身を守れるようになるには、どれぐらいの時が必要なのかしらって思うわ。
 保護者を必要とする幼児って状態が、悔しくてたまらない。

 それでも、これからのコトを自分で考えて選べる立場だってコトに感謝するしかないわね。

 妙に頭の良い皇子が何度も生まれているこの帝国に生まれ、前世の性別と違って子供でも男だから、男尊女卑の世界故に母上の結婚すら決められる立場で良かった。

 そうじゃなかったらなんて、考えても意味は無いわ。
 もしも、私が皇女だったら、お祖父様もお祖母様も叔父様も暗殺されていないわね。

 その代わり、あのババアに簡単に私も母上も殺されていた可能性はある。
 でも、お祖父様もお祖母様も叔父様も生きていたでしょうね。

 まぁ考えても意味は無いわ。
 なんて堂々巡りをしていたら、父上の執務室に着いていたわ。








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