気が付いたら転生していて、皇子様でした

ブラックベリィ

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016★おねだり出来る時に、しっかりねだります

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 そして、私の為に執務室の扉が開く。
 幸いなコトにレクサスに抱っこされていたから、一緒に入室できたわ。

 父上は、ソファーに座っていたから、私はその向かいに下ろされた。
 そして、父上が無表情のままで、淡々と言う。 

 「アスラン、お前は
  レアリア辺境伯爵家を継げ

  その代わり
  アレとは、離婚してやる

  慰謝料として
  叔母上の化粧領はそのままだ

  それに、お前とアレに
  同程度の化粧領を2つ与える

  その代わり皇位継承権は剥奪する」

 予想はしていても、こんなに冷たく切り捨てられるのは痛い。
 母上を連れて来なくて良かったと、本当に思う。

 お祖父様やお祖母様という後ろ盾が無くなれば、利用価値は無いと簡単に切り捨てられる存在だったんだと実感する。

 でも、こっちが要求する前に、欲しいモノが貰えるのは良かったと思う。
 後は、カール・ハインツ・オーベルシュタイン帝都騎士団団長と母上の婚姻の許可を貰うだけね。

 なんて思っていたら、宰相が私に話し掛ける。

 「アスラン殿下
  ここに全ての書類が
  揃っております

  母君の分は
  アスラン殿下の代筆で結構です

  この書類に署名したなら
  一週間以内に離宮から出て
  レアリア辺境伯爵領に旅立って下さい」 

 うふふ………この男は、私を子供だと思って馬鹿にしているわね。
 私は、まだ皇位継承権のある皇子なのに、貴方は私を格下扱いするのね。

 ラストの言葉が、命令になっているわよ。
 私は、皇族の血を引く公爵と同等なレアリア辺境伯爵の当主になるのよ。

 今は宰相かもしれないけど、貴方はラッセル伯爵でしかないわ。
 それも、成り上がりの………いずれ、その地位から降ろしてあげるわ。

 どうやら、あのババアの手先になったようだから………。
 私は、敵に容赦なんてしないわよ。

 お祖父様の影に、貴方の弱みを探らせて失脚させてあげるわ。
 あのババアを巻き込むようにね………腹立つ、絶対に許さない。

 いけない、怒りは判断能力を格段に落とすわ。
 ここは、素直に父上の命令に従ってから、こっちの要求を突きつけますかね。

 「父上、ご配慮いただき
  ありがとうございます」

 私が、何もごねずに従ったので、父上はほっとしたように息を吐き出した。
 うん、やっぱり小物臭いわね。

 書類にサインしたら、この部屋を追い出されて、私は2度と父上には会えないって理解しているわ。
 だから、今、ここで要求する。

 「父上、ひとつ
  レアリア辺境伯爵となる者として
  お願いがあります」

 父上は、私の言葉に右の眉を微かに上げて言う。

 「何だ?」

 「私は、先日
  5才になったばかりの子供です

  要衝の地である
  レアリア辺境伯爵領を護る騎士団を
  今直ぐに掌握できるとは思えません

  ですから
  カール・ハインツ・オーベルシュタイン
  帝都騎士団団長を母の再婚相手として
  勅許を頂きたいのです」

 私の発言に父上は、顎に右手を這わせて瞳を閉じて考えている。
 そして、瞳を開くと髪をかき上げて言う。

 「確かに、お前では、今すぐ
  レアリア辺境伯爵騎士団を掌握して
  彼の地を護るコトは出来ないだろう

  良かろう
  カール・ハインツ・オーベルシュタイン
  帝都騎士団団長をお前の母の
  再婚相手として勅許を与えよう」

 私は、父上の言葉に、ほっとして溜めていた息を吐き出す。

 良かった、勅許だったらカール・ハインツ・オーベルシュタイン帝都騎士団団長は、この縁談を断れない。

 っていうか、嬉々として受けるわね。

 そして、私は、カール・ハインツ・オーベルシュタイン帝都騎士団団長の実家であるオーベルシュタイン侯爵家と太いパイプを持つコトが出来るわ。

 お祖父様達に従って逝ってしまった騎士達の補充を、オーベルシュタイン
侯爵家とカール帝都騎士団団長にお願いできる。

 ウィンウィンな関係になれるわ。
 うふふ………宰相が、苦虫を潰したような表情になっている。

 貴方とカール・ハインツ・オーベルシュタイン帝都騎士団団長と、その親であるオーベルシュタイン侯爵は別派閥だものね。
 ざまあみろって感じね。








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