異世界初の悪役令嬢に転生しました~悪役令嬢語しか話せないなんて!どなたか正確に翻訳してくださいまし~

めしめし

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第2章 幼少期

第16話 カロリーヌとの初対面ですわ

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大歓声を浴びながらホールから出た私とヘンリー殿下は、屋敷の庭にある木製のバーゴラへと向かった。
ここは私と殿下が初めてあった場所。
その後も殿下が遊びに来た際には、度々ここで話をしていた馴染みの場所なのだ。
少し離れたところで従者のノムさんが、邪魔にならないように立っている。
この光景も8年前から何も変わっていない。

パーゴラに設置されたベンチに座る私たち。
ロウソクに灯をともすと辺りはうっすら明るくなり、幻想的な雰囲気を醸し出した。

「楽しかったな。」
目を輝かせながら、悪戯っぽく笑うヘンリー殿下。
背が高くなり、ますますイケメンになっても子供っぽさは昔のままだ。

「殿下がもう少し私を上手くリードしてくれれば、もっと楽しめたと思いますわ(私も殿下と踊れて楽しかったですわ。)

「変わらないな、メリーは。」
お前もな!と突っ込みたくなったが、止めておいた。

「もうすぐ俺は兄貴と同じ王立魔法学園に入学する。
そうすりゃ俺も父上の後継者候補の1人となる。
あの兄貴と争わなければならないんだ。」

アイゼンベルグの王位継承権は、王家の血を引く15歳以上の男女。
例外を除き継承権のある全ての者に適用される。
王となるには前王の推薦の他、貴族の代表者で構成される貴族院からの承認も必要。
人間性、教養、統率力、周囲からの評判など様々な方面から評価されるのだ。

「兄貴の他にも後継者共が何人もいる。
兄貴は別格として、他も優秀な奴らぞらいなんだ。」

15歳を目前にして、ヘンリー殿下もいっちょ前にプレッシャーを感じているようだ。
自分の弟みたいに思っていた殿下。
大人になってくれたみたいでお姉さんは嬉しいぞ♡

「平素より、何事にも自信をお持ちの殿下のお言葉とは思えませんね。
僭越ながら私の意見を述べさせて頂きますと、『くだらん』ですわ!(あまり気にしない方がよろしいですわ)」

「は?」

殿下は予想外のところからの私の攻撃に、思考が一瞬止まってしまったようだ。

「あのちょい悪親父(陛下)がそう簡単に崩御されるとは思えません。
20年後かもしれませんし、30年後かもしれません。
そんな先のことを今悩むのは時間の無駄。
王族たるもの、あなたがタンゴで見せたように堂々としてくださりませ。」

「時間の無駄…。」
ヘンリー殿下は少なからずショックを受けたようだ。
大人っぽくなっても彼は私の弟分。
私の中では金色のチワワの印象は変わらない。

「フハハハハ。父上がちょい悪親父か。
そんなことを言えるのはお前くらいの者だ。」

笑い方が陛下にそっくりね。
あなたもちょい悪親父になる才能があるわよ。

「お前と話していると、俺の悩みなんてちっぽけに思えてくる。
話せてよかった。俺はまた屋敷に戻る。
メリーはどうする?」

「私は少々疲れたので、もう少しここにいますわ。」

「そうか、後でお前も顔を出せ。メリーも主役の1人だからな。」

「承知しましたわ。後ほどお伺いいたします。」

憑き物がとれたのか、ヘンリー殿下は意気揚々と屋敷に向かって歩いて行く。
ノムさんは私に軽く一礼をして、殿下の後を追いかけた。

殿下もいろいろなプレッシャーがあるのね。
ちょっとはましになってくれたかしら。
さて、私はどうしようかな。

「ううう…。」

どこからか女性のむせび泣く声が聞こえてきた。
しかし、辺りを見回しても誰もいない。
一体何なのよ。
私は声の方に向かって歩いて行った。

すると薄暗い庭の端でうずくまって泣いている少女を発見。
胸元には脂っぽい染みがべっとりついている。

ちょいと女神さん?
イベント盛り過ぎじゃねえですか?
話かけたらダメ、絶対厄介ごとに巻き込まれる…。

「ううう…。」彼女は私に構わず泣き続けている。

「あなた、こんな所で何を泣いてらっしゃるの?」

それでも見ない振りは出来ない。
私は面倒ごとに巻き込まれること覚悟で声をかけた。

私に気付き、顔を上げる女の子。
特別美人でもないが、どこか人を惹きつける雰囲気を感じる。
泣き続けたためか、目の周りが腫れている。

「あっ、メリー様。お見苦しいところをお見せしました。」
スッと立ち上がった彼女。
オレンジ色の可愛いドレスが小柄な彼女にぴったりだ。

残念なことに、胸からお腹部分にかけてべっとりとブラウンの染みがついている。
これはミートローフのグレイビーソースだろう。
我が家のシェフが作った至高のソース。
ドレスに食べさせるには勿体ない逸品なのだ。

「あなたその染みどうしたの?」

私が指摘すると彼女は隠すように両手でドレスを覆った。

うん、大丈夫。
全然隠れて無いですわよ。

「私、子爵令嬢なんです。」

あら、この子語り出しましたわ。

「元々は平民だったのですが、父の功績が認められて最近子爵になったばかりなんです。
本日のパーティにも招待されて喜んでいたのですが、他の貴族令嬢の方には認めていただけなくて…。」

「どちらの方が、あなたのドレスを汚しましたの?」

「いえ、それは…。」

「いいからおっしゃいなさい。」

「侯爵令嬢のドリアーヌ様です。」

また、あの女なのね。
私よりもあの子の方が悪役令嬢っぽくは無いですか?
監督!私と選手交代をお願いします。

「私、あの方許せないんです!」

急にテンションが上がってきたわね。

「あの美味しいミートローフを粗末にするなんて、料理人に対する冒涜です!」

怒っているのはそっち!?
あなたとは気が合いそうね。

「それじゃドレスをなんとかしないとね。マーサ。」
「はっ、お嬢様。」

木の陰から突如現れたメイドのマーサ。
バレないように隠れていたつもりのようだけど、木の後ろに隠れるにはスカートが広がり過ぎているわね。

「こちらの方に私の服を貸して差し上げて、あなた名前は?」

「ベルナール家のカロリーヌと申します。メリー様、このご恩は生涯忘れませんわ。」

それが私とカロリーヌとの出会いだった。
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