異世界初の悪役令嬢に転生しました~悪役令嬢語しか話せないなんて!どなたか正確に翻訳してくださいまし~

めしめし

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第4章 国外逃亡編

第44話 ねぇ、お店を譲ってくださらない?

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店を出て家に帰った私たちは、早速作戦会議を行った。

「予想以上にひどい店だったわね。特に接客態度が底辺すぎるわ!」
私が話を切り出すと、二人はうんうんと頷く。

「あの少年のスープは良かったですわ。お店を潰すなら、あの子だけは助けてあげたいです。」
と、マーサ。私も全く同感だ。あの子には私たちが行う店で働いてもらいたい。

次はどのようにしてお店を乗っ取るかだ。

今でもすでに閑古鳥が鳴いている。
商売としてはすでに赤字は間違いない。
それでも続ける理由はあるのか。
おそらくそれがお店が続いている理由、閉めない理由となっているのだろう。

「やはり、ここはお嬢様にエサ、げふん。お嬢様にオーナーと仲良くなってもらう必要がありますね。」
今オットー、私をエサって言ったわね?

「オーナーの貴族の三男が明日、あのお店を訪れます。」
えっ断言するの?何でそれをあなたが知っているの?
オットー、あなたやっぱり怖いわ。

「そこでお嬢様がそのバカ息子に偶然を装いぶつかり、彼の気を引くのです。」

この前話していた妄想話ね。やっぱりそれしかないの?
何にせよ、オーナーに合わなければ話は進まなさそうね。
取りあえずはその線でいってみましょうか。


・・・・・・・・・・・


次の日の夕方、オーナーらしき男はオットーの言った通り店から出てきた。
歳は20歳くらいだろうか?
身長は150センチくらいで、ぼってりと飛び出たお腹が印象的だ。
油ぎった顔に、薄めの髪の毛。
いかにも高そうな服を着ており、若者というよりは中年のおっさんというイメージだ。

お供も連れず一人で歩いてこのお店に来たようだ。
お店から出た彼は、そのまま北へと向かって歩き始めた。

彼にぶつかればいいのね?
「偶然にぶつかる」は定番のシチュエーションだ。
そこから始まる恋愛ストーリーも数多くある。
意中の人と知り合うには最適で、乙女ゲームにおいてもイベントを起こしやすい。

私はクラウチングスタートの構えを取り、貴族の三男に向かって勢いよく突進した!
風を切りながらグングンとスピードに乗っていく。
私の体はまるで弾丸のようになっていた。

「お姉さま~それはぶつかるのではなくタックルです!」
オットーの声がはるか後ろから聞こえる。
えっ、私間違っている?
気づいた時にはもう遅かった。

ドッカーン。
爆音が辺り一帯に響き渡る。
私がぶつかった男の体はくるくると回転しながら飛ばされ、地面を何度もバウンドした。
倒れた直後は地面の上でピクピクと動いていた彼だったが、すぐに意識を失ったようだ。
これって偶然ぶつかっただけで済ませられる?

・・・・・・・・・・・

「ううっ」

「あっ、目を覚ましましたわ。」

貴族の三男坊は頭を押さえながら目を覚ました。
特に大きなけがは無さそうだ。

私たちは偶然ぶつかり意識を無くした彼を介抱するために、彼を私たちの家に連れてきていた。
地下室で椅子に座らせ、ロープでぐるぐる巻きにしたのも全く偶然だ。
それにしてもマーサ、人をロープで縛るのがやけに上手ね。

自分の置かれている状況に気づいたぽっちゃり貴族。
混乱した様子でまくしたてる。

「おい、貴様ら。一体何者だ!
僕を領主の息子だと知ってのことか!
僕をこんな目に合わせると、どうなるか分かっているのか!」

彼は精一杯の虚勢を張る。
脂ぎった顔から、追加注文の脂が溢れだす。

「いえ、お坊ちゃま。私たちは偶然倒れていた貴方を介抱していただけですのよ。」

「倒れてた!?いや、確かに僕は突如飛び出してきたイノシシに突進されて…。」
そうそう、私は人の皮を被った獰猛な獣。好きな食べ物はドングリよ、ってだれがイノシシじゃ!

「じゃあ、何で僕は縛られているんだ!さっさと離せ!僕は父の所に行かなきゃいけないんだ!」

「それは奇遇ね。私たちもあなたのお父様にお伝えして欲しいことがあるんですの。」

「伝えて欲しいこと?そんなことは僕を解放してからにしろ!離せ!離してくれぇ!」
暴れれば暴れるほど、縛ったロープは肉々しいお腹に食い込んでいく。
マーサの緊縛術は完璧だ。一体どこで覚えたのだろう?

「奥様のコルセットを締めることを考えたら、全然大したことないですわ。」
マーサは私の心が読めるらしい。

「あら、素直に解放したら、お逃げになられますよね?私たちはあなたにお願いをしているだけなんですのよ。」

「じゃあさっさとそのお願いとやらを言え!僕は忙しいんだ。」
坊ちゃんのイライラはピークに達したようだ。

「あなたが所有しているレストランの営業権を私たちに譲ってほしいのよ。」

「は?お前は何を言ってるんだ?」
坊ちゃんは事態を呑み込めてないようだ。

「そのままの意味よ。あなたのお店の営業権を私たちに譲っていただきたいですわ。もちろんあなたはオーナーのままで結構よ。
今あなたのお店、かなりの赤字を出しているでしょ?
私たちはそれを立て直したいのよ。」

「・・・・・。」

坊ちゃんは黙ってしまった。
どうやら提案自体は悪くないらしい。

「だ、だめだ。あのお店は父に任されてるんだ。手放したりしたら、父に何と言われるか!」

「手放す必要はないわよ。ただ、お店の運営方法を少し変えるだけ。悪いようにはしないわ。」

「・・・・。いや、あの店は僕のものだ。誰にも渡さない。」
うーん、埒があかないわね。意外と強情ね。
マーサ?何をニヤニヤしているの?

「お嬢、メリー、ここは私に任せてくれない?この素敵な男性とたっぷりお話したいですわ。メリー、オットー、少しこの男性と2人きりにしてくれないかしら。」

どうやら何か策があるらしい。
私とオットーは地下室を離れ、ロビーへと向かった。

「さぁ、たくさんお話しましょ?」

・・・・・・・・・・

30分後、私たちが地下室に降りると

「坊ちゃんは協力したいとおっしゃってるわ。」
と笑顔を見せるマーサ。

「オミセハジユウニオツカイクダサイ。」
マーサの後ろで放心状態の坊ちゃん。

一体マーサ、彼に何をしたの?
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