異世界初の悪役令嬢に転生しました~悪役令嬢語しか話せないなんて!どなたか正確に翻訳してくださいまし~

めしめし

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第4章 国外逃亡編

第47話 あなた転生者なの?

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「まさかお子様ランチとは…」
ぼそりと発した従者の口から、この世界に無いはずの言葉が飛び出す。

「お子様ランチ」
私たちが考案した異世界風にアレンジしたパンダちゃんライスを、挿絵を見ただけでお子様ランチと言ったのだ。
これはお子様ランチを知らなくては出来ない芸当だ。
彼は転生者の可能性が高いだろう。

気にはなったが、私はあくまで気づいていないフリを貫き通す。
私ほどにもなれば、ポーカーフェイスなんてお手の物よ。

「そ、それじゃ、あ、あなたは何になさいますの?」
ところが、私の口から出た言葉はしどろもどろ。
思わず注文用伝票をも落としそうになる。

「どうしたー?いつもの姉ちゃんの威勢はどこいったんだ?」
「メリー様、ガンバですわ!」

いつもと違う私の様子に周りから声が飛ぶ。
私の動揺は近くにいたお客さんにも伝わっている。
他の従業員たちも心配そうな顔で私を見ていた。
っていうか、あなたたちは私を見過ぎですわ。

こら、クローディア!貴方、コップじゃなくお客さんの頭にジュース注いでるわよ!
アンナ、あなたがお客さんに出したそれは、ハンバーグじゃ無くて漬物石よ!

「あ、注文いいか?」
お客さんの悲鳴が起こる中、従者が冷静に私に声をかける。
あなた、よくこの状況でも冷静でいられるわね。

「このアイスクリームと書いているのは、あのアイスクリーㇺのことか?」

あのアイスクリーム…!?
この男、私を転生者だとかまをかけてきているのかしら?
でないと、さも私がアイスクリームを知っているようには言わないわよね。
そう、そっちがその気ならこっちも負けないわよ。
とことんまで、しらばっくれてやるわ!

「誠に申し訳ございませんが、『あの』とはどういうことでしょうか?
こちらの商品は私どものオリジナルですわ。
どちらかで似たような商品をお見かけしたのでしょうか?
それともそれが分からないくらい、お疲れになっていたのではないですか?」

「なんだと?おれの目が節穴だというのか!?」
私の返答に即座に反応する従者。
転生者かどうか分からないけど、おつむの方は弱そうね。

「節穴かどうかは分かりかねますわ。私はあなたじゃないのよ。
ただ、私どもの商品に対して盗作呼ばわりはお止めになって頂きたいですわ。
私どもは真っ当なお店経営をしたいだけですの。」

私が言い放った瞬間、お客さんたちから拍手と歓声が沸き起こる。

「いいぞー、メイドカフェ万歳!」
「メリー様、こっちを向いてー!」
「おい、わけぇの!その嬢ちゃんには口では勝てんよ!」
「注文したクマちゃんオムライスはまだー?」

興奮して立ち上がる従者の服を引っ張り、止める殿下。

「ねぇ、そんなことより早く注文しようよ。僕お腹がすいたよ。」

「で、ですが…」

「先に食べてから話をしようよ、ね?」

にこやかに話す殿下に見えるが、その口調に有無を言わせない圧力がある。
やっぱりこう見えても王族なんだ。
すでに従者よりもメンタル面では上に立っているようだ。

「はっ、そうおっしゃるなら。
おい、パンダちゃんライス2つだ。食後にアイスクリームをつけてくれ。」

「おい?」
私は従者をじろりと睨む。

「あー、もう。パンダちゃんライス2つをお願いします。食後にアイスクリームを2つ用意できますか?」
不服そうな顔をしながらも、従者は言い直して注文した。

「かしこまりました。一生懸命作るのでしばらくお待ちくださいね♡」
私は皮肉たっぷりの営業スマイルを浮かべながら、注文を厨房へと持って行った。


・・・・・・・・・・・

食事を終えた殿下と従者、お互い満足そうな顔を浮かべている。

「私どもの料理が、お口に合いましたでしょうか?」
私は2人に近づき料理の感想を聞く。

「いやぁ、美味しかったですよ。こんな美味しく珍しい料理を食べたのは僕初めてです。
これはどこの国の料理になるんですか?」

どこか無邪気な殿下。口元が真っ白になっている。

「いえ、そこは秘密でございます。遠いところの料理とだけ言っておきましょう。」

「あー、そういうことですね。分かりました。じゃ行くよ。」

殿下は従者の方を振り返ると、従者はアイスクリームの入っていた器をペロペロと舐めていた。
彼の口元どころか、着ている服にもて溶けたバニラが垂れている。
おっさんのこの姿は少々いただけない・・・。

従者は自前の手ぬぐいで口や服を雑に拭うと、私に料金分の銅貨を支払った。
殿下たちは私に一礼をすると、扉から店の外へ出てしまった。

あれ?私に何か話すんじゃなかったの?


・・・・・・・・・・・・

店の外では、従者と殿下が店の感想を話し合っていた。

「ライアン、あのお店はどうだった?」
「地元民に親しまれた良いお店かと。見たこともないようなメニューと斬新な給仕方法で今後伸びてくると思われます。」

「じゃあ、あのお嬢様は?」

「はっ、とても聡明な女性だと思いますが、私のことを転生者と思いこんだようです。
殿下のおっしゃるように演技したら、まんまと信じてくれましたね。」

殿下が彼の言葉を聞き、くすっと笑う。

「まだ、僕が転生者ということを知られたくないんです。今日はあくまで挨拶に来ただけです。
ふふっ、面白くなりそうですね。」

彼らは馬に鞭を入れ、ヴェネパール王都へ向けて出発した。
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