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第4章 国外逃亡編
第48話 メイドも楽じゃないわね
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ヴェネパール王国フランツ殿下が「メイドカフェ悪役令嬢」に来店以来、忙しさは熾烈を極めた。
噂のメイドたちを一目見ようと、王国中からお客さんがやってきたのだ。
特に増加したのが、ヴェネパール王国兵士。
近隣の魔物退治すると銘打って、連日大勢の兵士たちが訪れる。
ちょっと暑苦しいのが玉に瑕ね。
でもお支払いはしっかりとしてくれるわ。
「おい、俺たちは日夜お前たちが安心に暮らせるように守ってやってるんだ。
ちょっとぐらいサービスをしてくれてもいいだろう?」
ドカッと机の上に両足を乗せる筋骨隆々の男。
中には王国兵士という立場を利用して、お店を自分の好きにしようとする馬鹿もいる。
しかし、そんな時は私の悪役令嬢語が即座に反応。
相手に反撃の間も与えないほど叩きのめすのだ。
「ケルナー様、いつも私たちのことをお守り頂き感謝しておりますわ。」
「えっ、嬢ちゃん何で俺の名前を…?」
「最近街の外の魔物が増えて私たちは困っています。
先日領主様がいらっしゃった時に、魔物を倒してくれる勇者様を募集していましたわ。
今まで生存者はいないようですが、ケルナー様なら大丈夫ですわね?
早速領主様にご推薦させて頂きますわ。
今までのように私たちをお守りくださいまし。」
「お、おい、嬢ちゃん、ちょっと待ってくれ。俺は受けるって言ってないぞ。
それに俺は兵士だ。勝手に依頼なんて受けられねぇよ。」
「それなら心配ご無用ですわ。軍団長のポール様は常連様なのでお話しておきますわね。」
「い、いや待ってくれ。何で嬢ちゃん俺の名前知っているんだ?」
「そんなことはメイドのたしなみですわ。」
もちろん、力任せで私たちに迫ろうとする馬鹿もいる。
しかし、私たちは元(?)A級冒険者であるクローディアの指導の下、お店が閉店後護身術の訓練をしている。
元々武術の才能もあったのだろう。
私たちはパーティを組んで、ダンジョンを攻略出来るほど強くなっていた。
私たちの強さは常連客なら皆知ってはいるが、一見で来る客はそのことをもちろん知らない。
「おい、ねーちゃんこっち来て酌をしてくれや。」
今日も一見の馬鹿が彼女らに声をかける。
担当したのは、可憐な美少女アンナだ。
最も小柄で非力そうな印象の彼女が、一番声をかけられやすい。
ただ、このお店で最も喧嘩っ早いのも彼女である。
彼女の胸元や袖、靴下にたくさんのナイフやフォークが仕込まれているのだ。
「この後俺と遊ぼうぜ。」
男は彼女のお尻を触ろうと手を伸ばした瞬間、
「・・・!!」
彼の手にフォークがざっくりと突き刺さる。
まるでもともとフォークが手から生えていたように、根本までぶっすりと刺されていた。
思わず悲鳴をあげようとする男の口をしっかりと手で押さえている。
男が騒ぐと周りのお客さんに迷惑がかかることを、しっかりと理解しているのだ。
「ご主人様、大丈夫ですか?フォークが手に刺さっていますわ。
一体どうしてなんでしょう?」
彼女はそう言うと彼の手をテーブルの上に置き、手当をしようとする。
「ご主人様、お仕事中のメイドに触ろうとすると危ないですよ!」
彼女の目に笑顔は無い。
しっかりと男を見ながら、フォークを抜き去った。
鋭い痛みを感じたようだが、男は必死で声を出すことをこらえていた。
どうやら、彼女の怖さを理解したようだ。
その後彼は終始怯えた表情のまま、彼が頼んだパンダちゃんライスをかけこんでいた。
しかし、一番怖いのはマーサだろう。
私たちの中では一番年上のベテランメイド。
凛とした立ち居振る舞いと、上品な話し方。
大人の色気がムンムンと溢れ、彼女目当てに通うお客さんが後をたたない。
お客さんからのアダルトなお誘いが最も多いのが、マーサなのだ。
たとえデートに誘われても、卑猥なことを言われてもマーサのかわす技術は天下一品。
おそらく今までにも様々なお誘いもあったのだろう。
どんなことを言われても全く動じないのが今のマーサだ。
アンポワネット家のメイドをしていた頃のドジっ子は、今や経験豊富なメイドに変身していた。
そんなマーサでも、感情を抑えきれないこともあるようだ。
数人がかりで卑猥なことを言われたり、あまりにもしつこく勧誘されたりするとマーサの怒りは頂点に達する。
その時彼女は客を連れて地下室にある一室に向かう。
通称マーサ部屋。
私でも入ることをためらうマーサだけの秘密の部屋だ。
秘密の部屋から戻ってきた客は、みんな別人のように従順になってしまう。
以前ヴェネパール王国の兵士が泥酔して暴れまわったところ、マーサに秘密の部屋に連れて行かれた。
部屋から戻った兵士は、つやつやの顔をしながら全てのお客さんに謝罪して回った。
それから五か月間、彼は毎朝お店の周りの道路の清掃を行っている。
最近、マーサが希望していた女性のための店「淑女館」が、ラクロコの街でもオープンした。
マーサを淑女館で見かけたという目撃談は非常に多い。
秘密の部屋に置かれている設備や道具等は全て淑女館で購入されたマーサの私物らしい。知らんけど。
従業員一同しっかり対応してくれているが、増え続けるお客さんに現在の人数の限界を感じていた。
このままじゃ、私たちの体がもたないわね。
メイドとシェフの強化が必要ですわ。
そこで私たちは協議の上、新たに従業員を増やすことにした。
街中に従業員募集(調理師、メイド)の広告を出すと、何百を超す応募者の願書が届いた。
その応募者の中には、アンポワネット家の使用人であるシェフのレオと、お母さま付きメイドのマルブリットがいた。
噂のメイドたちを一目見ようと、王国中からお客さんがやってきたのだ。
特に増加したのが、ヴェネパール王国兵士。
近隣の魔物退治すると銘打って、連日大勢の兵士たちが訪れる。
ちょっと暑苦しいのが玉に瑕ね。
でもお支払いはしっかりとしてくれるわ。
「おい、俺たちは日夜お前たちが安心に暮らせるように守ってやってるんだ。
ちょっとぐらいサービスをしてくれてもいいだろう?」
ドカッと机の上に両足を乗せる筋骨隆々の男。
中には王国兵士という立場を利用して、お店を自分の好きにしようとする馬鹿もいる。
しかし、そんな時は私の悪役令嬢語が即座に反応。
相手に反撃の間も与えないほど叩きのめすのだ。
「ケルナー様、いつも私たちのことをお守り頂き感謝しておりますわ。」
「えっ、嬢ちゃん何で俺の名前を…?」
「最近街の外の魔物が増えて私たちは困っています。
先日領主様がいらっしゃった時に、魔物を倒してくれる勇者様を募集していましたわ。
今まで生存者はいないようですが、ケルナー様なら大丈夫ですわね?
早速領主様にご推薦させて頂きますわ。
今までのように私たちをお守りくださいまし。」
「お、おい、嬢ちゃん、ちょっと待ってくれ。俺は受けるって言ってないぞ。
それに俺は兵士だ。勝手に依頼なんて受けられねぇよ。」
「それなら心配ご無用ですわ。軍団長のポール様は常連様なのでお話しておきますわね。」
「い、いや待ってくれ。何で嬢ちゃん俺の名前知っているんだ?」
「そんなことはメイドのたしなみですわ。」
もちろん、力任せで私たちに迫ろうとする馬鹿もいる。
しかし、私たちは元(?)A級冒険者であるクローディアの指導の下、お店が閉店後護身術の訓練をしている。
元々武術の才能もあったのだろう。
私たちはパーティを組んで、ダンジョンを攻略出来るほど強くなっていた。
私たちの強さは常連客なら皆知ってはいるが、一見で来る客はそのことをもちろん知らない。
「おい、ねーちゃんこっち来て酌をしてくれや。」
今日も一見の馬鹿が彼女らに声をかける。
担当したのは、可憐な美少女アンナだ。
最も小柄で非力そうな印象の彼女が、一番声をかけられやすい。
ただ、このお店で最も喧嘩っ早いのも彼女である。
彼女の胸元や袖、靴下にたくさんのナイフやフォークが仕込まれているのだ。
「この後俺と遊ぼうぜ。」
男は彼女のお尻を触ろうと手を伸ばした瞬間、
「・・・!!」
彼の手にフォークがざっくりと突き刺さる。
まるでもともとフォークが手から生えていたように、根本までぶっすりと刺されていた。
思わず悲鳴をあげようとする男の口をしっかりと手で押さえている。
男が騒ぐと周りのお客さんに迷惑がかかることを、しっかりと理解しているのだ。
「ご主人様、大丈夫ですか?フォークが手に刺さっていますわ。
一体どうしてなんでしょう?」
彼女はそう言うと彼の手をテーブルの上に置き、手当をしようとする。
「ご主人様、お仕事中のメイドに触ろうとすると危ないですよ!」
彼女の目に笑顔は無い。
しっかりと男を見ながら、フォークを抜き去った。
鋭い痛みを感じたようだが、男は必死で声を出すことをこらえていた。
どうやら、彼女の怖さを理解したようだ。
その後彼は終始怯えた表情のまま、彼が頼んだパンダちゃんライスをかけこんでいた。
しかし、一番怖いのはマーサだろう。
私たちの中では一番年上のベテランメイド。
凛とした立ち居振る舞いと、上品な話し方。
大人の色気がムンムンと溢れ、彼女目当てに通うお客さんが後をたたない。
お客さんからのアダルトなお誘いが最も多いのが、マーサなのだ。
たとえデートに誘われても、卑猥なことを言われてもマーサのかわす技術は天下一品。
おそらく今までにも様々なお誘いもあったのだろう。
どんなことを言われても全く動じないのが今のマーサだ。
アンポワネット家のメイドをしていた頃のドジっ子は、今や経験豊富なメイドに変身していた。
そんなマーサでも、感情を抑えきれないこともあるようだ。
数人がかりで卑猥なことを言われたり、あまりにもしつこく勧誘されたりするとマーサの怒りは頂点に達する。
その時彼女は客を連れて地下室にある一室に向かう。
通称マーサ部屋。
私でも入ることをためらうマーサだけの秘密の部屋だ。
秘密の部屋から戻ってきた客は、みんな別人のように従順になってしまう。
以前ヴェネパール王国の兵士が泥酔して暴れまわったところ、マーサに秘密の部屋に連れて行かれた。
部屋から戻った兵士は、つやつやの顔をしながら全てのお客さんに謝罪して回った。
それから五か月間、彼は毎朝お店の周りの道路の清掃を行っている。
最近、マーサが希望していた女性のための店「淑女館」が、ラクロコの街でもオープンした。
マーサを淑女館で見かけたという目撃談は非常に多い。
秘密の部屋に置かれている設備や道具等は全て淑女館で購入されたマーサの私物らしい。知らんけど。
従業員一同しっかり対応してくれているが、増え続けるお客さんに現在の人数の限界を感じていた。
このままじゃ、私たちの体がもたないわね。
メイドとシェフの強化が必要ですわ。
そこで私たちは協議の上、新たに従業員を増やすことにした。
街中に従業員募集(調理師、メイド)の広告を出すと、何百を超す応募者の願書が届いた。
その応募者の中には、アンポワネット家の使用人であるシェフのレオと、お母さま付きメイドのマルブリットがいた。
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