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離したくない④
しおりを挟むずっとひた隠しにしてきた恋が、こぼれてしまった……
施設のホールでピアノを奏でる姿を見たその時から、私は貴方に囚われて……
……私の小さな王子様のように思っていた。
いつまでも、私の目の届く所に、貴方を置いて置きたかった。
そんな願いは、叶わないと知りながら……
「菊野さん……っ!」
「あっ」
剛が、私を抱き締めたままで熱烈に口付けをする。
彼の全身が昂っているのが、その唇の熱と荒い呼吸で伝わってきた。
優しく小鳥の触れ合いのように唇を軽くつつくようにしたと思えば、激しく舌を絡ませながら、彼の指が背中を悩ましい手つきで撫でる。
「んん……ん」
私は、彼にしがみつくのに精一杯だったが、何時しか、彼のキスに応えて舌の動きを合わせていた。
「ふ……ん……っ」
「く……っ」
二人は狂った様に互いの唇を貪り合っていたが、不意に剛が呻いて顔を離した。
「……」
私は、急に恥ずかしくなり、シーツを顔まで被って隠れる。
だが、剛にあっという間に剥ぎ取られた。
「……見ないで……」
顔を掌で覆い隠そうとしたが、彼の手が素早く阻止し、私は結局また呆気なく組み敷かれてしまった。
「隠さないで見せて下さい……綺麗な身体を……」
剛の目が、また獣と化している。
「き……綺麗じゃあないもんっ」
「綺麗ですよ……とても」
切れ長の瞳は、身体を舐め回す様に眺め、私の閉じた脚の間に視線を留めると、手を差し入れて開こうとする。
「だ、ダメ」
「……俺のことを、好きって言いましたよね……」
「――っ」
「だったら……いいでしょう?
俺に、何をされても……」
「そ……そんな」
きっと、はしたなく濡れてしまっている。
見られたくない――!
私は必死に脚を閉じて抵抗を試みた。
「往生際が悪すぎです……もう、いい加減……っ」
焦れた様に剛が小さく叫び、脚をぐっと大きく開いた。
「やだっ……見ないで‼」
「まだ見ていません……」
秘所に辛うじて張り付いている、今やただの布切れと化した小さなショーツの上から、剛はそっと指で触れた。
「ひっ」
感じて叫ぶ私に口付け、舌を侵入させて咥内をかき回しながら指で布を摘まみながら、蕾を探り当てると、彼が一気に布を取り去った。
「――――!」
舌を絡め烈しく愛されながら、指で蕾に直接触れられ、私は狂ってしまいそうに悶える。
彼は唇を離し、喘ぐ私を見て妖しく笑う。
「……綺麗です…俺に触れられて、声をあげる菊野さんは……
綺麗で……可愛い……」
「かっ……」
頬が、身体が真っ赤に燃えている。
彼の言葉に、その眼差しに、私の全てが反応してしまう――
こんな感覚は、今まで知らずにいた。
悟志に初めて抱かれた時も、こんな風にはならなかった――
『――菊野……大丈夫かい……身体の力を抜いてごらん』
(――!悟志さん……)
不意に、初夜の想い出が甦り、身体が強張る。
そう、ここは、悟志と式を挙げ……初めて身体を開いた場所……
「菊野さん……?」
私の表情の変化に剛は眉をひそめたが、私が涙をポロリ、と流すのを見て、目を見張った。
長い指で、涙を拭い、剛が囁く。
「また泣くんですね……
その涙は……悟志さんを思っての、ものですか」
「……っ」
「やっぱり……菊野さんは、悟志さんを愛してるんですね」
「――!?」
「俺の事なんて……子供にしか思えないですか」
傷ついた色を、その瞳に浮かべる剛に私は思わずしがみついた。
彼の身体が震えて、私を抱き締め返す。
「菊野さん……?
そんな事をされたら、今度こそ……本気にしますよ」
「……わ……私は」
彼の胸に顔を埋めながら、私の中ではまだ、自分の中で相反する思い同士が闘っている。
彼に想いを知られてしまったのに。
まだ躊躇ってしまう私は意気地無しなのだろうか?
だが、剛が顎に手を掛けて羽毛のような優しいキスをした途端、自分の中の躊躇いは消え去ってしまい、狂おしいまでの恋の嵐に翻弄される。
私は、彼の首に腕を回して自分から口付けた。
剛が口付けに応えて、舌を絡ませてくる。
あまりにも熱くて烈しいその愛に、怖くなり逃げ出したくなって舌をすくめると、彼が追い掛けてきて甘く私を蹂躙する。
長い長い、唇の触れ合いと奪い合いは、剛が溜め息を吐き、顔を離してようやく終わる。
大胆な事をしてしまった、と、私は恥ずかしさで顔がカアッと熱くなったが、彼に太股に触れられて、小さく叫ぶ。
「待って……」
「どれだけ待たせるつもりですか」
剛は太股を大きく拡げ、私の濡れた秘蕾を露にした。
「っ……!」
今、剛に晒しているそこは、布で覆われてなどいない。
灯りのついた部屋で、彼の目に、こんなに溢れてしまっているそこを見られてしまうなんて……
悟志にされる時も恥ずかしいと思ってはいたが、ここまでの物では無かった。
頬から、火が出る程だ。
彼に触れられたり、肌を見られるのは今までも恥ずかしかったが、これは、今までの比較にならない。
自分でも見た事の無い場所を、好きな人に晒すという事がどんなに抵抗があって、堪らなく恥ずかしい事なのか、私は今、初めて知った。
「見ないでっ……本当に、見ないで……」
あまりの羞恥に、私は泣きじゃくっていた。
剛の長い指が、花弁に優しく触れた。
咲こうとする柔い花にそうするように。
「や……やだっ……
お願い……見ないでっ」
「菊野さん……泣かないで……」
低い静かな囁きが、鼓膜を蕩けさせる。
今まで聞いた彼の声で、一番甘いそれは、鼓膜と私の身体全部を熱くさせた。
そして蜜を滴らせ、花弁から溢れ出る。
剛の指が、それを伸ばすかのように触れて、彼は溜め息混じりに呟いた。
「初めて……見ましたが……
とても綺麗です……」
「嘘……嘘よ‼そんなの……
恥ずかしいから……
もう……やめて……」
言葉とは裏腹に、彼の眼差しと囁かれる言葉に甘く反応する私の秘蕾は、溢れ、痙攣していた。
剛は、太股を掴むと顔を近付けて、ごくりと喉を鳴らした。
「ダメ――っ!
お願い……見ないでっ……
恥ずかしい……!」
「嫌です」
「――!」
「俺が、見たい……菊野さんの全てを」
剛は遂に顔を埋め、秘蕾を舌と唇で愛し始めた。
彼の吐息が触れて、舌が花弁の中で優しく動き、私を一気に狂乱の快感へと導く。
「や……や……あああっ……そんな……ダメ、ダメ――っ」
仰け反り、脚をばたつかせると、彼が手を強く握り締めた。
剛は、匂いたつ花園に降り立った飢えた蜜蜂の様に無心に、溢れ、滴る蕾を貪っている。
「あ……あ……ああ……あああああっ」
もう私は、何も考えられない程に感じて、目の前が白くなるのを自覚した。
剛の舌の愛撫によって、絶頂に向かっていた。
「きゃあっ……ああっ」
舌で愛されながら同時に彼の指に硬くなった秘粒を摘ままれ、私は絶叫する。
全身を大きく痙攣させた私は、そのまま達してしまう。
視界がぼやけ世界が薄れゆく中、剛の優しい笑みが目の前に見え、低い囁きが聞こえた。
「とても……素敵です……菊野さん……
菊野……
貴女を……もう……離したくない……」
――剛さん……
素敵だった……
私も……
離れたくない……
貴方と……このまま……――
しなやかな指が頬に触れ、口付けられた瞬間、私は意識を手放した。
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