転生悪役令嬢は悪魔王子をスルーしてカフェオーナーになりたい

和気 藹

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領都フルネンディク

7 領都フルネンディク

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 王都から二十日間かけて着きました! 領都フルネンディク!

 二回目なので感慨深い……というのはないのですが、タヌキがいないので心起きなく商品開発に勤しめます。うふふふ。
 あ、道中はノート兄様といつもの通りキャッキャウフフしていて、事件に巻き込まれることもなく、途中、大蒜を見つけて小躍りしたくらいですかね。やらかしたのは。
 ノート兄様は笑いながらスルーしてくれました。そういえば、ゲーム上でのノート兄様の二つ名”微笑みの魔術師”は無理やりスルースキルを上げさせた私のせいなのかもしれません。ごめんよノート兄様。

 領主館に付くと、執事のディーデリックとメイド長のヨハンナと五名のメイド、プレゼンにいた領地の財務担当者のイザークと知らない少年が迎えてくれました。

 代表してディーデリックが挨拶をします。

「遠路はるばるお疲れさまでした、ノルベルト様、マリアンネ様。ようこそいらっしゃいました」
 ノート兄様が代表して応えます。凛々しいですお兄様! 私は成人前の未婚女性なので目礼のみです。
「出迎えありがとう。マリアンネ共々よろしくね」
「勿体なきお言葉、ありがとうございます」
「イザークも出迎えありがとう」
「お待ちしておりました、ノルベルト様、マリアンネ様。これは私の次男でシモンと申します。昨年成人致しました。お二方の従僕としてお使いくださいませ」
 シモンはアッシュグレーの髪とスモーク・グレイの瞳で、ジャンガリアンハムスターのブルーサファイアっぽい感じの少年です。イザークと瞳の色は一緒ですね。身長はレイ兄様少し低いくらいです。シモンは緊張した面持ちで挨拶してくれました。
「シモンと申します。よろしくお願いいたします」
「そうか、イザークの……これから色々出向くことになるから、よろしく頼むね」
「はい、誠心誠意努めさせていただきます」
 少年特有の硬さがかわいいですね。差し詰め新入社員ってところでしょうか。真面目なイザーク似なんでしょうか? 

 今日は挨拶だけにして、明日から本格始動です。



 翌朝、領都の薬草を扱う数件の店を三人で回ります!

 朝食を終えるとお茶もそこそこに自室に戻り、生成りのシャツとオリーブグリーンのニットベストと同色で自作のカ-ゴパンツに着替え、髪をポニーテールにしてグレーのキャスケットをかぶり髪を仕舞います。姿見を見てちょっとポーズをとってみる。
 うん、ニューヨークの新聞売りの少年っぽい。王都でもこの格好をしてノート兄様と街を探検して居たので慣れたものです。
 着替えを手伝いに来て、あっけにとられているメイド長のヨハンナに「行ってくるね!」と声をかけると小走りに玄関で待っているノート兄様とシモンに合流します。

 ノート兄様も生成りのシャツと私が作った色違いのダークカーキのカーゴパンツとカントリーブーツ姿です。”HUGO BOSS”の軍服着たモデルみたいです。足が長いのでかっこいいですね!”HUGO BOSS”ならスリーピーススーツとかも着て欲しいですね。スーツ萌え。
「おはよう、アンネ。やっぱり今日はマリウスなの?」
「おはようございます、ノート兄様! 街に出るのでマリウスです。差し上げたお洋服似合ってますね!」
「ありがとう、このカーゴパンツ? 楽でいいね。収納も多いし。変装用だけでは勿体ないよね」
「じゃあ、何枚か作りますか?」
「アンネのと同じ色がいいな」
「いいですね! お揃い! シモンも着ますか? レイ兄様と同じくらいでしょ?」
 横で立っているシモンに話しかけても反応がありません。あれ?

「マリアンネお嬢様……マリウス……」
 あーこれ、きっと彼の中のお嬢様のイメージがガラガラと崩壊してるんだ……。


 シモンが再起動するまで、しばらくかかりました。なんか……ごめんよ…….



◇◆◇◆◇◆

 体調崩して更新遅れました。皆さまもお気をつけて……。
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