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領都フルネンディク
36 悪魔が来りて……
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悪魔が来りて〇を吹く(あ、ギルの笛じゃありませんよ。念のため)的な不吉なお知らせは、対外的には苗木の授与式又は植林式などの式典が行われるはずなので、付きっ切りで対応すべきはお父様か嫡男のレイ兄様とわが領からはイザーク位で、未成年の私とノート兄様にはまーったく関係のない話で。
領主館に殿下一行が滞在されるとしたら、「お前ら煩いからちょっと外行って遊んでろよ」と追い出される可能性があるくらいでしょうか。
当日前後に追い出されるのは大歓迎なんですがね。
悪魔はどう打って出てくるのかが予想がつかないのがツラいところです。
ただ、わが領と山脈一つ隔てた隣国から譲り受けたという木の苗木に心当たりがあるんです。 ある程度標高が必要で、コーヒーの木と同じく地域で育つ木と言えば、カカオの木です。
種子がチョコレートの原料となるあれです。
すごい欲しかった、食べたかったものなんですが、カカオの実からカカオニブを取り出しカカオマスにしてチョコレートやココアにするのにすごく手間がかかるものであることも知っているので、カカオニブを購入して加工して製品として販売するくらいならまだしも、コーヒーとヒッコリーの実の安定生産に取り組み出したばかりのわが領には過ぎた代物なんですよ。
まず第一にチョコレート生産をするにしてもその分の人件費と設備投資とかに廻すお金は侯爵家にはないと思うのですよ。
第二にコーヒーとカカオは植生地域がほぼ一緒。ということは、今年植樹予定だったコーヒーを減らしてそこにカカオを植えて、コーヒーの生産予定を減らし収穫できるようになるまで何年か費用だけがかかるのを負担しなくてはいけなくなるのです。しかも苗木から収穫までこの世界で年単位でどのくらいかかるか予想がつかないため私の猶予期間で収穫が成功する可能性は低いとくれば……。
つまり、お荷物を押し付けられたって事です。
お父様はその事に気がついているのかどうかは今はわかりませんが。
隣国もその雑多な工程に音を上げて我が国に押し付けて来たのが、まる分かりじゃないか。
そして王族の直轄領でも同じだと思われ。
ああ、下請け・孫請け企業の悲しみってヤツですね。わかります。
とりあえずこの件については、私の知っている限りの情報をイザークに渡し、コーヒーの生産の見直しをしなくていけません。
悪魔め、やってくれるわ。
ラノベとかだったら乗り込んで来て、何か食わせろとか、恋愛小説バリに口説いてくるのが普通でしょうに、こっちの計画自体を変更させて混乱を狙うなんて。やっぱり悪魔だ。
善意を装って確実な計画変更を狙うなんて、どんだけ性格が悪いんですか。どんな子供なんですか。まるで、前世の新規事業立ち上げ完了目前に一枚かませろと言ってきた某大手商社みたいじゃないですか!
くぅー、目の前で悔しそうな顔を見せるの相手を喜ばすだけ。反応を見せることは情報を流すようなもので絶対にしてはなりません。大嫌いだ。ほんと、大嫌い。
未成年の私ができるせめてもの抵抗は悪魔が領都に来る前後に馬車での日帰りが不可能な奥ファジャにでも逃げ出すことくらい。最悪はドラゴンのパウサにでも。でも宿泊することはできないし……お父様に行った事がバレるかもしれないけれど、身内のほうがまだごまかせますし。
ああぁ癒しが欲しい! もふもふ! もふもふが欲しい! 切実に!
ばたばたと準備をしているうちに、王都からお父様とレイ兄様が殿下一行の受け入れの準備をするためにやってきました。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
よく聞くけどよくわからないチョコレート用語
カカオニブ:果肉から取り出した種子を焙煎し外皮と胚芽(芽になる部分)を取り除いて乾燥させたもの。
カカオマス:カカオニブを細かく砕いてペースト状にしたもの。この工程がチョコレートの風味の一つである”くちどけ”を左右する。
領主館に殿下一行が滞在されるとしたら、「お前ら煩いからちょっと外行って遊んでろよ」と追い出される可能性があるくらいでしょうか。
当日前後に追い出されるのは大歓迎なんですがね。
悪魔はどう打って出てくるのかが予想がつかないのがツラいところです。
ただ、わが領と山脈一つ隔てた隣国から譲り受けたという木の苗木に心当たりがあるんです。 ある程度標高が必要で、コーヒーの木と同じく地域で育つ木と言えば、カカオの木です。
種子がチョコレートの原料となるあれです。
すごい欲しかった、食べたかったものなんですが、カカオの実からカカオニブを取り出しカカオマスにしてチョコレートやココアにするのにすごく手間がかかるものであることも知っているので、カカオニブを購入して加工して製品として販売するくらいならまだしも、コーヒーとヒッコリーの実の安定生産に取り組み出したばかりのわが領には過ぎた代物なんですよ。
まず第一にチョコレート生産をするにしてもその分の人件費と設備投資とかに廻すお金は侯爵家にはないと思うのですよ。
第二にコーヒーとカカオは植生地域がほぼ一緒。ということは、今年植樹予定だったコーヒーを減らしてそこにカカオを植えて、コーヒーの生産予定を減らし収穫できるようになるまで何年か費用だけがかかるのを負担しなくてはいけなくなるのです。しかも苗木から収穫までこの世界で年単位でどのくらいかかるか予想がつかないため私の猶予期間で収穫が成功する可能性は低いとくれば……。
つまり、お荷物を押し付けられたって事です。
お父様はその事に気がついているのかどうかは今はわかりませんが。
隣国もその雑多な工程に音を上げて我が国に押し付けて来たのが、まる分かりじゃないか。
そして王族の直轄領でも同じだと思われ。
ああ、下請け・孫請け企業の悲しみってヤツですね。わかります。
とりあえずこの件については、私の知っている限りの情報をイザークに渡し、コーヒーの生産の見直しをしなくていけません。
悪魔め、やってくれるわ。
ラノベとかだったら乗り込んで来て、何か食わせろとか、恋愛小説バリに口説いてくるのが普通でしょうに、こっちの計画自体を変更させて混乱を狙うなんて。やっぱり悪魔だ。
善意を装って確実な計画変更を狙うなんて、どんだけ性格が悪いんですか。どんな子供なんですか。まるで、前世の新規事業立ち上げ完了目前に一枚かませろと言ってきた某大手商社みたいじゃないですか!
くぅー、目の前で悔しそうな顔を見せるの相手を喜ばすだけ。反応を見せることは情報を流すようなもので絶対にしてはなりません。大嫌いだ。ほんと、大嫌い。
未成年の私ができるせめてもの抵抗は悪魔が領都に来る前後に馬車での日帰りが不可能な奥ファジャにでも逃げ出すことくらい。最悪はドラゴンのパウサにでも。でも宿泊することはできないし……お父様に行った事がバレるかもしれないけれど、身内のほうがまだごまかせますし。
ああぁ癒しが欲しい! もふもふ! もふもふが欲しい! 切実に!
ばたばたと準備をしているうちに、王都からお父様とレイ兄様が殿下一行の受け入れの準備をするためにやってきました。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
よく聞くけどよくわからないチョコレート用語
カカオニブ:果肉から取り出した種子を焙煎し外皮と胚芽(芽になる部分)を取り除いて乾燥させたもの。
カカオマス:カカオニブを細かく砕いてペースト状にしたもの。この工程がチョコレートの風味の一つである”くちどけ”を左右する。
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