チート無し男の異世界生活

Members

文字の大きさ
20 / 31
第1章

1-19 冒険者

しおりを挟む
シルフィア視点

「おつかれさまでしたー!」

「はーい!お疲れ様ー!明日もよろしくねー!」

今日も無事に営業を終えて、自宅へ帰る。私が、この街に来たのは約50年前。10年周期で職を変えているため知り合いは少ない。私は人間の年齢で言うと、まだ17歳くらいだとか?エルフは元々長寿なので200歳ほどで一人前の大人と言える。

「さぁて、明日も早いし帰って寝よ!」

帰路へ向かっている途中で人影が見えた。

「?」

気のせいかと思い前を向き直した瞬間、最近よく食堂を利用している冒険者の方々がいた。

「うわっ!びっくりした!!どうしたんですか、急に」

「やぁ、シルフィアちゃん…俺たちさ、決めたんだ!」

「決めたって何をですか?それに、何か急に顔が怖くなったような…」

「俺たち…シルフィアちゃんを抱くことに決めたよ!!」

「ひっ!!」

急に手足を掴まれたと思ったらロープで縛られた。目隠しと口枷もされて、恐らく馬車に乗せられた。

「よしっ!確保!!打ち合わせ通り山の小屋に行ってヤるぞ!!」

「馬鹿俺が最初だろ?」

「忘れてた、すまんすまん!」

下衆な会話が聞こえてくる。私がこれからされる事を考えると恐ろしくて堪らない。

―――その頃、アキトは…

「この方角だと向かってるのは山か…このまま直線で行った方が早そうだな、油断した所を一気に倒した方が効率は良さそうだ…シルフィアには悪いけど…確実に倒せる手段を使わせてもらおう」

路地をひたすらに真っ直ぐに進み、木の上に登り様子を見る。すると…

「あれか…」

シルフィアを乗せた馬車を発見する。周りにあるのは1軒だけの古びた家と見渡す限りの森林。何が起きても恐らくバレることはないと思う。俺から言えることは、ただ一つ衛生的に良くなさそう。

「やっぱり見張りは2人付けてるか…だが、あの二人も相当シルフィアに興味深々なのか油断しているし今なら俺一人で倒せそうだ…よし!」

気を降り気づかれないように、背後へと忍び寄る。

「ふんっ!」

1人目の男を持っていた剣で貫いた。

「なっ!貴様何もんだ!!」

原初の灯火ファーストフレイム

「ぐあぁぁぁぁぁっっ!!あっつ!!あぁぁぁぁ!!」

不味い思った以上に手こずったもう一度木の上に隠れよう。

「おいっ!どうした!!これは…。二人とも死んでやがる…」

扉を開け中の連中が出てきた。

「お前ら、先に襲撃しているやつをやるぞ!!」

周りを経過し出したため、より正確に敵の数を把握する。家の前に2人探索に5人、部屋の中に一人…。

「安全策で行きたかったんだけど時間無いし手短に済ませるとしよう…」

木から降りて魔力を溜める。

「いたぞ、恐らくアイツだ!やっちまえ!!!」

「死ねクソガキが!!」

無数の刃が俺に向かって攻撃してくる。しかしながら、魔王や勇者と修行してきた俺からしたら一介の冒険者の攻撃等ぬるいもので、簡単に攻撃を捌くことが出来る。

「死ぬ気で駆け抜けたあの日々を思い出すと、強くなった実感を感じるよ」

「はぁはぁ…はぁ…何を…言ってやがんだ!!」

「そろそろ終わらせてあげよう、エクス…カリバー!」

剣圧と魔力を込めた聖剣の一撃が冒険者達に降りかかる。

「低出力で死んでしまうとは、さて…あとは中の一人か」

すると不意に、扉が開いた。

「まさか、本当に来るとは思わんかったぞ…14

、知っているって事はもしかしてアンタは期間メンバーか?」

驚愕の顔を隠すことは不可能だった、今現在機関メンバーと接触する事だけは、出来れば避けたかった。いくら強くなったとはいえ、まだまだアルシャやクロコに一撃も当てる事が出来ない俺では絶対に勝てそうにないからだ。

「無論だ、こうしてお前を待っていたということだ…私の名は、機関ナンバー07。迎えに来たぞ我が同士よ…一緒に戻ろう!あの場所へ」

「戻るも何も、俺はお前らの知っている13番目とは違うけど、ある意味で受け継いでいるってだけで。俺とアンタらは実質あまり関係の無い間柄だろ?」

「それは、本気で言っているのか?聖剣を引き抜いた時点でお前と言う存在価値が圧倒的に変わったのだ!今更何を言おうとこれだけは、覆らない結果なのだ」

「成程、んで俺がそちらに行かなかった場合はどうなる?」

「そんなの簡単な話さ、君を殺して新たに14番目を選定するだけの話」

「まだまだ謎多き組織って事か、お前らと戦い続けたら何か分かるかも知れないってことか」

機関的には俺が味方になろうとならなかろうとどうでもいいって感じだな。とにかく、今は逃げられる様に最善を尽くしかない。

「どうにか見逃してくれませんか?」

「それは、無理な話だよ?私はあなたを連れ帰りたいのだから…個人的にも」

「えぇ…」

どうしたものかと考えていた所、一つの案を思いついた。邪神様召喚しちゃおうと。

「やぁ!ってうぇぇ!?何で、こんな状況下で呼び出しちゃったの!?俺戦闘要因じゃないって!!」

「死ね!」

ナンバー07が放った魔法が邪神を消しさった。

「はぁ…邪神様弱!!」

こうして、決戦の火蓋が幕を開けたのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

処理中です...