雫音✴︎400文字の物語✴︎

ねむりありす

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002・・・擬態

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「勉強した~?」
「やってないよ~」
テスト期間になると交わされる無意味な会話。
顔へ張り付けた笑顔が空々しく見えないように無駄にはしゃぐ。
風が吹けば下着が見えてしまいそうなスカートの裾をギュッと握る。

『真面目』と小馬鹿にされ、『カッコ悪』と嘲笑されるのを怖れてイイカゲンな振りをしてきた。
『出来ない振り』、『頑張らない振り』はいつの間にか除けなくなるほど心と躰へ浸み込んでいた。

空気の色に染まろうともがいていた私。
空気の色を読み、能力をうまく隠していた彼ら。

彼らは高校へ進学すると素晴らしい英語力を披露し、中学で使っていた『日本語英語(ワザと下手な発音)』は消えていた。
白く大きな翼で羽ばたく彼ら。
灰汁色に薄汚れてしまった翼を傷めている私は、落ちてゆくしかなかった。

根気強く努力すれば汚れは落とすことが出来るのに、愚鈍な私は諦める。
英単語や数式や漢字を覚える代わりに、整えた爪へ薔薇色のマニキュアを塗る。

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