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青
003・・・微笑
しおりを挟む四人組の制服姿の女の子たちが隣のテーブルへ着いた。
「彼氏とはどう?」の言葉が耳をくすぐってきたので、答えを焦れる三人へ混じりるように聞き耳を立てた。
可愛らしい子が肩にかかる長い髪をいじりながら「クスクスクス……」と珊瑚色のぷっくりした唇で小さく笑う。
質問が宙へ浮いてしまって笑顔が固まる女の子。
そのやりとりを気まずそうに静観する二人。
「まぁ、色々あるんだろうね」と引き下がる女の子の笑顔の裏へ砂色の影がチラリと見えた。
可愛らしい子は艶やかな睫毛を伏せながら「クスクスクス……」とまた小さく笑う。
可愛さを武器につけられた傷は、後からジュクジュクと痛んでくる。
気にしない、傷付いてない振りをして他の話題を振り撒く女の子。
ただ元気のいい女の子だと思っている他の人たち。
隣席から視線を外しても「クスクスクス……」という古ぼけた小さな笑い声が耳の奥のさらに奥の方から響き、ねっとり絡みつくように離れてくれない。
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