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青
004・・・喪失
しおりを挟む彼女の歯に衣着せぬ発言から滲みだす満たされている者独得の朗らかさが、苦手だった。
優しい両親や素敵なお兄さんからとても大切に、とても可愛がられてきた彼女はとても素直だったのだろう。
蓮華の花の揺れる帰り道、彼女は私のこっそり気にしている外見のある部分を気持ちいいほどはっきりと指摘してきた。
欠点をさらけ出すことで関係を深める余裕なんてあの頃はまだなくて、忍ばせた感情を誤魔化すために笑顔をつくった。
いつも素っ気なくかわされるのが面白くないのか、彼女の言葉はしだいに鋭い棘となってゆく。
ある日、喉元まで迫り上がった葉刃をのみ込んで口を噤んだ。
俯くと紅紫色が消えていて、蓮華道の季節はもう過ぎ去っていたことに気が付いた。
卒業から数年後に偶然、彼女と会った。
かつての朗らかさが消えていた彼女が「話しかけてくれて、ありがとう」とポツリと言った。
おぼつかない背中を見送りながらも、抜けないままの棘がズキズキ疼いた。
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