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忍び寄る魔の手
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「紅茶か、、、。」
可憐は随分と笑うようになった。
相馬のおかげだろう。
なんでかな、、、?
寂しいと思うのは。
今までの行いが悪かったんだろう。
女なんて愛するとは思わなかった。
しかもまだ16の女だ。
怒った顔も泣いた顔も笑った顔も愛しい。
こんな想いは初めてだ。
そして胸が痛む。
あの笑顔は俺に向けられたものとは違う。
相馬に向けられたものだ。
柄にもなく落ち込んだ自分が滑稽だった。
*
「今日はアップルティーです。」
「相馬!
ありがとう!」
「夢見の調子はどうですか?」
「うーん。
いいんだけどちょっと変なの。
なんだか違うような気がして。」
「違う?」
「うん。
うまく言えないんだけど。」
「気のせいでしょう。
さぁ、飲んでください。」
「え、えぇ。」
あたしはアップルティーをすする。
「美味しい!」
「そうですか。
よかったです。」
夢見、、、。
なんだか漠然と危険信号が出てる気がして仕方がない。
夢見はいいのだが、なんだか作られた夢を見るような感じ。
今までとは違うような、、、。
勇気には夢見がいいって言ったけど、、、。
それは心配かけないためだ。
最近勇気は元気がない。
あまりあたしには近づかないし。
このままラバースへ行っていいのだろうか?
明日話してみようかな?
メイ女王にも話さなきゃいけない。
あれだけはっきり言ったけど、なんだか不安だ。
みんなの命に関わることだもの。
早く言わないと。
*
「夢見がおかしい?」
「うん、、、。
だからラバースへ行くのはもう少し後がいいかなと、、、。」
「もう兵たちは集まっているんだぞ?
夢見で平気だと言っていたじゃないか。」
「うん、、、そうなんだけど、、、。」
「明日にはラバースへ向かうことになってる。
今さら、、、。」
「でも、心配なのよ。」
「まずメイ女王と相馬に相談してみよう。」
勇気が困っているのは目に見えて分かった。
当然だ。
あたしが昨日夢見で大丈夫だと言って決まったこと。
それをまた変えるのだから。
「メイ女王、どう思いますか?」
「そうね。
指揮が上がっている今を有効に活用したかったわ。
相馬はどう思いますか?」
「私も今が一番いいと思うのですが、、、。
敵地に乗り込むことで不安になっているだけでは?」
あたしは黙り込む。
「夢見のあなたが頼りなんですよ?
だからこそ信頼して決めたことなんですのよ?」
「え、えぇ。
でも、、、。
心配なんです。
これでいいのか。
うまく言えないのですが、今までと何か違うんです。」
「そう、、、。
分かりました。
ラバースへ向かうのは少し待ちましょう。」
あたしはなんだか不安で仕方がなかった。
*
「今日はハーブティーですよ。」
「う、うん。
ありがとう。」
「まだ不安ですか?」
「え、えぇ。
なんだかちょっと、、、。」
「大丈夫です。
これを飲めば心も落ち着きますよ。」
「え、えぇ。
みんなは?」
「作戦会議をしています。
私も行かなければ、、、。」
「そう、、、。」
あたしは俯く。
「あたしのせいね。
もっと役に立ちたいのに、、、。」
「大丈夫!
きっと大丈夫です。」
「ありがとう。」
「じゃあ私はこの辺で。」
「え、えぇ。」
なんだか頭がぼんやりする。
どうしちゃったんだろう?
無性に眠いし、不安だ。
一体あたしはどうしちゃったの、、、?
思い当たることがないわけではない。
でも、、、信じたくない。
あたしは紅茶を飲むようになってから変になった気がする。
この紅茶は相馬があたしのためにブレンドしてくれたものだ。
仲間を疑うことは、、、できない。
ごめん、相馬。
あたしはそっと紅茶を窓の外に捨てた。
*
夢の中。
相馬が紅茶をみんなに振る舞っている。
あたしだけじゃなくみんなにも、、、?
飲んじゃダメだ!!
あたしはそこで起きた。
夢、、、?
はっきりとした夢だ。
不安もない。
時間を見るとまだ5分くらいしか経っていなかった。
あたしはみんなのもとへ向かう。
会議室、だよね。
あたしはいきよいよく扉を開ける。
あれ、、、?
みんな紅茶を飲んでいない。
「まぁ、可憐。
今相馬がみんなに飲んでもらいたいと紅茶を、、、。」
「ダメです!!」
メイ女王の言葉を制した。
「え、、、?」
みんな驚く。
飲んだふりをして捨てて下さい。
「可憐?
何言って、、、?」
「訳は後で話をします。
出されたものには手をつけないでください!
とりあえずお願い致します。」
相馬がいなくて良かった。
後は、、、。
相馬に話をしなければ。
何故こんなことをするのか?
ルテインの手のものなのかを聞かなくてはいけない。
あたしは相馬のもとへ向かった。
*
相馬が紅茶を入れているということは居るのは調理場よね、、、?
なんて言おう、、、。
迷っている間に調理場に着いてしまった。
「相馬。」
あたしは中に居る相馬に声をかけた。
「可憐?
どうしたんです?」
「あの、、、紅茶、、、」
「あぁ。
また飲みたいんですか?」
「いや、そう、、、ではなくて。」
「みんなに振る舞うんです。
可憐もどうですか?」
そう言って笑う相馬。
変なものを入れているようには見えない。
「夢見で変な夢を見たの、、、。
相馬は裏切ったりしないよね?」
あたしは思い切って言った。
「夢見、、、?
何を見たんです?」
相馬は少し驚いたように言った。
「紅茶に毒なんか入れてないよね?」
「毒?」
「紅茶に何か入っているような気がして、、、夢見でみんなに振る舞うのを見て、、、疑いたくはないの。
だけど、、、。」
「そうですか、、、。
毒入っていませんよ?
安心して下さい。
ただ睡眠を促すようなブレンドなので眠くなったりするかもしれませんがね。」
「そう、、、。
その紅茶あたしの前で飲める?」
「これをですか?」
「そう。
あたしは夢見を外した事がないの。
失礼を承知で言うわ。」
相馬はあたしの瞳をじっと見た。
*
「これは皆さんにと思ってブレンドした物ですから、、、。」
相馬は困った顔をする。
「飲めないの?
何故?」
「そういう訳では、、、。
ただ一人一人違うブレンドなので、、、。」
「飲めないの?
それじゃあ信じることはできないわ。」
「困りましたね、、、。
そこまで疑われるなんて。」
「あたしは夢見を外した事がないのよ。
その紅茶には麻薬が入っているわ。
速効性が無くても徐々に効いてくる麻薬が。
相馬。
あなた一体何者?」
「夢見を外したことがないですか?
そうですか?
どんな夢見だか知りませんが疑われるのは心外ですね。
その様子だとさっき出した紅茶は飲んでいないみたいですね。」
「質問の答えになってないわよ!
あなた何者?」
「ふっ。」
相馬が冷たい表情で笑った。
「俺はリテールの王。
ルテインに勝てる訳がない。
あなた達反乱軍が邪魔なんですよ。
今まで集めた仲間もみんな俺の紹介だ。
100人足らず殺すには造作のない事ですが千里さんを倒したと連絡がきてなかからジワジワ攻撃する方がいいと思いましてね。」
「!!
やっぱり!」
「とりあえず夢見のあなたが邪魔だったんですよ。」
「騙したのね?!」
「騙す?
騙される方が悪いんです。」
「勇気達に言うわ!」
あれ、、、?
なんかふらふらす、、、る。
香りでも威力はあるんですよ。
あたしはその場に倒れた。
*
「可憐!
可憐!!」
「う、、、?」
「気付いたか?」
勇気の心配そうな顔が目に飛び込んできた。
「勇気、、、?
あれ、、、?
あたし、、、?
あ!!
勇気!
あたし達騙され、、、!
あれ、、、?
動けない、、、?」
「あれから1日。
相馬達に俺たちは拘束されたよ。」
よく見ると周りには何人もの仲間が拘束されているのが目に入った。
もちろんあたしも拘束されている。
「ここは船の中だ。
ルテインに連れて行かれてるんだろう。」
勇気は俯く。
「ルテインに?」
「そうだと思う。
迂闊だったんだ。」
「ごめん。」
あたしは謝る。
「何故謝る?」
「夢見役に立たなかったから。」
「大丈夫。
行き先は敵の本拠地だ。
いずれ行かなくてはならないところだったんだ。
可憐は悪くない。」
「うん。
相馬の集めた仲間はみんな敵よ?」
「だな。」
「どうするの?」
「その時にならないと分からない。
ただ、、、。」
「ただ?」
「斬る。
斬って斬って斬りまくる。
それだけだ。」
「勝てる?」
「初めから諦めていたら、気持ちで負けていたらダメだ。」
こういう時の勇気は頼りになる。
「みんなは大丈夫?」
「あぁ。
なっ?」
大丈夫そうなみんなの瞳には諦めの色は微塵もなかった。
*
「相馬か?」
「はい。反乱軍に正体がバレました。」
「そうか。何故バレた?」
「夢見です。」
「まぁ、いいだろう。いずれバレるんだからな。夢見は殺すなよ。他の者たちは構わないが。」
「報告が遅れましたが勇気と言う男、ラバースの王子だと言ってます。どうします?」
「何?ラバースの王子?どう言うことだ?」
「極秘事項で知るものは捕らえたラバースの王妃と反乱軍の極僅かの者たちですが、、、。」
「殺せ。おおやけになれば、ラバースの統制が乱れ混乱する。」
「はっ!御意。」
相馬はため息をつく。
ルテイン王バトラー。
可憐の叔父にあたるバトラーが今ルテイン王だ。
勇気、、、。
悪いな、、、。
これも闘いを避けるためだ。
バトラーは特別な能力を持つ人間を作っている。
俺は人造人間。
死なない体。
幾度も実験体として調べられ、忠誠を誓いやっとリテールの王になった。
いわばバトラーが父なのだ。
バトラーは可憐の父の弟にあたる。
実験体として扱われるのはもう嫌なんだ。
可憐や勇気たちはバトラーの恐ろしさを知らない。
バトラーの妻エイリアもまた人間をおもちゃのように扱う。
ルテインに逆らうなんて、、、幸せに育ったから言えること。
悪いが勇気には死んでもらうしかない。
相馬はまたため息を吐いた。
可憐は随分と笑うようになった。
相馬のおかげだろう。
なんでかな、、、?
寂しいと思うのは。
今までの行いが悪かったんだろう。
女なんて愛するとは思わなかった。
しかもまだ16の女だ。
怒った顔も泣いた顔も笑った顔も愛しい。
こんな想いは初めてだ。
そして胸が痛む。
あの笑顔は俺に向けられたものとは違う。
相馬に向けられたものだ。
柄にもなく落ち込んだ自分が滑稽だった。
*
「今日はアップルティーです。」
「相馬!
ありがとう!」
「夢見の調子はどうですか?」
「うーん。
いいんだけどちょっと変なの。
なんだか違うような気がして。」
「違う?」
「うん。
うまく言えないんだけど。」
「気のせいでしょう。
さぁ、飲んでください。」
「え、えぇ。」
あたしはアップルティーをすする。
「美味しい!」
「そうですか。
よかったです。」
夢見、、、。
なんだか漠然と危険信号が出てる気がして仕方がない。
夢見はいいのだが、なんだか作られた夢を見るような感じ。
今までとは違うような、、、。
勇気には夢見がいいって言ったけど、、、。
それは心配かけないためだ。
最近勇気は元気がない。
あまりあたしには近づかないし。
このままラバースへ行っていいのだろうか?
明日話してみようかな?
メイ女王にも話さなきゃいけない。
あれだけはっきり言ったけど、なんだか不安だ。
みんなの命に関わることだもの。
早く言わないと。
*
「夢見がおかしい?」
「うん、、、。
だからラバースへ行くのはもう少し後がいいかなと、、、。」
「もう兵たちは集まっているんだぞ?
夢見で平気だと言っていたじゃないか。」
「うん、、、そうなんだけど、、、。」
「明日にはラバースへ向かうことになってる。
今さら、、、。」
「でも、心配なのよ。」
「まずメイ女王と相馬に相談してみよう。」
勇気が困っているのは目に見えて分かった。
当然だ。
あたしが昨日夢見で大丈夫だと言って決まったこと。
それをまた変えるのだから。
「メイ女王、どう思いますか?」
「そうね。
指揮が上がっている今を有効に活用したかったわ。
相馬はどう思いますか?」
「私も今が一番いいと思うのですが、、、。
敵地に乗り込むことで不安になっているだけでは?」
あたしは黙り込む。
「夢見のあなたが頼りなんですよ?
だからこそ信頼して決めたことなんですのよ?」
「え、えぇ。
でも、、、。
心配なんです。
これでいいのか。
うまく言えないのですが、今までと何か違うんです。」
「そう、、、。
分かりました。
ラバースへ向かうのは少し待ちましょう。」
あたしはなんだか不安で仕方がなかった。
*
「今日はハーブティーですよ。」
「う、うん。
ありがとう。」
「まだ不安ですか?」
「え、えぇ。
なんだかちょっと、、、。」
「大丈夫です。
これを飲めば心も落ち着きますよ。」
「え、えぇ。
みんなは?」
「作戦会議をしています。
私も行かなければ、、、。」
「そう、、、。」
あたしは俯く。
「あたしのせいね。
もっと役に立ちたいのに、、、。」
「大丈夫!
きっと大丈夫です。」
「ありがとう。」
「じゃあ私はこの辺で。」
「え、えぇ。」
なんだか頭がぼんやりする。
どうしちゃったんだろう?
無性に眠いし、不安だ。
一体あたしはどうしちゃったの、、、?
思い当たることがないわけではない。
でも、、、信じたくない。
あたしは紅茶を飲むようになってから変になった気がする。
この紅茶は相馬があたしのためにブレンドしてくれたものだ。
仲間を疑うことは、、、できない。
ごめん、相馬。
あたしはそっと紅茶を窓の外に捨てた。
*
夢の中。
相馬が紅茶をみんなに振る舞っている。
あたしだけじゃなくみんなにも、、、?
飲んじゃダメだ!!
あたしはそこで起きた。
夢、、、?
はっきりとした夢だ。
不安もない。
時間を見るとまだ5分くらいしか経っていなかった。
あたしはみんなのもとへ向かう。
会議室、だよね。
あたしはいきよいよく扉を開ける。
あれ、、、?
みんな紅茶を飲んでいない。
「まぁ、可憐。
今相馬がみんなに飲んでもらいたいと紅茶を、、、。」
「ダメです!!」
メイ女王の言葉を制した。
「え、、、?」
みんな驚く。
飲んだふりをして捨てて下さい。
「可憐?
何言って、、、?」
「訳は後で話をします。
出されたものには手をつけないでください!
とりあえずお願い致します。」
相馬がいなくて良かった。
後は、、、。
相馬に話をしなければ。
何故こんなことをするのか?
ルテインの手のものなのかを聞かなくてはいけない。
あたしは相馬のもとへ向かった。
*
相馬が紅茶を入れているということは居るのは調理場よね、、、?
なんて言おう、、、。
迷っている間に調理場に着いてしまった。
「相馬。」
あたしは中に居る相馬に声をかけた。
「可憐?
どうしたんです?」
「あの、、、紅茶、、、」
「あぁ。
また飲みたいんですか?」
「いや、そう、、、ではなくて。」
「みんなに振る舞うんです。
可憐もどうですか?」
そう言って笑う相馬。
変なものを入れているようには見えない。
「夢見で変な夢を見たの、、、。
相馬は裏切ったりしないよね?」
あたしは思い切って言った。
「夢見、、、?
何を見たんです?」
相馬は少し驚いたように言った。
「紅茶に毒なんか入れてないよね?」
「毒?」
「紅茶に何か入っているような気がして、、、夢見でみんなに振る舞うのを見て、、、疑いたくはないの。
だけど、、、。」
「そうですか、、、。
毒入っていませんよ?
安心して下さい。
ただ睡眠を促すようなブレンドなので眠くなったりするかもしれませんがね。」
「そう、、、。
その紅茶あたしの前で飲める?」
「これをですか?」
「そう。
あたしは夢見を外した事がないの。
失礼を承知で言うわ。」
相馬はあたしの瞳をじっと見た。
*
「これは皆さんにと思ってブレンドした物ですから、、、。」
相馬は困った顔をする。
「飲めないの?
何故?」
「そういう訳では、、、。
ただ一人一人違うブレンドなので、、、。」
「飲めないの?
それじゃあ信じることはできないわ。」
「困りましたね、、、。
そこまで疑われるなんて。」
「あたしは夢見を外した事がないのよ。
その紅茶には麻薬が入っているわ。
速効性が無くても徐々に効いてくる麻薬が。
相馬。
あなた一体何者?」
「夢見を外したことがないですか?
そうですか?
どんな夢見だか知りませんが疑われるのは心外ですね。
その様子だとさっき出した紅茶は飲んでいないみたいですね。」
「質問の答えになってないわよ!
あなた何者?」
「ふっ。」
相馬が冷たい表情で笑った。
「俺はリテールの王。
ルテインに勝てる訳がない。
あなた達反乱軍が邪魔なんですよ。
今まで集めた仲間もみんな俺の紹介だ。
100人足らず殺すには造作のない事ですが千里さんを倒したと連絡がきてなかからジワジワ攻撃する方がいいと思いましてね。」
「!!
やっぱり!」
「とりあえず夢見のあなたが邪魔だったんですよ。」
「騙したのね?!」
「騙す?
騙される方が悪いんです。」
「勇気達に言うわ!」
あれ、、、?
なんかふらふらす、、、る。
香りでも威力はあるんですよ。
あたしはその場に倒れた。
*
「可憐!
可憐!!」
「う、、、?」
「気付いたか?」
勇気の心配そうな顔が目に飛び込んできた。
「勇気、、、?
あれ、、、?
あたし、、、?
あ!!
勇気!
あたし達騙され、、、!
あれ、、、?
動けない、、、?」
「あれから1日。
相馬達に俺たちは拘束されたよ。」
よく見ると周りには何人もの仲間が拘束されているのが目に入った。
もちろんあたしも拘束されている。
「ここは船の中だ。
ルテインに連れて行かれてるんだろう。」
勇気は俯く。
「ルテインに?」
「そうだと思う。
迂闊だったんだ。」
「ごめん。」
あたしは謝る。
「何故謝る?」
「夢見役に立たなかったから。」
「大丈夫。
行き先は敵の本拠地だ。
いずれ行かなくてはならないところだったんだ。
可憐は悪くない。」
「うん。
相馬の集めた仲間はみんな敵よ?」
「だな。」
「どうするの?」
「その時にならないと分からない。
ただ、、、。」
「ただ?」
「斬る。
斬って斬って斬りまくる。
それだけだ。」
「勝てる?」
「初めから諦めていたら、気持ちで負けていたらダメだ。」
こういう時の勇気は頼りになる。
「みんなは大丈夫?」
「あぁ。
なっ?」
大丈夫そうなみんなの瞳には諦めの色は微塵もなかった。
*
「相馬か?」
「はい。反乱軍に正体がバレました。」
「そうか。何故バレた?」
「夢見です。」
「まぁ、いいだろう。いずれバレるんだからな。夢見は殺すなよ。他の者たちは構わないが。」
「報告が遅れましたが勇気と言う男、ラバースの王子だと言ってます。どうします?」
「何?ラバースの王子?どう言うことだ?」
「極秘事項で知るものは捕らえたラバースの王妃と反乱軍の極僅かの者たちですが、、、。」
「殺せ。おおやけになれば、ラバースの統制が乱れ混乱する。」
「はっ!御意。」
相馬はため息をつく。
ルテイン王バトラー。
可憐の叔父にあたるバトラーが今ルテイン王だ。
勇気、、、。
悪いな、、、。
これも闘いを避けるためだ。
バトラーは特別な能力を持つ人間を作っている。
俺は人造人間。
死なない体。
幾度も実験体として調べられ、忠誠を誓いやっとリテールの王になった。
いわばバトラーが父なのだ。
バトラーは可憐の父の弟にあたる。
実験体として扱われるのはもう嫌なんだ。
可憐や勇気たちはバトラーの恐ろしさを知らない。
バトラーの妻エイリアもまた人間をおもちゃのように扱う。
ルテインに逆らうなんて、、、幸せに育ったから言えること。
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