蓮華の花言葉

kinmokusei

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相馬の過去

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気がつくと俺の前には不敵に笑う男がいた。

「実験は成功だ。お前の名は、、、そうだな、、、相馬と名付けよう。」

「、、、?」

俺は、、、?
相馬、、、?

「ラバースの女剣士、蓮華の子だ。クローンだがな。お前は不死だ。これからそれを確かめる。」

「確かめる、、、?」

俺はその男がとても怖く、怯えた。

実験は銃で撃たれたり、剣で刺されたり、だった。

不死。

見る間もなく傷はふさがるが、痛みは感じる。

死んだ方がマシだ。

「バトラー様!千里様が蓮華を撃ちました!
正確には子供を操ったということですが、、、。」

「そうか。ルテインに逆らう者は皆そうなる。いいか、相馬。決して裏切りは許さない。不死だが、死なないということは、、、分かるな?」

その表情。
これ以上の拷問が待っていると言うことは言うまでもなかった。

「相馬。お前に地位をやろう。リテール王国の王だ。どうだ?嬉しいだろう?」

「、、、はい。」

「いい子だ。」

バトラーに対しては恐怖しかない。

俺は強くはない。

ただ死なないというだけ。

闘いなんて痛いだけ。

そんなのはまっぴらだ。

「リテール王、相馬よ。私に逆らうことは許さない。」

「はい。」

従うしかないじゃないか、、、。





「こんな麻薬入りの食事、誰が食べるか!!」

「ルテインまで1カ月半くらいかかりますよ?
どこまでもつでしょうか?」

勇気と相馬の会話である。

あれから3日。
お腹が空いて仕方がない。

しかし、出される食事には麻薬が入っているのだ。

「まぁ、がんばって下さい。」

相馬が去ろうとすると勇気が怒鳴る。

「相馬!!本当にルテインに従ったままでいいのか?本当にこのままでいいのか?答えろ!!」

背中を向けながら相馬は答える。

「あなたに私の苦しみや恐怖は分からないでしょうね。」

「苦しみだぁ?俺たちは飲まず食わずには慣れている!!ルテインが憎いんだろ?ルテインが怖いんだろ?今闘わなければ奴隷のままだ!!一緒に闘い、ルテインを倒す!俺たちは強い!夢見もいる。何故闘おうとしない?解放されたいんだろ?」

「お前に何が分かる?俺の何が、、、!!」

相馬は泣いているようだった。

「何があったかは知らねーよ!言われてねーし。ただし分かることがある。ルテインはお前をまた苦しめるだろうな。辛いなら話せよ!お前はもう1人じゃねーんだから!!」

相馬は何も言わず去って行った。


1人じゃない?
仲間?

笑わせる。

痛みと苦しみ。

そして恐怖。

勇気は何も分かっていない。





「何か事情があるんだと思う。」

あたしは言った。

「あぁ。そうだな。とりあえず飲まず食わずじゃあなー。相馬は根は優しい奴だ。俺たちはどうか分からないが、可憐を餓死させるとは思えない。ルテインは可憐を生け捕りにするだろうし。」

「うん。あたしの食事には麻薬は入ってないかも。確かめる。それを分けて食べようよ。」

あたしは冷めてしまった食事を一口食べる。

「大丈夫だと思う。」

あたしはそう言ってみんなに分けた。

一食分じゃ100人いる仲間には少なすぎるが、みんなは文句ひとつ言わない。

どうやら本当に飲まず食わずには慣れているようだ。

「あたしのせいね、、、。」

あたしは一言呟いた。

「何が、、、?」

勇気が言う。

「みんなを苦しめた。優馬が言ってた。食べるものもなく苦しんだと。あたしのせい。みんなごめんね。」

「大丈夫だよ。悪いのは夢見を悪用した奴だ。可憐は悪くない。」

みんなはそう言って笑う。

「相馬、怯えているようだった。余程のことをルテインにされたのね。」

愛美さんがそう言ってみんなは相馬に対して怒るどころか同情していた。

みんなルテインのせいで苦しんだ。

だから相馬の事も怒らないんだろう。

「あたし寝る。夢見で突破口を見つける!」

あたしはそう言って横になった。





「酷い仕打ち、、、。やっぱり優馬の母蓮華さんの子、、、クローン人間、、、。不死の能力、、、。」

あたしはそう呟くと、目が覚めた。

みんな起きていた。

「夢見は聞いた。相馬は強くはないが、不死の能力を持って生まれたんだな?しかもクローン人間。優馬に似てるはずだ。」

智也が言った。

「クローン人間か、、、。しかも不死だからと言って銃で打ったり、剣で刺したり、、、、。子供ながらに怖かっただろう。」

勇気も同調する。

「でもこのままじゃなんの解決にもならないわ。」

あたしは言った。

「そうだなぁ。相馬を説得するしかないな。相馬はルテインに怯えている。やりたくてやっている訳じゃないんだ。」

「あまくみられたものですね?」

相馬が食事を持って来た。

「安心して下さい。今日の食事には麻薬は入ってないですから。」

「相馬、、、?」

「可憐に死んでもらっては困るんですよ。自分の食事をみんなで食べているみたいなので。」

「相馬、、、。お前の過去の恐怖は分かった。でも、、、」

「あなた方に分かるものですか!!俺は死ねないんだ!苦しみだけが続く、、、。それが分かるはずないじゃないか!!」

相馬が怒鳴る。

みんな何も言えなかった。





「相馬、、、。あなたの苦しみは分からないけど今ルテインを撃たないと苦しみだけが続くわよ?ルテインはあなたをきっと苦しませ続けるわ。一緒にルテインを撃ちましょう。あたし達は強い!あなたを苦しみから救ってあげたい。」

あたしは精一杯の言葉を相馬に向かって投げかけた。

「可憐。あなたは愛を知ると死ぬのでしょう?俺は死ねない。死というものに憧れさえ感じる。ルテインを甘く見ない方がいいですよ?彼らは恐ろしく、残酷だ。」

「あたしは相馬が羨ましいわ。死という恐怖がないんですからね!人それぞれ悩みはあるんです!相馬は自分のことしか考えてない。同情はするけど酷いわ!」

あたしは涙が止まらない。

「とりあえず食べて下さい。じゃ。」

相馬はあたしの涙に少し動揺したようだった。

「可憐、、、。泣くなよ。」

勇気は困った顔をしてあたしをなだめる。

「死に憧れを持つなんて、、、。知らないから言えるのよ。どれだけ怖いか。相馬は自分のことしか考えてないよ、、、。」

「可憐。相馬は分からない訳じゃないんだ。ただ苦しみながら生きることしかできない苦しみもある。俺らがそうだったからな。不死ではないが、食べものもなくただ空腹で水で腹を満たす生活。可憐。誰もが悩みがあるんだ。言っておきながら可憐も考えてないぜ?」

分かるけど。
分かるけど!

初めから諦めていたら何も変わらない、、、。

そうでしょ?


あたしは心の中で思った。





拘束されて多分一週間くらい。

相馬は食事には麻薬をいれなくなったが。

説得はまだできていない。

あたしはルテインを甘く見ているのだろうか?

相馬は頑なにルテインを撃つのは無理だと思っている。

「相馬を説得するのは無理なのかな?」

あたしは勇気に言った。

「その時はその時さ。ルテインに連れて行ってくれるんだ。俺達は命をかけ可憐を守る。」

「やめて!死んだら終わりよ?メイ女王はどうしているのかしら?やっぱり能力者なのかな?」

「期待するのは難しい。相馬が指揮をしているからな。能力者か、、、。まぁ分かっていたことだ。あんまり心配するな。大丈夫だから。」

勇気、、、。
なんか出会った頃と違うな。
優しくなった。

あたしはどこか勇気を頼りにしているところがある。

さりげなく勇気を見る。

カッコイイっていうのかな、、、?

遊び人だけど。

今はそんなことないみたい。

こんな状態じゃそういうこともできないか、、、。

優馬が死んで、勇気は変わったのかな?

あたしは勇気がいなくなったら動揺するだろう。

千里に捕まった時、あたしは勇気の事ばかり呼んだ。

愛を知る時に死ぬ。

打ち明けてからかなり時間が過ぎた。

そう言えば勇気の事を初めて夢見で見た時嫁になれなんて言ってたよな。

夢見は外した事がないはずなのに、、、。

勇気はあたしのこと好きだと言った。

あたしは勇気のことをどう思っているんだろう。






いやいや。

今はそんなことはどうでもいい!

「どうにかここから出られればな。」

「いや、出ても脚にこんな重りつけられてちゃ、、、。」

「鍵、、、と言えば、、、勝(まさる)だな?」

みんながニヤリと笑う。

え?
え?
え?

「待ってました!おいらの出番!可憐、悪いけどその髪留めくれないか?」

こ、これは、、、。

勇気からの、、、大切な、、、。

勇気がウィンクする。

「1週間調べてた。みんな同じ鍵だ。」

「100個の鍵なんて用意する訳ないよ!」

隼人も言う。

あのウィンクは、、、?

逃げるためだ。

きっと勇気はそう言いたいんだろう。

「分かったわ!」

あたしははっきりと答える。

「どのくらいかかる?」

「まー待てよ。俺に作れない鍵はないの知ってるだろ?」

ニヤリと笑う童顔だが、茶髪の、一見ヤンキーっぽい勝が自信ありげに言う。

「ありがたいことにこの牢屋の鍵も同じようだしな!」

「さっすがー!!」

みんなが沸き立つ。

やっぱり父王を撃っただけのことはある。

すごい団結力。

「愛美。ヘアピン貸せ!」

「はいはい。」

愛美さんも鍵が開くことを疑いもしない。

いや、確信しているようだ。

仲間、、、。

なんて心強いんだろう。


相馬、、、。

きっと大丈夫!

きっと仲間になれるよ。

あたしは心からそう思った。





それから3時間くらい経っただろうか?

「完成!!」

勝が得意げに言った。

「しっ!静かに!相馬がそろそろ夕食を運んで来る時間だ。」

智也は口に指を当てる。

「決行は夜。相馬たちを制圧する。」

皆はうなづく。

それからすぐ相馬はやってきた。

「夕食です。」

どこか素っ気なく、あたしに言ったことを気にしているのだろうかと思えた。

「相馬、、、?俺たち仲間だからな!」

勇気は言った。

相馬は無言で立ち去った。


「さーて。おっぱじめよ!」

勝の作った鍵で脚の重りを外し始める。

「凄い!本当に取れた!」

あたしは思わず言った。

「可憐。俺を侮ると危険だぜ?」

得意げに言う勝がおかしく、あたしは笑ってしまった。

全部の重りを外し、次は牢屋の鍵。

ガチャリ。

鈍い音が響く。

「行くぞ!」

勇気の一言でみんなうなづく。

牢屋を出て船内を4、5人ずつ別れて行動。

あたしは勇気と智也、勝、隼人と一緒だ。

この4人は強いらしい。

あたしは闘えないからそういうグループになった。

「みんな寝てるみたいだね?どうするの?」

あたしは小声で言った。

「とりあえず見張りがいるところから攻める。」

勇気が答える。

「え?危ないよ?」

「見張りがいるところは大切な場所だということだからな。」

ニッと勇気が笑った。





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