24 / 30
仲間というもの
しおりを挟む
「見張りいないね、、、。」
初めに見つけた部屋の前。
「武器庫ではないな。きっと兵士の部屋だろうな。締め上げてはかすか。」
「殺したりはしないで!」
「当たり前だ。仲間になるはずの兵だ。」
勇気の言葉にあたしは安堵する。
ドアのぶに手をかけ、うなづきあった。
ガチャリ。
ドアが開く。
兵士4人。
寝ている。
智也、勝、隼人、勇気は1人を起こす。
「う、、、ん、、、?え、、、?」
兵士が起きる。
すかさず腕を捻り上げる。
「なっ?!なんだ、お前ら?どうやって、、、?」
「騒ぐな!腕を折られたくないだろう?」
「くっ、、、!痛っ、、、!!」
「武器庫に案内しろ!」
「誰が、、、!痛っ、、、!」
捻り上げられる腕。
「わ、分かったから、、、。離せ!いや、放してくれ!」
「よし。行け!」
武器庫に来て勇気たちは自分の武器を手にする。
「この船には何人くらいの兵士が乗っている?」
勇気たちは兵士に聞く。
「みんなだよ!お前らに勝ち目があるとはおもえないがな!」
「俺らを甘く見ない方がいい。相馬のところへ案内しろ!」
指導者を制圧すれば犠牲は少ない。
もう他の仲間が向かっているはず。
武器の数が少ないからだ。
みんなもきっとここに来たんだ。
*
「相馬、、、。勝ち目はないぜ?」
あたし達が着いた時には相馬は抑えられていた。
「フン、、、!ルテインに勝てる見込みはない。お前らは捕まるだけだ。」
「相馬。怯えているのね?大丈夫!きっと助けるから。」
あたしは心から言った。
「何も知らないから言えるんだ!お前らはルテインを甘く見過ぎだ!!」
相馬はひどく怯えている。
「俺もこんな失態をおかした。きっとただではすまない。」
勇気は力強い眼差しで相馬を見る。
「作戦がある。俺たちは牢屋に戻る。相馬はルテインに俺たちを引き渡せばいい。その後は俺たちでやる。」
「だから!勇気は分かってな、、、」
「分かってないのは相馬だ。仲間を信じ、闘う。仲間というものを相馬は分かっていない。」
勇気は相馬の言葉を遮って言った。
「仲間?たった100人で何ができる?」
「仲間というものは数が全てではない。それを分からせてやる!」
相馬は勇気を見つめる。
「仲間、、、か。ルテインにはないものだな、、、。」
「戻るぞ、みんな!」
勇気の一声でみんな牢屋にもどる。
その後。
相馬は窓から海を見ながら思う。
「仲間、、、。勇気は仲間というものを信じている。そんなに力になるのか、、、?」
独り言は虚しく響いた。
*
武器はとられなかった。
「勇気?どうする?」
牢屋に戻り、智也が言った。
「まぁ、ルテインに着いたら捕まるな。」
勇気は落ち着き払っている。
「やばいっすよ?」
勝も言った。
「まぁまだ先のことさ。大丈夫!」
勇気には何か考えがあるのだろうか?
ルテインに捕まったら何かアクションを起こすのかな?
「何か考えがあるの?」
あたしは聞いてみた。
「いや、何もない。」
え。
「でも相馬には作戦があるって、、、?」
「どうにかなるさ。」
うーん。
勇気の落ち着きは頼りになるが、、、。
ただ何も考えてないのかな?
そう思うと少し不安なんだけど。
「成るように成る。作戦はもう始まっているんだからな。」
は?
「作戦ないんでしょ?」
あたしは訳がわからなかった。
「仲間を信じることだ。きっと大丈夫!」
余計訳がわからない。
「船旅は始まったばかりだってことだよ。」
うーん。
意味不明だ。
仲間、、、ねぇ?
確かに頼りがいはある。
しかし、ルテイン相手に100人でどうにかなるのだろうか?
強いことは認める。
けどルテインの能力者の事が気になるな。
「あたし、夢見頑張るから!」
みんなが大きく頷いた。
*
「仲間ごっこは楽しいですか?」
次の日、相馬が朝食を運んできて言った。
「ルテインを撃つ作戦とはどういうものか知りたいものですね。」
「まぁ見てろよ。」
勇気は顔色変えずに言った。
「負け惜しみもここまでくると滑稽ですね。」
あたしは寝ていた。
「夢見ですか?夢見の結果で分かるでしょう。夢見はいいことばかり言う訳ではないのでしょう?」
みんなはそんな相馬の嫌味を聞き流す。
「ま、相馬には分からないだろうな。信じられる仲間と出会えば分かるさ。」
相馬はちょっと苛立ちを見せた。
「仲間など自分が一番大切な人間の寄せ集めでしょう?仲間は裏切り、俺は拘束されたんだ。所詮人間は最後は自分を取る。そういうものです。」
「かわいそうな奴。そりゃ信じてない相馬が悪いんだよ。心を開かなければ相手に不信感を与える。それは仲間とは言えない。」
勇気はきっぱり言う。
「勇気だって隠しているじゃないか!聖なる宝玉のことを。可憐の命を救うために仲間を危険にさらすのでしょう?それは自分が一番だと思うからじゃないんですか?」
みんなはどよめく。
「勇気?聖なる宝玉って?」
智也と隼人はちょっと顔をしかめる。
「仲間ごっこに付き合う気はありません。では。」
相馬は去っていく。
みんなは勇気と寝ているあたしと交互に見つめた。
*
「どういうこと?聖なる宝玉って何?」
いつみさんが聞く。
「あー。それは、、、。」
勇気が言葉を濁す。
「可憐はいいって言っているんだ。」
智也が言った。
「答えになってないっすよ?」
勝が言う。
「可憐の運命を変えることができる宝石だ。」
仕方なく勇気が言った。
「愛を知る時に死ぬっていうやつ?」
「そうだ。でも、可憐はいいと言った。みんなを自分の命のために危険にさらしたくないと。」
智也が言った。
「後、、、もういいよな?勇気。」
「あぁ。」
少し間を空けて勇気が話す。
「俺はラバースの王子らしい。ラバースの王妃は俺の母だ。」
「え、、、?」
みんなの驚きは大きかった。
「優馬は?優馬もそうなの?」
「いや違う。兄貴が死ぬことを覚悟した時手紙を残した。蓮華母さんはラバースの女剣士だったらしい。王妃から俺を預かったらしい。」
勇気はため息を吐く。
「どうしてそんな大事なこと話してくれなかったの?仲間なのに!!」
愛美さんが怒鳴った。
「ラバースの母を救うことはルテインに勝つことに繋がる。しかし、私情が入れば、みんなが無理をすると思い言えなかった。悪い。」
みんながざわつく。
「本当に悪い。」
勇気は頭を下げた。
*
あたしは夢の中にいた。
「もし?もし、、、?」
誰だろう。
あたしを呼ぶのは、、、?
「誰、、、?」
あたしは暗い中にいた。
「もし、、、?」
暗闇の中で目を凝らす。
「あなたは夢見ね?」
よく見ると勇気にどことなく似ている女の人だった。
金髪の長い髪に、暗闇だからこそ目立つ金色の瞳。
あたしは思わず言った。
「勇気の母上ですか?」
鎖につながれ見るも無残な姿。
痩せ細り十分な食事をしているとは思えない。
「勇気、、、!!あたしの可愛い子。勇気を知っているの?」
「えぇ。仲間です!あなたは、、、名前、、、?」
「咲歩(さほ)。ラバースの王妃でした。」
「えぇ。咲歩様。知っています!今助けに向かっています。咲歩様、今どこに?」
「よく分からない。ここはどこかの牢屋だということしか。あなたは神の申し子ね?勇気は元気?勇気も予言と共に生まれた子。出会いとは不思議ね?」
辛そうに笑う咲歩様。
痛々しいその姿にあたしは涙した。
「あたしは可憐。必ず助けてみせます!どうか安心して下さい。」
「勇気、、、!!あぁ、、、。やはり闘いになるのね。無事ならそれでいい。私の事は大丈夫だから。危険な真似だけは、、、。」
「勇気は元気です!必ず助けます!必ず、、、!」
咲歩様は少し微笑みを浮かべた。
*
カバッ!!
あたしは飛び起きた。
みんなは、、、!!
寝てる、、、。
勇気のお母さん、咲歩様。
みんなを起こすべき?
でも。
何か分かった訳ではないし。
分かったのは名前とやつれた姿。
あたしはまた寝ることにした。
こんな情報言って心配させるだけだし。
咲歩様。
どうか無事で!
「可憐!可憐!!」
え、、、?
「夢見ダメだったようだな?」
飛び込んで来たのは勇気の顔。
朝、、、?
「昨日全てをみんなに話した。」
「、、、?」
あたしは少し寝ぼけていた。
「何かあったの?」
「聖なる宝玉と俺の本当の母のことだよ。」
え。
「仲間だからな。隠している訳にはいかなかった。」
「そう、、、。でも聖なる宝玉はいいのよ?あたしはもう覚悟決めているし。」
あたしはうつむき笑ってみせた。
「聖なる宝玉は、、、必ず手に入れる。みんなも納得してくれた。」
「え!?ダメだよ。あたしの事だけでみんなを危険にさらす訳にはいかないよ!!」
「水臭いこと言うな!」
「可憐?大丈夫!そりゃちょっとムカついた事もあったけど、仲間を死なせる訳にはいかないわ。ね?いつみ?」
愛美さんはいつみさんに目配せを送った。
「可憐?あなたはひとりじゃないわ。分かってね?」
いつみさんも笑った。
あたしは、、、。
涙を流した。
*
「実は、、、勇気のお母さんのこと、夢見で見たの。」
みんなしんとなる。
「どういうことだ?」
あたしは戸惑いながら話した。
「昨日の夜、、、いや、今日の朝すごく早く起きて、、、」
「母さんは元気か?」
「うん。咲歩と言う名前よ。勇気にそっくりね。少し痩せて、、、牢屋にいた。」
「どこにいる?!」
「分からなかった。勇気をとても心配していたわ。」
「そうか。」
「ごめんね、、、。役に立てなくて。」
あたしはうつむいた。
「母さんが無事なことがわかっただけでも嬉しいよ。ありがとう、可憐。」
あたしは首を横に振る。
「名前以外何も分からなかった。あたし、、、咲歩様が心配で、、、。だいぶ痩せてたし、鎖につながれていたし、何もできない自分が情けないよ、、、」
すると。
「ラバース王妃の夢見ですか?」
相馬だった。
「相馬、、、!!」
「あの人も馬鹿だ。ルテインに逆らうからああなるんです。ルテインの恐ろしさ、少しは
分かりましたか?」
「相馬。その口ぶりだと母さんはルテインにいるんだな?」
「どうでしょうね。私には分かりかねます。」
少し動揺が見てとれた。
「相馬。嘘が下手だな。お前は素直でいい奴だ。」
勇気は明るく笑った。
*
「何がおかしいんですか!!ラバース王妃はルテインにはいません!!ふざけるのもいい加減にしてください!!」
勇気の態度に相馬は怒鳴った。
「ふーん。じゃあラバースにいるってことか。」
「!?」
相馬はハッとする。
「やっぱりそうか。ルテインよりラバースに行ってくれたら助かるんだがなぁ。」
勇気は相馬をからかうように言った。
「ふざけるな!!」
相馬は声を荒げる。
「なぁ?相馬?本当にこのままでいいのか?本当にこのままでいいのか?」
「ルテインには敵わない!ルテインに着けばそれが分かるはずだ!!」
「それじゃあ勝てばいいのか?そうすれば仲間になるか?」
勇気、、、?
あたしには勇気の自信が少し相馬に影響を与えているように思えた。
「そう、、、ですね。いいでしょう。勝てる訳がないんだから。」
「約束だぜ?」
相馬は朝ごはんを置いて去って行った。
「勇気?ルテイン相手にどう闘うんだ?」
「とりあえず捕まえてもらう。」
智也の言葉に勇気が答える。
「そうか!内部に入って探るのか!」
「まあな。」
勇気は笑った。
「鍵は勝がいるし、内部から切り崩す。聖なる宝玉のこともあるしな。」
聖なる宝玉、、、。
あたしの運命を変えるもの、、、。
*
勇気、、、。
どこからくるんだ、あの自信は、、、?
勝てると思ってるのか?
相馬は迷いの中にいた。
俺たちが協力するとでも思っているのか、、、?
俺だって今のままでいいとは思っていない。
ルテインは強大な軍事国家だ。
能力者もいる。
それに100人程度で闘いを挑もうとするのは何故だ?
運命の申し子と言われていい気になっているのか?
だが、、、。
そんなそぶりは全くない。
どれだけ自分の力に自信があるというのだ?
仲間がいる。
それもたった100人の。
仲間ってそんなに心強いものなのか?
信じる仲間、、、。
俺にはないものだ。
勇気、、、。
お前の強さ。
信じることができるのか?
俺は逃げている。
このまま逃げていいなりになるのか?
ルテイン到着は約1カ月後。
俺はリテールの見せかけの王。
ルテインにこび、民から税金を巻き上げ、兵は俺を信頼すらしていないだろう。
それが勇気と俺の違いなのか?
申し子だとか関係ない。
勇気には俺にはない人望というものがある。
可憐だってそんな勇気に、、、。
可憐。
彼女もまた天の申し子。
時代は変わるのか?
信じてもいいのか?
臆病風に吹かれている自分が情けなくなる。
勇気。
お前を信頼していいのか?
勇気の自信は相馬を変えつつあることにあたしは気付いていなかった。
*
それから3日後。
あたしは夢の中にいた。
外は大雨の嵐。
船は揺れ、舵はきかない。
兵たちはみんな船をどうにかしようと走り回る。
ガシャーン。
突然の大きな音と揺れ。
それは、、、大きな岩にぶつかる音だった。
あたしはそこで目を覚ました。
まだみんな寝てる。
相馬に伝えなきゃダメだ。
岩にぶつかる!!
「勇気!ねぇ!起きて!!」
「あー?」
「あー?っじゃない!!起きて!!」
あたしは寝ぼけてている勇気を叩き起こす。
「なんだよ?こんな夜中に。」
あくびをしながら勇気は言った。
「嵐がくるわ。船が岩にぶつかる!相馬に言わなきゃ!!」
「え。岩?」
「そうよ。その先は分からないけど、、、。船が、みんなが危ない!!」
勇気はやっと状況が読めたようだった。
「おい!!」
居眠りをしている見張りの兵に声をかける。
ハッとして起きる兵。
「なんだ?こんな夜中に。」
「外の様子は?」
「はぁ?」
「はぁ?じゃねーよ!嵐が来る!!すぐに相馬を呼んでくれ!!」
勇気の怒鳴り声にみんなが起きる。
「どうしたの?勇気?」
「何かあったのか?」
そんなみんなにもあたしは説明をした。
*
「嵐?」
見張りの兵は怪訝なかおをする。
「もういい!!勝鍵を!!」
「はいっす!!」
「また脱獄か!!」
見張りの兵は脱獄を止めようとする。
「別に逃げやしねーよ!!」
足についた重りを外し出す。
あっという間に重りを外し、牢屋の鍵をあける。
「こら!!」
見張りの兵が止めようとするが、武器で勇気が見張りの兵を捕まえる。
「甲板に急ぐぞ!!」
勇気はあっという間に剣を見張りの兵の首に押し付ける。
「甲板に案内しろ!!」
見張りの兵はなすすべなくしぶしぶ甲板に案内をした。
「夜中だから見ずらいね。まだ雨も降ってる様子はないね。」
あたしは勇気に言った。
「岩にぶつかるんだよな?目と言えばあやめだ!!あやめ、たのむ。」
あやめちゃんは歳は14歳。
ショートヘアで瞳は青色。
仲間の中で一番若い。
「見えるか?」
あやめちゃんは甲板から船の進路の先を見る。
「この先10キロ地点に岩がある。」
10キロ先が見えりなんて目良すぎ、、、。
「どうしたんです?夜中に。海の上だから逃げられませんよ?」
相馬と20人程度の兵が甲板にやってきた。
「別に逃げようとしたわけじゃない。嵐が来る。このままだと岩にぶつかる。可憐の夢見だ!」
「嵐が来そうにはないですよ?それにこの船は自動で岩などは避けて通るようになっている。岩にぶつかることがあるわけ、、、。」
「とにかく今日は近くの国に船を止めるんだ!」
勇気の言葉に相馬側の兵たちが動揺した。
*
「そういう訳にはいきませんね。」
周りは海。
相馬は兵たちの動揺も気にせず合図を送る。
「武器を持たせたままだったのは逃げないと言ったからです。本当に困った人たちです。」
その言葉に勇気は、、、。
「いい加減目を覚ませ!!」
相馬に勇気のパンチが炸裂した。
「お前、一国の王だろ!!民や兵たちはお前の道具じゃねぇ!!国を統治するのに大切なことをわかっちゃいねーんだ!どんな過去だが知んねーけどな、甘えるのもいい加減にしろ!!民や兵たちを守るのが王だ!それが分からねーのか!!」
「勇気!風向きが変わった!早く支持を。」
あやめちゃんが言った。
「お前ら死にたくねーだろ?近くの島に船をつけろ!!」
兵たちの瞳には勇気が映っている。
「早くしろ!!」
「は、はい!!」
相馬を気にしながら兵たちは動く。
相馬はうなだれたままただその様子を見ていた。
一国の王。
その器は自分にはない。
勇気、、、。
天の申し子、、、。
この男には国を統治する器がある。
「近くに無人島ですが島があります!」
「よし!そこで嵐をやり過ごす!」
リテール兵も皆それは感じ取っているだろう。
勇気、、、。
その強さはどこから来る?
相馬の瞳には勇気が眩しく見えた、、、。
初めに見つけた部屋の前。
「武器庫ではないな。きっと兵士の部屋だろうな。締め上げてはかすか。」
「殺したりはしないで!」
「当たり前だ。仲間になるはずの兵だ。」
勇気の言葉にあたしは安堵する。
ドアのぶに手をかけ、うなづきあった。
ガチャリ。
ドアが開く。
兵士4人。
寝ている。
智也、勝、隼人、勇気は1人を起こす。
「う、、、ん、、、?え、、、?」
兵士が起きる。
すかさず腕を捻り上げる。
「なっ?!なんだ、お前ら?どうやって、、、?」
「騒ぐな!腕を折られたくないだろう?」
「くっ、、、!痛っ、、、!!」
「武器庫に案内しろ!」
「誰が、、、!痛っ、、、!」
捻り上げられる腕。
「わ、分かったから、、、。離せ!いや、放してくれ!」
「よし。行け!」
武器庫に来て勇気たちは自分の武器を手にする。
「この船には何人くらいの兵士が乗っている?」
勇気たちは兵士に聞く。
「みんなだよ!お前らに勝ち目があるとはおもえないがな!」
「俺らを甘く見ない方がいい。相馬のところへ案内しろ!」
指導者を制圧すれば犠牲は少ない。
もう他の仲間が向かっているはず。
武器の数が少ないからだ。
みんなもきっとここに来たんだ。
*
「相馬、、、。勝ち目はないぜ?」
あたし達が着いた時には相馬は抑えられていた。
「フン、、、!ルテインに勝てる見込みはない。お前らは捕まるだけだ。」
「相馬。怯えているのね?大丈夫!きっと助けるから。」
あたしは心から言った。
「何も知らないから言えるんだ!お前らはルテインを甘く見過ぎだ!!」
相馬はひどく怯えている。
「俺もこんな失態をおかした。きっとただではすまない。」
勇気は力強い眼差しで相馬を見る。
「作戦がある。俺たちは牢屋に戻る。相馬はルテインに俺たちを引き渡せばいい。その後は俺たちでやる。」
「だから!勇気は分かってな、、、」
「分かってないのは相馬だ。仲間を信じ、闘う。仲間というものを相馬は分かっていない。」
勇気は相馬の言葉を遮って言った。
「仲間?たった100人で何ができる?」
「仲間というものは数が全てではない。それを分からせてやる!」
相馬は勇気を見つめる。
「仲間、、、か。ルテインにはないものだな、、、。」
「戻るぞ、みんな!」
勇気の一声でみんな牢屋にもどる。
その後。
相馬は窓から海を見ながら思う。
「仲間、、、。勇気は仲間というものを信じている。そんなに力になるのか、、、?」
独り言は虚しく響いた。
*
武器はとられなかった。
「勇気?どうする?」
牢屋に戻り、智也が言った。
「まぁ、ルテインに着いたら捕まるな。」
勇気は落ち着き払っている。
「やばいっすよ?」
勝も言った。
「まぁまだ先のことさ。大丈夫!」
勇気には何か考えがあるのだろうか?
ルテインに捕まったら何かアクションを起こすのかな?
「何か考えがあるの?」
あたしは聞いてみた。
「いや、何もない。」
え。
「でも相馬には作戦があるって、、、?」
「どうにかなるさ。」
うーん。
勇気の落ち着きは頼りになるが、、、。
ただ何も考えてないのかな?
そう思うと少し不安なんだけど。
「成るように成る。作戦はもう始まっているんだからな。」
は?
「作戦ないんでしょ?」
あたしは訳がわからなかった。
「仲間を信じることだ。きっと大丈夫!」
余計訳がわからない。
「船旅は始まったばかりだってことだよ。」
うーん。
意味不明だ。
仲間、、、ねぇ?
確かに頼りがいはある。
しかし、ルテイン相手に100人でどうにかなるのだろうか?
強いことは認める。
けどルテインの能力者の事が気になるな。
「あたし、夢見頑張るから!」
みんなが大きく頷いた。
*
「仲間ごっこは楽しいですか?」
次の日、相馬が朝食を運んできて言った。
「ルテインを撃つ作戦とはどういうものか知りたいものですね。」
「まぁ見てろよ。」
勇気は顔色変えずに言った。
「負け惜しみもここまでくると滑稽ですね。」
あたしは寝ていた。
「夢見ですか?夢見の結果で分かるでしょう。夢見はいいことばかり言う訳ではないのでしょう?」
みんなはそんな相馬の嫌味を聞き流す。
「ま、相馬には分からないだろうな。信じられる仲間と出会えば分かるさ。」
相馬はちょっと苛立ちを見せた。
「仲間など自分が一番大切な人間の寄せ集めでしょう?仲間は裏切り、俺は拘束されたんだ。所詮人間は最後は自分を取る。そういうものです。」
「かわいそうな奴。そりゃ信じてない相馬が悪いんだよ。心を開かなければ相手に不信感を与える。それは仲間とは言えない。」
勇気はきっぱり言う。
「勇気だって隠しているじゃないか!聖なる宝玉のことを。可憐の命を救うために仲間を危険にさらすのでしょう?それは自分が一番だと思うからじゃないんですか?」
みんなはどよめく。
「勇気?聖なる宝玉って?」
智也と隼人はちょっと顔をしかめる。
「仲間ごっこに付き合う気はありません。では。」
相馬は去っていく。
みんなは勇気と寝ているあたしと交互に見つめた。
*
「どういうこと?聖なる宝玉って何?」
いつみさんが聞く。
「あー。それは、、、。」
勇気が言葉を濁す。
「可憐はいいって言っているんだ。」
智也が言った。
「答えになってないっすよ?」
勝が言う。
「可憐の運命を変えることができる宝石だ。」
仕方なく勇気が言った。
「愛を知る時に死ぬっていうやつ?」
「そうだ。でも、可憐はいいと言った。みんなを自分の命のために危険にさらしたくないと。」
智也が言った。
「後、、、もういいよな?勇気。」
「あぁ。」
少し間を空けて勇気が話す。
「俺はラバースの王子らしい。ラバースの王妃は俺の母だ。」
「え、、、?」
みんなの驚きは大きかった。
「優馬は?優馬もそうなの?」
「いや違う。兄貴が死ぬことを覚悟した時手紙を残した。蓮華母さんはラバースの女剣士だったらしい。王妃から俺を預かったらしい。」
勇気はため息を吐く。
「どうしてそんな大事なこと話してくれなかったの?仲間なのに!!」
愛美さんが怒鳴った。
「ラバースの母を救うことはルテインに勝つことに繋がる。しかし、私情が入れば、みんなが無理をすると思い言えなかった。悪い。」
みんながざわつく。
「本当に悪い。」
勇気は頭を下げた。
*
あたしは夢の中にいた。
「もし?もし、、、?」
誰だろう。
あたしを呼ぶのは、、、?
「誰、、、?」
あたしは暗い中にいた。
「もし、、、?」
暗闇の中で目を凝らす。
「あなたは夢見ね?」
よく見ると勇気にどことなく似ている女の人だった。
金髪の長い髪に、暗闇だからこそ目立つ金色の瞳。
あたしは思わず言った。
「勇気の母上ですか?」
鎖につながれ見るも無残な姿。
痩せ細り十分な食事をしているとは思えない。
「勇気、、、!!あたしの可愛い子。勇気を知っているの?」
「えぇ。仲間です!あなたは、、、名前、、、?」
「咲歩(さほ)。ラバースの王妃でした。」
「えぇ。咲歩様。知っています!今助けに向かっています。咲歩様、今どこに?」
「よく分からない。ここはどこかの牢屋だということしか。あなたは神の申し子ね?勇気は元気?勇気も予言と共に生まれた子。出会いとは不思議ね?」
辛そうに笑う咲歩様。
痛々しいその姿にあたしは涙した。
「あたしは可憐。必ず助けてみせます!どうか安心して下さい。」
「勇気、、、!!あぁ、、、。やはり闘いになるのね。無事ならそれでいい。私の事は大丈夫だから。危険な真似だけは、、、。」
「勇気は元気です!必ず助けます!必ず、、、!」
咲歩様は少し微笑みを浮かべた。
*
カバッ!!
あたしは飛び起きた。
みんなは、、、!!
寝てる、、、。
勇気のお母さん、咲歩様。
みんなを起こすべき?
でも。
何か分かった訳ではないし。
分かったのは名前とやつれた姿。
あたしはまた寝ることにした。
こんな情報言って心配させるだけだし。
咲歩様。
どうか無事で!
「可憐!可憐!!」
え、、、?
「夢見ダメだったようだな?」
飛び込んで来たのは勇気の顔。
朝、、、?
「昨日全てをみんなに話した。」
「、、、?」
あたしは少し寝ぼけていた。
「何かあったの?」
「聖なる宝玉と俺の本当の母のことだよ。」
え。
「仲間だからな。隠している訳にはいかなかった。」
「そう、、、。でも聖なる宝玉はいいのよ?あたしはもう覚悟決めているし。」
あたしはうつむき笑ってみせた。
「聖なる宝玉は、、、必ず手に入れる。みんなも納得してくれた。」
「え!?ダメだよ。あたしの事だけでみんなを危険にさらす訳にはいかないよ!!」
「水臭いこと言うな!」
「可憐?大丈夫!そりゃちょっとムカついた事もあったけど、仲間を死なせる訳にはいかないわ。ね?いつみ?」
愛美さんはいつみさんに目配せを送った。
「可憐?あなたはひとりじゃないわ。分かってね?」
いつみさんも笑った。
あたしは、、、。
涙を流した。
*
「実は、、、勇気のお母さんのこと、夢見で見たの。」
みんなしんとなる。
「どういうことだ?」
あたしは戸惑いながら話した。
「昨日の夜、、、いや、今日の朝すごく早く起きて、、、」
「母さんは元気か?」
「うん。咲歩と言う名前よ。勇気にそっくりね。少し痩せて、、、牢屋にいた。」
「どこにいる?!」
「分からなかった。勇気をとても心配していたわ。」
「そうか。」
「ごめんね、、、。役に立てなくて。」
あたしはうつむいた。
「母さんが無事なことがわかっただけでも嬉しいよ。ありがとう、可憐。」
あたしは首を横に振る。
「名前以外何も分からなかった。あたし、、、咲歩様が心配で、、、。だいぶ痩せてたし、鎖につながれていたし、何もできない自分が情けないよ、、、」
すると。
「ラバース王妃の夢見ですか?」
相馬だった。
「相馬、、、!!」
「あの人も馬鹿だ。ルテインに逆らうからああなるんです。ルテインの恐ろしさ、少しは
分かりましたか?」
「相馬。その口ぶりだと母さんはルテインにいるんだな?」
「どうでしょうね。私には分かりかねます。」
少し動揺が見てとれた。
「相馬。嘘が下手だな。お前は素直でいい奴だ。」
勇気は明るく笑った。
*
「何がおかしいんですか!!ラバース王妃はルテインにはいません!!ふざけるのもいい加減にしてください!!」
勇気の態度に相馬は怒鳴った。
「ふーん。じゃあラバースにいるってことか。」
「!?」
相馬はハッとする。
「やっぱりそうか。ルテインよりラバースに行ってくれたら助かるんだがなぁ。」
勇気は相馬をからかうように言った。
「ふざけるな!!」
相馬は声を荒げる。
「なぁ?相馬?本当にこのままでいいのか?本当にこのままでいいのか?」
「ルテインには敵わない!ルテインに着けばそれが分かるはずだ!!」
「それじゃあ勝てばいいのか?そうすれば仲間になるか?」
勇気、、、?
あたしには勇気の自信が少し相馬に影響を与えているように思えた。
「そう、、、ですね。いいでしょう。勝てる訳がないんだから。」
「約束だぜ?」
相馬は朝ごはんを置いて去って行った。
「勇気?ルテイン相手にどう闘うんだ?」
「とりあえず捕まえてもらう。」
智也の言葉に勇気が答える。
「そうか!内部に入って探るのか!」
「まあな。」
勇気は笑った。
「鍵は勝がいるし、内部から切り崩す。聖なる宝玉のこともあるしな。」
聖なる宝玉、、、。
あたしの運命を変えるもの、、、。
*
勇気、、、。
どこからくるんだ、あの自信は、、、?
勝てると思ってるのか?
相馬は迷いの中にいた。
俺たちが協力するとでも思っているのか、、、?
俺だって今のままでいいとは思っていない。
ルテインは強大な軍事国家だ。
能力者もいる。
それに100人程度で闘いを挑もうとするのは何故だ?
運命の申し子と言われていい気になっているのか?
だが、、、。
そんなそぶりは全くない。
どれだけ自分の力に自信があるというのだ?
仲間がいる。
それもたった100人の。
仲間ってそんなに心強いものなのか?
信じる仲間、、、。
俺にはないものだ。
勇気、、、。
お前の強さ。
信じることができるのか?
俺は逃げている。
このまま逃げていいなりになるのか?
ルテイン到着は約1カ月後。
俺はリテールの見せかけの王。
ルテインにこび、民から税金を巻き上げ、兵は俺を信頼すらしていないだろう。
それが勇気と俺の違いなのか?
申し子だとか関係ない。
勇気には俺にはない人望というものがある。
可憐だってそんな勇気に、、、。
可憐。
彼女もまた天の申し子。
時代は変わるのか?
信じてもいいのか?
臆病風に吹かれている自分が情けなくなる。
勇気。
お前を信頼していいのか?
勇気の自信は相馬を変えつつあることにあたしは気付いていなかった。
*
それから3日後。
あたしは夢の中にいた。
外は大雨の嵐。
船は揺れ、舵はきかない。
兵たちはみんな船をどうにかしようと走り回る。
ガシャーン。
突然の大きな音と揺れ。
それは、、、大きな岩にぶつかる音だった。
あたしはそこで目を覚ました。
まだみんな寝てる。
相馬に伝えなきゃダメだ。
岩にぶつかる!!
「勇気!ねぇ!起きて!!」
「あー?」
「あー?っじゃない!!起きて!!」
あたしは寝ぼけてている勇気を叩き起こす。
「なんだよ?こんな夜中に。」
あくびをしながら勇気は言った。
「嵐がくるわ。船が岩にぶつかる!相馬に言わなきゃ!!」
「え。岩?」
「そうよ。その先は分からないけど、、、。船が、みんなが危ない!!」
勇気はやっと状況が読めたようだった。
「おい!!」
居眠りをしている見張りの兵に声をかける。
ハッとして起きる兵。
「なんだ?こんな夜中に。」
「外の様子は?」
「はぁ?」
「はぁ?じゃねーよ!嵐が来る!!すぐに相馬を呼んでくれ!!」
勇気の怒鳴り声にみんなが起きる。
「どうしたの?勇気?」
「何かあったのか?」
そんなみんなにもあたしは説明をした。
*
「嵐?」
見張りの兵は怪訝なかおをする。
「もういい!!勝鍵を!!」
「はいっす!!」
「また脱獄か!!」
見張りの兵は脱獄を止めようとする。
「別に逃げやしねーよ!!」
足についた重りを外し出す。
あっという間に重りを外し、牢屋の鍵をあける。
「こら!!」
見張りの兵が止めようとするが、武器で勇気が見張りの兵を捕まえる。
「甲板に急ぐぞ!!」
勇気はあっという間に剣を見張りの兵の首に押し付ける。
「甲板に案内しろ!!」
見張りの兵はなすすべなくしぶしぶ甲板に案内をした。
「夜中だから見ずらいね。まだ雨も降ってる様子はないね。」
あたしは勇気に言った。
「岩にぶつかるんだよな?目と言えばあやめだ!!あやめ、たのむ。」
あやめちゃんは歳は14歳。
ショートヘアで瞳は青色。
仲間の中で一番若い。
「見えるか?」
あやめちゃんは甲板から船の進路の先を見る。
「この先10キロ地点に岩がある。」
10キロ先が見えりなんて目良すぎ、、、。
「どうしたんです?夜中に。海の上だから逃げられませんよ?」
相馬と20人程度の兵が甲板にやってきた。
「別に逃げようとしたわけじゃない。嵐が来る。このままだと岩にぶつかる。可憐の夢見だ!」
「嵐が来そうにはないですよ?それにこの船は自動で岩などは避けて通るようになっている。岩にぶつかることがあるわけ、、、。」
「とにかく今日は近くの国に船を止めるんだ!」
勇気の言葉に相馬側の兵たちが動揺した。
*
「そういう訳にはいきませんね。」
周りは海。
相馬は兵たちの動揺も気にせず合図を送る。
「武器を持たせたままだったのは逃げないと言ったからです。本当に困った人たちです。」
その言葉に勇気は、、、。
「いい加減目を覚ませ!!」
相馬に勇気のパンチが炸裂した。
「お前、一国の王だろ!!民や兵たちはお前の道具じゃねぇ!!国を統治するのに大切なことをわかっちゃいねーんだ!どんな過去だが知んねーけどな、甘えるのもいい加減にしろ!!民や兵たちを守るのが王だ!それが分からねーのか!!」
「勇気!風向きが変わった!早く支持を。」
あやめちゃんが言った。
「お前ら死にたくねーだろ?近くの島に船をつけろ!!」
兵たちの瞳には勇気が映っている。
「早くしろ!!」
「は、はい!!」
相馬を気にしながら兵たちは動く。
相馬はうなだれたままただその様子を見ていた。
一国の王。
その器は自分にはない。
勇気、、、。
天の申し子、、、。
この男には国を統治する器がある。
「近くに無人島ですが島があります!」
「よし!そこで嵐をやり過ごす!」
リテール兵も皆それは感じ取っているだろう。
勇気、、、。
その強さはどこから来る?
相馬の瞳には勇気が眩しく見えた、、、。
0
あなたにおすすめの小説
精霊姫の追放
あんど もあ
ファンタジー
栄華を極める国の国王が亡くなり、国王が溺愛していた幼い少女の姿の精霊姫を離宮から追放する事に。だが、その精霊姫の正体は……。
「優しい世界」と「ざまあ」の2バージョン。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
【完結】異世界転移した私がドラゴンの魔女と呼ばれるまでの話
yuzuku
ファンタジー
ベランダから落ちて死んだ私は知らない森にいた。
知らない生物、知らない植物、知らない言語。
何もかもを失った私が唯一見つけた希望の光、それはドラゴンだった。
臆病で自信もないどこにでもいるような平凡な私は、そのドラゴンとの出会いで次第に変わっていく。
いや、変わらなければならない。
ほんの少しの勇気を持った女性と青いドラゴンが冒険する異世界ファンタジー。
彼女は後にこう呼ばれることになる。
「ドラゴンの魔女」と。
※この物語はフィクションです。
実在の人物・団体とは一切関係ありません。
どんなあなたでも愛してる。
piyo
恋愛
遠征から戻った夫の姿が変わっていたーー
騎士である夫ディーノが、半年以上の遠征を終えて帰宅した。心躍らせて迎えたシエラだったが、そのあまりの外見の変わりように失神してしまう。
どうやら魔女の呪いでこうなったらしく、努力しなければ元には戻らないらしい。果たして、シエラはそんな夫を再び愛することができるのか?
※全四話+後日談一話。
※毎日夜9時頃更新(予約投稿済)&日曜日完結です。
※なろうにも投稿しています。
あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜
南 鈴紀
キャラ文芸
妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。
しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。
掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。
五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。
妖×家族の心温まる和風ファンタジー。
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる