蓮華の花言葉

kinmokusei

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新たな闘いの始まり

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「見張りは?」

「いないようっす。」

「じゃあ行くぞ!」

勇気と勝は夜遅くに動き出した。




一方であたしはと言うと。

「ルテイン王妃様。ルテイン王妃様。」

船の中、夜も遅いというのに。

牢屋にいるあたしに声をかけてくる者がいた。

「誰?」

真っ暗で顔が見えない。

「ラバース王妃に仕えている者です。お願いがあって来ました。」

(願い?)

あたしは眠い目をこすって起き上がる。

「聖なる宝玉でラバース復興を願って欲しいのです。」

「え?」

聖なる宝玉ってあたしの運命を変えることができるだけじゃないの?


「聖なる宝玉は願い石と言われどんな願いでも叶えられるらしいのです。」

「で、でも、、、。」

あたしの願いが、、、。

「ルテイン討伐を願っているのでしょう?ラバース復興を願ってくれれば俺たちはあなた方に力を貸します。考えている暇はありません。お願いします!では。」

それだけ言うとその男は去っていった。


ラバース復興を願えばルテインを倒せる。

でも。

あたしの運命が変えられない。

どうしようか?

勇気はこのことを知っているのだろうか?

勇気がそばにいてくれたらと思う。

いつもピンチの時は勇気のことを考えているあたし。

あたしの命が少なくなっている。

あたしは勇気が好きなんだ。

愛と好きとは違うのかな?


今度頼まれたら勇気と話してから決めると言おう。

勇気。

離れて見ると分かる。

あたしの心が勇気を求めている。





「あかりがないとわかんないっすね。」

「あぁ。とにかく帰り道だけは覚えておかないと。」

勇気と勝。

牢屋を出て敵のアジトの探索中である。

「聖なる宝玉っていうのはひとつしか願い叶えられないんっすかね?」

「バトラーの余裕から見てそうだろうな。俺たちが潰し合うのを笑っているんだろう。」

ラバースの兵と闘いたくはないが、、、。

闘いは避けられそうにない。

可憐。

どうしたらいいんだ?

お前ならきっとラバース復興を願うだろう。

死んで欲しくないのに。

いい考えが浮かばない。

バトラーめ!!

どこまで最低な奴なんだ。

「勇気さん?」

不意に勝の言葉で現実に引き戻される。

「なんだ?」

「今日はここまでにするっす。勇気さん考えごとしてて偵察にならないっすから。」

勝は勇気を気遣いながら言った。

「そうだな。なんだか身が入らない。戻ろう。」


牢屋に戻って考えることはひとつ。

可憐。

ラバース復興。

どちらも成功させるためにはどうしたらいい?

そもそもバトラーは聖なる宝玉に何も願わないのか?

そんなわけない。

一体何が望みなんだ?




一方であたしはというと。

勇気。

あたし小さな頃絵本を読んだことがある。

人魚姫。

王子様を救うため、泡となって消えてしまった女の子。

人を愛するって素敵だと思った。

勇気。

やっぱりあたし、聖なる宝玉にはラバース復興を願おうと思うよ。

それじゃないとラバースまで敵にまわすことになる。

少しずつ命が少なくなり始めているのかな?

胸が苦しいよ。

勇気。





次の日の夜。

ラバース兵が船の中の牢屋にやってきた。

あたしは全然眠れなくて。

「ルテイン王妃。聖なる宝玉の願い聞き入れていただけますでしょうか?」

「ええ。分かりました。ただこのことをあたしの仲間たちに伝え、ただちに仲間たちを開放して下さい。それが条件です!」

「分かりました!ありがとうございます!」



勇気。

あたしはまだ死んでないし、勇気を好きだと気づいた今でも生きている。

だから大丈夫。



そして朝。

「おい!出ろ!」

「は?」

勇気と勝は牢屋から出された。

螺旋階段を下り大きな広間に出る。

「勇気さん!!」

「みんな!!」

仲間に会えたのもつかの間。

「何故俺たちを開放した?」

勇気の質問にラバース兵は答える。

「ルテイン王妃が願い石にラバース復興を願ってくれると約束してくれた。つまりルテイン討伐という共通の目的が一緒になったと言うことだ。」

仲間たちに動揺が広まる。

「でもそれじゃあ可憐は、、、。」

「ん?そこの女、何が問題があるのか?」

「愛美。その事なら大丈夫だ。要はラバース復興を成し遂げられればいいんだろう?聖なる宝玉は最後の手段だ。」

勇気の瞳にラバース兵が映る。

「共に闘おう!」

「最後の手段?願い石に願いを叶えてもらってから行動を移す!犠牲者が出ないようにな!」

ラバース兵の言うことは分かる。

可憐。

いい案が浮かばない。

可憐の夢見があれば、、、。


そうだ!



「闘いの行方を夢見で見てもらってから決めないか?可憐の夢見は当たる。」

「夢見、、、?」

ラバース兵は怪訝な顔をした。






「夢見など必要ない。願い石に願いさえすればいいんだからな。」

「そう上手くいかないと思うが?夢見で確かなことが分かっていた方が安心なんじゃないか?バトラーたちがどう行動するかも何を願おうとしているかも分からない状態では事を上手く運ぶには不利だ。」

勇気の言葉にラバース兵たちがざわめく。

「まず名前を聞こうか?お前がここを取り仕切っているようだが?」

「そうだな。ルテイン王妃が味方になったんだ。名乗ってもいいだろう。俺はアレス。ついでにルテイン王妃の側にいる仲間、俺たちの隊長はミカスと言う。」

「俺は勇気。よろしく。」

「勇気!ちょっと!!」

挨拶しているところ、愛美に引っ張られて部屋の隅に行く。

「可憐はどうするのよ?可憐の運命は聖なる宝玉にかかっているのよ?死んじゃうかもしれないのよ?可憐はきっと自分より周りを選んだのよ。」

「ちゃんと考えている。可憐の夢見に託そうと思う。」

「勇気!!可憐が死んでもいいの?!」

「いいわけないだろ!!今必死で考えている。待ってろ!!」

愛美は黙る。

勇気も黙る。


「話は済んだか?今ミカスに連絡している。夢見とやらを試してみよう。」


可憐!!


俺にはいい考えが浮かばない。

情けない男だ。


「アレス。ミカスとはどんな連絡方法を取っているんだ?」

「無線と言う方法だ。」

「バトラーにバレてないのか?」

「バトラーたちが何を考えているのか分からないが、バレている可能性はある。しかし、、、今まで注意されたことはない。」

勇気は考える。

不気味だ。

バトラー。

何を考えている?





ただ気になることがあった。

勇気はアレスに問う。

「アレスと言う名はコードネームだな?ミカスもそうだ。仲間になるのに名を隠すのはどういうことだ?」

「えっ!?」

勝が声を上げて驚いた。

「本当の名前じゃないんっすか?」

アレスは笑い出した。

「参ったな。まーいいだろう。俺の名は明(あきら)。隊長は修二だ。どうして分かった?」

「バトラーもエイリアもカタカナ。カタカナの名前は珍しいからな。」

勇気の洞察力。

明は少し見直した。

「すぐ無線で修二に伝えよう。夢見とやらのことをな。」



「ミカス様!アレス様からの無線です!」

「分かった」



一方でバトラーたちは、、、。

「バカなやつらめ。無線など筒抜けなのに。夢見楽しみじゃないか。これから死のゲームが始まるのだ。」

「でもバトラーは何を願おうとしているの?そろそろ教えてくれてもいいんじゃない?」

エイリアは美味しそうにワインを口に運ぶ。

「不老不死だ。俺の研究を見て分からなかったか?俺は全てを手に入れた。しかし老いには敵わない。」

「えっ!でもその研究は相馬で成功したはずじゃ、、、?」

「相馬は傷が治るだけ。心臓を貫けば死ぬ。本人には言わなかった。バカな考えを起こして死ぬもよし。裏切りには死をだ。」

バトラーはそう言って高笑いをした。

「残酷な人、、、。ふふ。でも面白いわね。」

エイリアもそう言って笑う。

「死のゲーム。楽しみだわ。」

「俺も老いた。夢見とやらの結果どう出るかな。楽しみじゃないか、、、」





「ルテイン王妃様!勇気と言う者からの伝言です!これから起こることであろうかの未来を教えてくれとのことです!」

「え、えぇ。」

あたしは少し体調を崩していた。

これは優馬が死んだ時と同じ。

悪い夢見の前兆だ。

(誰かが死ぬ?)

そんな、、、。

夢見をするのがすごく怖かった。

でもこのラバース兵は急いで欲しいみたいだ。

「少し横になります。」

勇気を好きだと気づいた今体の調子が良くないのはそのせいだと思っていたが違うようだ。

「お願いします!」




あたしは5日ほど寝た。

何故か勇気たちがルテイン王国にいて、、、。

聖なる宝玉を前に、、、。

思い出しても嫌な夢だった。

「バトラーの願いは不老不死です。」

「えっ?不老不死はもう、、、」

「バトラーは嘘をついてます。相馬は不老不死ではありません。あなたと相馬と勇気を人質に取り、あたしに願うように言って来ます。」

ラバース兵ミカス、本名修二は驚き目を見開く。


「あと無線は使わない方がいいでしょう。バトラーに筒抜けです。」

「やっぱり。」

「能力者は5人。手の指から発泡するもの、毒を操るもの、筋肉のあるもの、手を剣に変えるもの、そして、、、目で見たものを焼き尽くすもの。」


「それは、、、でも無線が使えないならどうすれば、、、?」


「この夢見は変えることができません。伝えるのも伝えないのもどちらでもお好きに。」

「結果は?ラバースは助かるのですか?」

「あなたミカス、いえ修二と言った方がいいかしら?あなたと相馬と勇気が人質になるところで目が覚めてしまいました。結果はまだ、、、。すみません。」





「どういうことだ?もう1週間くらい経つのに連絡がない。」

明がいくら無線で連絡してもつながらないらしい。

「多分夢見だ。無線での連絡はやめた方がいいと言われたんじゃないかな?」

勇気は落ち着いていた。


「そんな、、、じゃあどうすれば、、、?」

「ルテインに行くしかないだろう?」

「でもそれじゃあ人質が、、、。」

「少人数で行く。明、相馬、俺の3人だ。明はルテインに精通している。相馬は不死。あと代表として俺が行く。」

みんながどよめく。

「勇気!危ないわ!!」

「勇気さん!そうですよ。」

「いや、お前たちにはラバースを頼む。善は急げだ!!行くぞ!」



一方でバトラーたちは。

「無線、応答しないわね?」

「夢見とやらだろう。まぁいい。俺たちには最強の五人衆がいるのだからな。」




一方であたしは。

「体調が悪そうですが、、、?」

「平気よ。ルテインの五人衆には会ったことがある?」

「はい。ルテインの要となる戦力です。」

修二はあたしの体が震えているのに気付く。

「ラバース兵が死ぬわ。あたしは会ったことないからわからないけど。そして相馬と勇気がやってくる。恐ろしい闘いになる。」

「ルテイン王妃様、、、。夢見はもう少し時間を空けましょう。お体にさわります。」


「いいの。もう少し、、、」


「ダメです!」

「先がもう少しで分かるわ。」

「もう十分です。お休みください。」



勇気。

死なないで。


あたしの意識は遠のいていった。



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