巫女さんに惚れた雷神様

kinmokusei

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黒滝の治療

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キェーー!!

キェーー!!


洞窟の奥に行くほど悲鳴のようなものが大きくなっていく。


「ここだ。」

雷神がそう言って立ち止まった。


あれだけ大きな鳴き声が聞こえたのだ。


どれだけ大きな竜かと思いあたしは周りを見回す。


キェーー!!


思わず耳を覆う。


「さぁ、早くしてくれ!」


どこに竜が??


耳を覆ったまま黒滝を探す。


「ここにいるだろ!」


雷神が指を指し、藁の中に小さな竜がいた。


こんなに小さかったの?!


あたしは驚いたが、苦しそうにもがく黒滝を見て、数珠でどこが悪いのかを探す。


数分後、数珠の不思議な力で黒滝の病気の正体が分かった。


「黒滝の逆鱗にトゲが刺さっていますね?それをとれば、黒滝は元気になります。」


あたしの言葉通り、黒滝の逆鱗にトゲが刺さっていた。


「じゃあ早く取ってくれ!」


あたしは考え込み、首を横に振る。


「なぜだ?!こんなに苦しがっているのに。」


あたしは焦っている雷神に諭すように言った。


「竜の逆鱗に触れることは、竜を怒らせることになります。」


「じゃあどうしたらいいのだ?!」


キェーー!!


「今その方法を探します。待っててください!一刻を争いますので。」






あたしは数珠をかざす。


そして。


「雷神様、黒滝を治す方法が分かりました。」


あたしはそう言った。


「どうすればいい?」


雷神様は、あたしに熱い視線を送る。


「ここに聖水がございます。これを黒滝の逆鱗にかけてください。」


あたしは懐から小さな瓶を取り出す。


「お前がやれ。」


雷神様はそれだけ言った。


あたしは、言われるまま、瓶のふたを取り黒滝の逆鱗に聖水をふりかける。


するとどうだろう。


あんなに苦しみもがいていた黒滝が静かになった。


「棘が取れました。」


雷神様の唇がまた弧を描く。


風神様や龍神様もあたしを見る。


「不思議な女だ。」


3人の声がはもった。


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