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2のダンジョン攻略

24話 そろそろ熱中症に気を付けよう

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 「シュネール男爵、この街の惨状は、一体どういう事ですか?何があったのです?」

 「そ、それは、その・・・」

 小太りのハゲ散らかした頭のシュネール男爵が、ハンカチで汗を拭きながら語ったのは、自身が戦線に加わらずに済むよう、税を引き上げ、引き上げた税金で賄賂を渡し、徴兵を免れていたのだが、領民にその事を知られ、愛想を尽かされ、他領へと逃げられた、というものであった。

 「・・・はぁ~。なるほど。」

 まぁ勿論、回りくどく、あくまでも、自分は悪くないという主張が散りばめてあり、正直、聞くに堪えない内容となっていた。

 (ったく、子爵家の次男の俺じゃあ、他家の事情にまで、口を突っ込めねぇしなぁ~。)

 シュノンは、ポリポリと頭を掻き、チラッと、この場で一番身分の高い御方へ、視線を向ける。

 「ん~♪」

 無邪気に、紅茶の香りを楽しむララの姿が、目に入る。

 「はぁ~。とりあえず、現状を見過ごす事は、どうしても出来ません。ここは、2のダンジョンに、最も近い街でもありますし。

 どうでしょう?

 "ダンジョンからモンスターが出てくるかも"と、領民が怯え、逃げ出したと言うことにして、国王様へと報告し、判断を仰ぐと言うのは?

 それに、実際のところ、ダンジョンからモンスターが出てくる可能性を、捨てることが出来ませんから、土地の一部を売却、或いは交換、等の交渉を行われてみては??」

 結局、バリバリに口を突っ込むシュノン。

 「お、おぉっ!!それは妙案ですなッ!!で、では、早速その様に報告を上げさせて頂きますッ!!」

 ペコペコと頭を下げる、シュネール男爵を見下ろしながら、(ったく、何処まで馬鹿なんだよッ!!)と、内心で苛立つ。

 こういったケースは、実は少なくない。

 この世界での貴族とは、魔力を有し、領民や国民をモンスターの脅威から守るといった義務を持つ存在。

 だが、魔王降臨の3年前より続く、王都奪還作戦が失敗続きで、尚且つ、死者すらでる戦線に立ちたがる者は少なかった。

 (ま、国王様は聡明な方だから、ぶん投げさえしまえば、俺では思い付かねえ様な方法で、上手いことしてくれるだろう。)

 「とりあえず、俺は、もう少し、シュネール男爵殿とお話が有りますんで、悪いんですがダンジョン攻略は、待って貰えませんっすか??」

 ララの座るテーブルと椅子の、近くに設置された、3人掛け用のソファーに寝転ぶユウに向けて、シュノンは言った。

 「あぁ!ってか、行きたくても行けねぇっつの!」

 (あー、分かっちゃ居たが、魔力が枯渇すると、すっげぇ気分悪いな。熱中症と脱水症が、ダブルでパンチッ!!みたいな。)
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