悪魔を惑わす喪女の甘言

南野うり

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「…………?」

 悪魔のような美貌の男が、蕩けた顔でぽかんとしている。つむぎは下腹部と臀部に力を込めた。

「あうっ!? はっ、ぁ、はぁぁ……っ」
「何か出そうだったんでしょ? 出すと凄く気持ちいいよ? ほら……」

 紬は内部の男を締め上げながらゆっくりと腰を上げ、ギリギリまで引き抜く。そして一気に腰を落とした。

「あああっ!!」

 一度外気に触れて冷やされた場所が、また一気に根元まで温かな粘膜に包み込まれ、男は堪らず声を上げる。

「ぁ、ぁあ……は……っ」
「っ……気持ちいい? 私のお願い、叶えてくれるでしょう?」

 紬はまたゆっくりと腰を上げ、ドスンと落とす。少し止まり、男の呼吸が完全に整い切る前にまた同じように引き抜いて落とす。
 彼が音を上げるまで、紬は幾度と無く繰り返した。

「うくっ、あっ……か、叶えるっ、なんでも叶えるからっあぁ!! 頼むっ、これ以上はっ、拷問、だっ……はぁっ!!」
「ふふ、本当に? 約束だからね?」

 ついに降参した男に満足げな微笑みを返し、紬は抽挿を開始した。先程の前後に擦り付けるような動きでは無く、激しい上下運動だ。

「あっ、はぁっ……すごいっ、はぁっ……ああっ!」

 一度動き始めると、あまり力を入れなくても反動でバネのように動き続けられる事に気付いた紬は、益々容赦無い動きで彼を攻め立てた。
 人ならざる恐ろし気な姿の男が自分に翻弄され涙を流して喘ぐ様を見ていると、彼に与えられる痛みさえ甘やかに感じられる。

「よかっ、た……私の、お願いはね? 貴方に私の、生涯の伴侶に、なってほしっ、の……私が、ふっ、死ぬまでで良いの、そうだな……六十年……」
「うぁっ……あっ、ぁ……美味し……あっ」

 聞こえているのかいないのか、人外の男は美貌を歪ませ恍惚とした表情で腰をくねらせ、只々甘い声を上げ続けていた。

「っ……六十年、夫婦として私を愛して、添い遂げてくれたら、魂をあげる……叶えて、くれるよね……?」
「ふっ、ああっ、わかった、かなえるっ、かなえっ、あうぅっ、またなにか、出そうだ! あっ、出る! でる! でっ、アアッ!!!!」

 とうとう限界を迎えた男が、紬の腰を掴みブルブルと震えだす。

「ん、ふ……約束、だよ……?」


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