鬼の子は鬼

るい

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人間と鬼②

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1列に並んだ鬼は、1人ずつ前に出てこさせられ、槍を持った人間に囲まれて裁判が始まった。

前に出てきた鬼を囲むと、人間は鬼に対して酷い言葉で罪を責め立てた。
鬼はひたすらに否定した。無罪を主張し続けた。
しかし人間は聞くことを忘れてしまった。


「嘘をつけ」


人間はそう言い、鬼を刺し殺した。

鬼たちは恐怖で震え上がった。一体何が行われているのか。何のためにこんなことをしているのか。鬼たちには到底理解出来なかった。

しかし人間の目は本気だった。これが正義だと疑わんばかりに真っ直ぐな目をして、鬼を殺し続けた。




「お前たちが殺したんだろ。よくも人間を裏切ったな!」

「違います。我々ではありません…」

「嘘をつけ!!」

「誓って本当です。我々はそんなことはしません。今まで上手くいってたではありませんか…」

「どこかで魔が差したんだろう。殺しなんて鬼の考えそうなことだ」

「違います…我々ではありません…本当です…」

「黙れ!!!」



無罪を主張した鬼は次々に殺された。順番待ちの鬼はそれをただ見ている事しかできなかった。

人間による’’裁判’’は、とてもとても長い時間行われた。

日も暮れ始めた頃、既に鬼の半数が殺された。
人間はまだ裁判を辞めるつもりは無いらしい。

辺りが暗くなっても裁判は続いた。

焚き火をたいて、火の明かりに照らされた人間の顔は忘れることが出来ない。長老はそう語った。


夜が更けると、事件の犯人がわかった。


山から1匹のオオカミが降りてきて、人間を次々に襲い始めた。
首を切られた跡が、事件の時と全く同じだった。
誰もが犯人に気づいた。

人間は持っていた槍でオオカミを一刺しし、殺した。

すると、人間は満足そうにみんなが笑顔をうかべ、自分の村に帰って行った。


鬼は唖然とした。これまた何が起こったのか全く分からなかった。
周りにはオオカミに殺された一人の人間の死体と、鬼たちの死体、オオカミの死体がひとつ転がっているだけだった。

鬼たちはそのまま朝を迎えた。
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