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始まり始まり
ヒラメイタし!
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女神と別れた萌香は帰宅に向け歩を進めつつ、どうすれば異世界に行かなくて済むかと考えを巡らせる。
――この世界に居なきゃいけない理由…… この世界に必要とされればいいのか……。
う~んと眉間に皺が寄る。
――アタシの事を必要としてもらうには…… あ、バイトリーダー目指す!? イヤ、イヤイヤイヤ。「バイトリーダー張り切ってて超ウケる」とか笑われてんしなぁ……。う~~ん。
何とか掴んだチャンスを逃すまいと思案を重ねつつ、家の近所のコンビニに寄ったりする。
――あ~あ。一年かぁ……。
「ただいまー」
と、いつものように誰も居ない家に声を投げ、手洗いうがいを済ませてリビングでコンビニ弁当を食べ始める。
家族は事故で亡くなり、萌香は一人で暮らしている。
テレビを点けても特に観はせず、ただただ異世界行き阻止を考える。
ご飯を食べ終えソファでゴロゴロとしていると、ハッと思い付く。
――そうだ!そうだ!! そうしよ!! 学校行って相談しよ!
ガバっと体を起こし、自身のヒラメキに光明を見い出し、目が輝く。
――アタシ天才じゃん! さて、お風呂入って寝よっと。
明日に向け、ウキウキと風呂場へと向かう。
――学校自体も久しぶりだな……。ちょっと不安はあるけど、未来のためにガンバルぞ!
翌日――
寝過ごしてしまった……。時計を見、深くため息を付く。「とりま、学校行くべ」と支度を始めるが、昨日の勢いはどこへやら、尻込み気味だ。
高校二年生の終わりに家族を事故で亡くしてから学校は休みがちになり、ここ最近はちっとも登校しなかった。
つるんでいた学友達も、お互いなんだか気まずさを感じ、またそんな状況にもいたたまれなくなり、グループでの連絡先は退会してしまった。「落ち着いたらまた遊ぼうゼー⭐︎」なんて元気にバイバイしてみた。
三年生になってからはほとんど登校していないので更に疎遠になってしまっている。また不登校児が突如現れた場合の教室内のなんともいえないザワザワ感は想像に難くない。そんな場所へ突撃するのはかなり勇気がいるなと、二の足を踏んでしまっている。
――そうだ。放課後間近に行って、保健室で待と。
周囲の気遣いやら興味本位の視線に辛さを感じ、時折保健室登校をしていたので教室より居やすくはある。
電車を乗り継ぎ久しぶりの学校へ着くとソサクサと保健室へと進む。
ノックをして戸を開けると、保健の先生が柔らかい眼差しを向ける。
「あら。蕪木さん、こんにちは」
「……センセー。久しぶりーですー……」
久しぶりなのでやや照れてしまう。
「病気とかしてない? 元気にしてたならいいわ。麦茶飲む?」
「飲むー!」
先生の変わらぬ態度に調子を取り戻す。
「あんね、センセ。今日進路の相談に来たの。担任と話せるかなぁ」
「あら、いいわね。ここでする? それとも教室がいいかしら。ああ、でも誰かしらくるかもだから、ちゃんと進路指導室がいいわね」
そういうと携帯端末を取り出しテキパキと用事をこなす。
「先生と連絡取れたわよ。16時に進路指導室ですって。それまではここにいらっしゃいな」
「ン。ありがトございまっス!」
ペコリと頭を下げる。
暫し保健の先生と会話を交わし「あら時間ね」と進路指導室へと促される。
「いってらっしゃい」
「ン、行ってきまーす!」
久しぶりの「いってらっしゃい」に、萌香は気分が昂まり顔もほころぶ。
――へへ。いいもんだね。
力強く進路指導室の戸を開け言い放つ。
「センセー! アタシっ 医者になりまっす!!」
「お、おぅ! そうか!」
久しぶりの教え子の宣言に面くらいながらも平静を保とうと務める担任。
「まぁ、良かった。一先ず座って。久しぶりだな」
「ハイ! なんでアタシ医者になれる大学に行きたいです!」
「そうか。そうかっ! 素晴らしいな!! 医者かぁ……」
顎に手をやり天井を仰ぐ。そんな担任を萌香は希望に満ちた顔で見ている。
「さて、まずは予備校に行った方がいいな。一浪で済むよう気張らないとな」
「エ?」
「ん?」
「エ、エ、待って待ってセンセ。アタシ浪人はしないよ!」
「お?」
「だって、浪人なんかしたらきっと――《『異世界に行くことになっちゃう』》」
萌香は途中から口をパクパクさせた。
――あれ……
担任は不思議そうに見ている。
「ちょ、ちょ、待ってセンセ。アタシ――《『一年後に異世界に行くことになっちゃうの』》」
また途中から口がパクパクするだけで音が出てこない。
――な……。 もしかして……。
「《『異世界に行くことになっちゃうの』》」
――やっぱりだ。異世界行きの事が声に出せない。
「そっかー…… そうゆーことかー……」
ガックリとうな垂れる萌香。
「大丈夫か?」
「はぁ~。センセ、ゴメンね。こっちのこと……。 とにかく現役で合格したいの!」
「あー……。 いいか。蕪木。お前の為にもハッキリ言うぞ。まず今の成績では無理です。加えて卒業も危うい状況です」
「エ!?」
「出席日数もな。卒業に向けて明日から通常登校で更に補習や補講を入れて、そこに医大の受験勉強。残念だが時間が足りない。無理をすれば行ける可能性もあるかもしれないが、蕪木自身が耐えられるかという事もある。常に集中して勉強している状況だぞ。お前さんは家の事もあるだろう。現役は諦めて次に的を絞ろう」
――確かに……。ごもっともです……。
途端に冷静になる。スッと熱が引いて行くのを感じる。『異世界行き』という熱に浮かされ、おかしな気分になってしまっていた事を自覚する。
医大生となり、将来有望の為こちらの世界に留まる事になります。というストーリーを思い描いたのだが、そもそも学生程度では異世界行きは免れない様な気がしてきた。そして自分の頭脳を置き去りに考えてしまっていた。
――恐るべし女神……
考えの浅はかさを女神のせいにし、うーんと腕を組む。
「……センセ、とりま明日から出席する! 進路は保留で! また相談のってね! 今日は帰る!」
「お、おう。 きーつけて帰れよー……」
「さよーならー!」
ドタバタと走り出す萌香。担任は勢いに気圧され大人しく見送ってしまう。
――んんんーー! どうする~~~!もおおおおおおーーー!振り出しじゃーーーん!!!!
ヒラメキが愚である事を認識し、行き場のない感情を抱えて萌香は疾走するのでした。
――この世界に居なきゃいけない理由…… この世界に必要とされればいいのか……。
う~んと眉間に皺が寄る。
――アタシの事を必要としてもらうには…… あ、バイトリーダー目指す!? イヤ、イヤイヤイヤ。「バイトリーダー張り切ってて超ウケる」とか笑われてんしなぁ……。う~~ん。
何とか掴んだチャンスを逃すまいと思案を重ねつつ、家の近所のコンビニに寄ったりする。
――あ~あ。一年かぁ……。
「ただいまー」
と、いつものように誰も居ない家に声を投げ、手洗いうがいを済ませてリビングでコンビニ弁当を食べ始める。
家族は事故で亡くなり、萌香は一人で暮らしている。
テレビを点けても特に観はせず、ただただ異世界行き阻止を考える。
ご飯を食べ終えソファでゴロゴロとしていると、ハッと思い付く。
――そうだ!そうだ!! そうしよ!! 学校行って相談しよ!
ガバっと体を起こし、自身のヒラメキに光明を見い出し、目が輝く。
――アタシ天才じゃん! さて、お風呂入って寝よっと。
明日に向け、ウキウキと風呂場へと向かう。
――学校自体も久しぶりだな……。ちょっと不安はあるけど、未来のためにガンバルぞ!
翌日――
寝過ごしてしまった……。時計を見、深くため息を付く。「とりま、学校行くべ」と支度を始めるが、昨日の勢いはどこへやら、尻込み気味だ。
高校二年生の終わりに家族を事故で亡くしてから学校は休みがちになり、ここ最近はちっとも登校しなかった。
つるんでいた学友達も、お互いなんだか気まずさを感じ、またそんな状況にもいたたまれなくなり、グループでの連絡先は退会してしまった。「落ち着いたらまた遊ぼうゼー⭐︎」なんて元気にバイバイしてみた。
三年生になってからはほとんど登校していないので更に疎遠になってしまっている。また不登校児が突如現れた場合の教室内のなんともいえないザワザワ感は想像に難くない。そんな場所へ突撃するのはかなり勇気がいるなと、二の足を踏んでしまっている。
――そうだ。放課後間近に行って、保健室で待と。
周囲の気遣いやら興味本位の視線に辛さを感じ、時折保健室登校をしていたので教室より居やすくはある。
電車を乗り継ぎ久しぶりの学校へ着くとソサクサと保健室へと進む。
ノックをして戸を開けると、保健の先生が柔らかい眼差しを向ける。
「あら。蕪木さん、こんにちは」
「……センセー。久しぶりーですー……」
久しぶりなのでやや照れてしまう。
「病気とかしてない? 元気にしてたならいいわ。麦茶飲む?」
「飲むー!」
先生の変わらぬ態度に調子を取り戻す。
「あんね、センセ。今日進路の相談に来たの。担任と話せるかなぁ」
「あら、いいわね。ここでする? それとも教室がいいかしら。ああ、でも誰かしらくるかもだから、ちゃんと進路指導室がいいわね」
そういうと携帯端末を取り出しテキパキと用事をこなす。
「先生と連絡取れたわよ。16時に進路指導室ですって。それまではここにいらっしゃいな」
「ン。ありがトございまっス!」
ペコリと頭を下げる。
暫し保健の先生と会話を交わし「あら時間ね」と進路指導室へと促される。
「いってらっしゃい」
「ン、行ってきまーす!」
久しぶりの「いってらっしゃい」に、萌香は気分が昂まり顔もほころぶ。
――へへ。いいもんだね。
力強く進路指導室の戸を開け言い放つ。
「センセー! アタシっ 医者になりまっす!!」
「お、おぅ! そうか!」
久しぶりの教え子の宣言に面くらいながらも平静を保とうと務める担任。
「まぁ、良かった。一先ず座って。久しぶりだな」
「ハイ! なんでアタシ医者になれる大学に行きたいです!」
「そうか。そうかっ! 素晴らしいな!! 医者かぁ……」
顎に手をやり天井を仰ぐ。そんな担任を萌香は希望に満ちた顔で見ている。
「さて、まずは予備校に行った方がいいな。一浪で済むよう気張らないとな」
「エ?」
「ん?」
「エ、エ、待って待ってセンセ。アタシ浪人はしないよ!」
「お?」
「だって、浪人なんかしたらきっと――《『異世界に行くことになっちゃう』》」
萌香は途中から口をパクパクさせた。
――あれ……
担任は不思議そうに見ている。
「ちょ、ちょ、待ってセンセ。アタシ――《『一年後に異世界に行くことになっちゃうの』》」
また途中から口がパクパクするだけで音が出てこない。
――な……。 もしかして……。
「《『異世界に行くことになっちゃうの』》」
――やっぱりだ。異世界行きの事が声に出せない。
「そっかー…… そうゆーことかー……」
ガックリとうな垂れる萌香。
「大丈夫か?」
「はぁ~。センセ、ゴメンね。こっちのこと……。 とにかく現役で合格したいの!」
「あー……。 いいか。蕪木。お前の為にもハッキリ言うぞ。まず今の成績では無理です。加えて卒業も危うい状況です」
「エ!?」
「出席日数もな。卒業に向けて明日から通常登校で更に補習や補講を入れて、そこに医大の受験勉強。残念だが時間が足りない。無理をすれば行ける可能性もあるかもしれないが、蕪木自身が耐えられるかという事もある。常に集中して勉強している状況だぞ。お前さんは家の事もあるだろう。現役は諦めて次に的を絞ろう」
――確かに……。ごもっともです……。
途端に冷静になる。スッと熱が引いて行くのを感じる。『異世界行き』という熱に浮かされ、おかしな気分になってしまっていた事を自覚する。
医大生となり、将来有望の為こちらの世界に留まる事になります。というストーリーを思い描いたのだが、そもそも学生程度では異世界行きは免れない様な気がしてきた。そして自分の頭脳を置き去りに考えてしまっていた。
――恐るべし女神……
考えの浅はかさを女神のせいにし、うーんと腕を組む。
「……センセ、とりま明日から出席する! 進路は保留で! また相談のってね! 今日は帰る!」
「お、おう。 きーつけて帰れよー……」
「さよーならー!」
ドタバタと走り出す萌香。担任は勢いに気圧され大人しく見送ってしまう。
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