シブシブ異世界!!

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始まり始まり

反省するし!

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異世界行き課イセカイユキカ』の職員である眼鏡さんとファミレスに移動し、対面に座る。

「さて」
 と、眼鏡さんはメニューを見るよう手を動かす。
「経費で落としますのでご遠慮なく。お好きにどうぞ」
「あ、ありがとうござい、ます……」
 思わず付いてきてしまったが気まずさを感じており、メニューどころではない。

 そんな萌香を察し、卓上のタブレットにて注文を進める。
「とりあえずはドリンクバーにしましょう。追加はまた後で」
「あ、は、ハイっ」

「取ってきます。紅茶でいいですかね」
「は、ハイ……」

 ――あぁ、なんだか、とても恥ずかしくなってきたな……
 テキパキとこなしていく眼鏡さんを見やり、萌香は自分の行いを鑑みていた。

 またもや冷静になってくると、何故こんな事を――という気分になってくる。
「はぁぁぁ」とため息がでる。

「どうぞ」と眼鏡さんが紅茶を差し出す。
「あ、ありがとうございます!」
「さて」と話を切り出される。

「暴走しているように見受けられます」
 まっすぐに目を向けてくる。恥ずかしさから萌香は目を逸らす。
「あ~、 やっぱり、そう、ですよね~……」
 歯切れ悪く答える。

「いや~、なーんか、その~、まぁ、子供がいればなーと、なりまして……」
「……」
「あ、でもちゃんと考えて! パパを身近でとも思ったんだけど、こっちに残った時気まずいし、高校時代の担任とかも思ったんだけど、やっぱ、見知った人との浮気や不倫はメンドイかな~って…… パパ活なら手頃かな~って……」
「……」
「まぁ、今になると…… なんでパパ活にしたのかな~……とも思い始めていまして…………」
 語尾はどんどん小声になり、また俯いてしまう。

「いいですか。萌香さん」
 黙って聞いていた眼鏡さんが口を開く。
「流石に看過出来ず口を挟ませていただきます。今回の行動は愚かとしかいいようがありません。また、生まれてくる子をなんだと思っているんですか。あなたの道具ではありませんよ」
 まっすぐに萌香を見やりキッパリと言い放つ。
「ぁあ…… ハイ…… 面目次第もなく……」

 ふぅと一息つくと「まぁ、気持ちはわからなくもないですが」とポツリと呟く。
「萌香さん。どうかご自身を大切になさってください。世の中は危険がいっぱいですよ。危うい橋は渡らずに誠実に生きていただければと願います」

「ぁあ ハイ…… ホント、なんでこんな事をと…… 思っています……」
 萌香は力なく返答するが、うーん唸り、顔をあげる。
「なんか、こう、グワーって、閃いて、もおそれしかないって、ゆーふーに捕らわれるっていうか、ホントその事だけしか考えられなくなるみたいな! 後から冷静になると違うだろってなるんだけど…… なんか極端になっちゃうみたいで…… 今回のも別にパパ活でなくてもただのナンパでもいいわけだし…… あ! 別にいいわけではないんだけども! 他にやり用はあったよねってなるってゆーかー…… ……もぉ、わけわかんない……」
 ひとしきり言い終えると、また項垂れる萌香。

 萌香の発言に引っかかりを覚えた眼鏡は、頭の中を整理しようと紅茶に目を落とす。
 ――閃いて、それしか考えられなく…… 
 嫌な答えにぶち当たる。
 ――もしそれも、女神様の力であったならば……
 ――以前『お仕置き』とも言っていたな……

 目の前でしょげている萌香に心が痛む。
 異世界行きを免れる為ではあるが、彼女が懸命に努力している姿を女神様の元で見てきた。ボランティア活動に勤しみ、朗らかに笑う彼女は大変素敵であった。
 そんな彼女が短絡的思考に陥ってしまったのが残念であり何故か悔しくもあった。

 ――だが、女神様の仕業だとして、自分にはどうする事も出来ない……
 ただただ申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

「萌香さん。あなたが大変な努力を重ねている事を私は知っています」
 眼鏡は座ったままではあるがスッと姿勢を正す。
「何もお力になれず、誠に申し訳ありません」
 深々と萌香に頭を下げる。
「エ、エ、ちょ、やだやだ。 やめて下さい! 眼鏡さん何にも悪くないんだからっ……」

 ――イエ、イイエ……。 現に今この瞬間もあなたに真実を告げていない。どんなに励んでも異世界行きになるしかないという事を……

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