シブシブ異世界!!

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来たよ。異世界。

異世界だし!

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 体が宙へと引っ張り上げられ、さながらジェットコースターのような力が加わる。
 ――ヤダヤダヤダ! なになになに!! 怖い怖い怖い!!!
 ぎゅーっと目を瞑っていたが、直ぐに力が弱まり、トスンと尻もちをついた。

 ――ここは……
 辺りを見渡す萌香。辺りは薄暗く夕方か明け方か――。
 ――森? 林?
 土に草の匂いがする。やや湿り気があるので雨上がりであろうか。

「はぁぁぁぁ」と大きなため息をつく萌香。
 ――あーあ、もーーー。

 これは街の外れからスタートパターンだなと把握する。お城からスタートが良かったなぁと呟く。
「おお!召喚に応えし勇者よ! とか。王様に言われちゃってさ。あーあ……。 まずは街を目指さないとね。冒険者ギルドってやつか~。あー、あとその前に街への城門があって、そこで一悶着あったりする事もあるんだよね~。メンドイ事ないといいけど…… まぁ、勇者で無双って事だから楽勝っしょ!」

 一先ずは立ち上がり、怪我をしていないか確認する。

「え……っ 何で……?」
 萌香は自分の服装が高校時代のブレザーの制服に変わっている事に気付く。
「は!? 高校の制服じゃん。 何で…… もお卒業してるっつーの! ……コレってイタクない……? …………まぁ、可愛いからいいけど……」

 シンとしている静けさに耐えられず独りごちる萌香。――何故高校の制服なのかはさておき。

 これから夜になるのか、それとも夜が明けるのか。努めて明るく振る舞うが、これから夜となる場合、早くこの森?から抜ける必要があると感じている。また夜はきっと城門が閉ざされているであろう。

 ――急ごう……。 でもどっちに進むのが正解なのか……。

「あ!そうだ!!」
 パッと閃き途端に不安が消し飛ぶ。萌香は声高に叫ぶ。
「ステータス・オープン!!」
「…………」

 萌香はスッと息を吸い、右手を前に出す
「ステータス・オープン!!」
「………………」

 何もおこりはしない。

「は、何で…… え、ちょ、まってまって…… ステータスは……!?」
 嫌な汗が出てくるのを感じる。鼓動も早くなる。

 試しにと、お決まりの技名を叫んでみる。
「ファイヤーボール!」
「………………」

「ファイーボール!」
「………………」


 辺りは変わらずシンとしている。

「どーすんの……これ…………アイテムボックスも無い……」

 辺りはより一層暗くなってきているようだ。
「夜になる……」

 どうしようどうしようと焦り始める。兎にも角にもひらけた場所に移動したいと、生い茂る草を踏み締め歩を進める。
 よく見ると、眼前に細めの道が左右へと伸びていた。元は獣道であったのであろうか。
「助かったー…… ただ、右に行くべきか左に行くべきか……」

 目を凝らす。どうやら右への道が降りになっているようだ。
「よし。降ろう」

 不安に駆られながらも道を進む萌香。周りはよりいっそう暗さを増してくる。
「あー……  熊とか出ませんように!!」

 ――いや、待って。熊どころじゃないっ。 これってほら……! ゴブリンだ。ゴブリンだよ! こーゆー時に現れるのは!! それで犯されたりしてさ…… ヤダヤダヤダ!!!! 何もおこりませんように!!!! もおーーーーー! チートで無双はどーなってんのーーーー!!!!

 心の中で騒ぐ。熊なら音を出した方が良いのであろうが、魔物相手の場合は見つからないよう静かにしているべきだろうと萌香は思った。

 いや待てよ……と、一つの考えに行き当たる。
 ステータスも魔法もでない。勇者っぽい力も感じない。

 ――もしかして、異世界じゃないってありえる???
 ならば納得だと。思い込もうとするが、直ぐにここが地球ではない事を確信する。

 やや空がひらけてきたので見上げると月が二つ並んでいた。
 ――あーあー。ですよねー……。
 地球ではない事を確信し項垂れる。

 ――だとしたら、今の状況、マヂヤバいっ……。
 ホントに何事もおこりませんようにと強く願う萌香。

「あー…… せめて男だったら……」
 女の身では危険が倍増だと感じ、ポツリと呟く。
 すると何やら言葉が頭に浮かんできた。

 ――ん? 
 なんのこっちゃと思ったが、自然と口から発せられた。

「チトパイチトパイチンチンチン……」
 いい終わるやいなやポワンと煙に巻かれる。
 ――な、なに?
 軽く宙に浮いた感じがし、身体がぞわっとした。

 うわっとなる萌香。
 ――なに……?

 シュワっと煙は消えてゆく。どうやら自分から出ていたようだ。
 そして何だか体に違和感を感じる。
 ――んん?
 ――なんか、あれ、服が違くない??
 制服ではなくなっている事に気付く。ズボンに変わっている。

 ――いや、まってまってまって! まって!!! 服だけじゃなくない……?
 腕を伸ばし、足を見、体を捻る。

 ――体……なんか、、一回り小さくなってない???
 くるくると回ってみる萌香。頭に手をやると髪も短くなっている。

 ――んんんん? なになに? どーゆーこと???
 ハッとズボンを下げ覗き見ると、そこには見慣れぬ部品がぶら下がっていた。

 ――んーーーー!? これって!? これって! チンじゃん!! ティンティンじゃん!!! ……アタシ、 今、 男なのーーーー!????



 おかしな言葉を口にした萌香は、男の姿へと変わっていたのでした。

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