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「エメリー、お仕事お疲れ様。
 わぁ!今日も綺麗なお花。ありがとう。」

仕事を終え家に帰ると、今日も愛らしいメリンダが私の帰りを待っている。
選んだ花は無垢な恋、カーネーションだ。
なんてメリンダに似合うのだろう。

「うふふ。エメリーがいつもお花を贈ってくれるから、部屋の中が明るくて素敵だわ。」

カーネーションを生けながら微笑むメリンダが可愛らしい。
メリンダが居てくれれば部屋の中は明るくて素敵だよ。と言いたいけれど、そんな恥ずかしいこと言えないっっ!!

「エメリーどうしたの?真っ赤よ?」

顔を手で覆っても耳まで赤いのか、メリンダがクスクス笑いながら、そっと僕の耳に触れる。
柔らかな手を握ってメリンダに口付けすると、メリンダはギュッと僕に抱きついてくる。

「メリンダ、可愛い。」
「恥ずかしいわ、エメリー。」

恥ずかしがって離れようとするメリンダを、今度は僕が抱きしめる。
そんな幸せに浸っていると、メイドが部屋に入ってきて、1通の手紙を渡してきた。

「ライテール伯爵からです。」

父上から?
手紙を開けると、2日後にこの家に来るという内容だ。
なんだろう、社交シーズンでもないのに、父上が王都まで来るなんて。

「どうしたの?エメリー?」
「いや、なんか父上がこの家に来るみたいだ。」
「まあ。それじゃあおもてなしの準備をしなくちゃ。」

慌てるメリンダに2日後だよ、と伝えるとホッとして、メイドに指示を出し始めた。気がきくし、優秀な奥さんだ。

「メリンダ、打ち合わせは後にして、夕食を食べに行こう。」
「え。あ、そうね。そんなに急ぐことじゃなかったわね。じゃあ着替えてくるわ。」


このタウンハウスに元々勤めている料理人が作る料理は素朴すぎる。一度文句を言ったら、予算の範囲内で賄っていると言われた。
食費はカイエン領から出されている経費から賄うことになっているから、予算を超えるのなら自分の給料から出さなくてはならない。
なら、外食した方がいいだろう。
王都は美食の街だ。
素朴なものしか作れない料理人に洗練された料理を期待するより、街で評判の店で食べた方がずっと間違いがない。

メイドに手伝わせ、最新のスーツに着替えると、新しいドレスに着替えたメリンダをエスコートする。

「とても似合っているよ、メリンダ。」
「嬉しい。貴方も素敵よ、エメリー。」









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