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第二話:見えない猫とコンポート
2-3:やってきたパン屋は銀の狼(1)
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時刻は夕方、カフェタイムを終えて後はディナータイムの時間を待つのみ。
空は朱色に染まってもうそろそろお日様も隠れそうだ。
「はぁ……」
僕は大きなため息を一つついた。
朝はホワイトチョコと間違えてルー・ブランを食べてしまって、大失敗してしまった。美味しい朝食は食べる事ができたけど、顔から火が出るほど恥ずかしい。
ただでさえ普段からどんくさくてどじばかりだし、お世辞にも役に立っているとは言えない。
つい先日も腕が落ちやすいヴィクターに代わって荷物を持とうとしたら、思い切りドア枠に荷物をぶつけてしまった。
記憶も一向に戻る気配はないし、正直皆にとってお荷物なんじゃないかと不安になってしまう。
そんなもやもやした気持ちを抱えながらふと入り口に目を向けると、絨毯の上に紙屑が落ちているのが目に入った。
「風で飛んできちゃったのかな……」
そう思って片付けようと紙屑を拾う。
「ちわーっす! パンのお届けに……」
「ぐえっ」
カランと入店を告げるベルが鳴り、ドアが開いたのと同時に僕の背中にものすごい重量を感じる。僕は当然、重みに耐えきれずに蛙のような鳴き声をあげて地面に突っ伏してしまった。
「来たんやけど……あれ? この店の床、こんなやわかったっけか?」
「うわーっ! きょっぴー!!」
詳しくは分からない。
でもヴィクターが僕の名前を叫んだ事だけは分かった。
「なんやなんや、人踏んでたんかいな!」
ようやく僕を踏んでいる事に気づいたその人が足をどかす。
一気に体が軽くなってふらふらしていると、大きな掌が僕の目の前に差し出された。
「どんくさいやっちゃな~、おい、大丈夫か? 兄ちゃん」
見上げたそこには、銀髪碧眼の男性が僕の事をのぞき込んでいた。南の海のように透き通った、綺麗な目だ。
「す、すみません……」
慌ててその人は僕の手を掴むと、ぐいと強い力で引き起こしてくれた。
立ってみて分かる、凄い大きな人だ。背の高いアインさんと同じくらい高い。
それに、とても引き締まった体格をしている。僕を引き起こした腕を見ただけでもそれがすぐに分かった。
ベーカリーユニフォームを着ていなかったらスポーツマンかと思ってしまいそうだ。
銀髪のその人は、大きな体格に似合わない人懐っこい笑顔で片目を瞑り「かんにんや」と僕に謝った。なんだかその顔が、少しだけ犬っぽく見える。
「きょっぴー、大丈夫?」
ヴィクターが心配そうに僕の背中をさすった。重点的に踏まれたところをさすっているから、たぶん足跡がついているんだろう。
「ちょっと痛いけど、まあ大丈夫です……」
「ほんまに悪かったな。このお詫びはいずれ……そういや店長おらんの?」
謝ったかと思うと、即用件を突っ込んできた。
「えっと、どちらさまで……?」
自分のペースで突き進む銀髪の人についていけなくて、しどろもどろになりながら僕は訊ねる。
「きょっぴー、この人は……」
「ワイはエミリオ・アルジェンティっちゅーもんや。おたくの店長さんに頼まれて出来立てパンお届けにあがったんやけど?」
ヴィクターさんが言いかけたのを遮って、銀髪の人が話し始めた。どこまでも自分のペースで突き進む人らしい。
そしてエミリオと名乗った銀髪の人は、確かにフランスパンがいくつも入った番重を肩に担いでいる。
「ああ、エミリオ済まないね」
僕たちのドタバタに気づいたのか、アインさんが奥から出てきた。
「彼は向かいのパン屋の店長さんでね。うちのパンは毎日このお店から出来立てを仕入れているんだよ」
「おー、今回もぎょうさんご注文、さんきゅーですわ」
「有難う、助かるよ」
エミリオさんが番重《ばんじゅう》をテーブルに置くと、時折会話を交わしながらアインさんはその中のフランスパンを一つ一つ確認していく。
その楽しそうな雰囲気からは、二人は気心知れた間柄なんだろうという事がなんとなく感じられた。
「新人さん? 珍しいねんな」
「そうそう、うちの新規スタッフできょっぴーというんだ」
きょっぴーと呼ばれて反論しようかと思ったけれど、そんな事は出来ず、僕は普通に頭を下げる。
「よ、よろしくお願いします」
「おう、よろしゅうな! きょっぴー!!」
満足そうな顔で、エミリオさんは僕の事を「きょっぴー」と呼ぶ。そろそろ僕も自分の名前を忘れてしまいそうだ。
……本当の名前かも分からないけど。
「あの、エミリオさんて関西のご出身なんですか?」
明らかにイントネーションも話し方も違うから、さっきからとても気になっていた。見た目は完全に外国の人だから余計に凄いギャップだ。
けれど、アインさんから出た言葉は意外なものだった。
「いや、イタリア出身だよ。……彼のあの口調は、テレビドラマの適当な真似だから気にしないで」
「は、はあ……」
まさかのテレビドラマの真似。
まさかすぎる意外な理由に、それ以上僕はなんと答えていいか分からなくなってしまった。
「んじゃ、今後ともごひいきに! またな、きょっぴー!!」
最後に僕のあだ名までちゃっかり呼んで、エミリオさんは店を後にした。
……もう、きょっぴーで確定なんだな。
苦笑いしながら、僕はエミリオさんの去っていったドアを見つめた。
「そういえば……エミリオさんははアインさんがヴァンパイアだって事、知ってるんですか?」
同じように海外からやってきたであろうエミリオさんとアインさん。ヴィクターもジェドさんも海外からやってきた。
そしてエミリオさんもビストロ・ノクターンに関わり合いのある人だ。
もしかしたら、アインさんの秘密も知っているんじゃないだろうかと思った。
「ああ、勿論だよ。……なにせ彼も人狼だからね」
「えっ!?」
予想外の答えが飛んできて、思わず僕は声をあげる。
「銀色の狼になるととても美しい毛並みなんだよ。いつかそのふさふさの毛をもふもふとさせて貰うと良いよ。癒されるから」
「は、はあ」
まさかエミリオさんも人外だったなんて。人は見かけによらない……と思ったけれど、あの人懐こい笑い方。
犬みたいだなって思った僕の印象は、あながち間違いではなかったらしい。
空は朱色に染まってもうそろそろお日様も隠れそうだ。
「はぁ……」
僕は大きなため息を一つついた。
朝はホワイトチョコと間違えてルー・ブランを食べてしまって、大失敗してしまった。美味しい朝食は食べる事ができたけど、顔から火が出るほど恥ずかしい。
ただでさえ普段からどんくさくてどじばかりだし、お世辞にも役に立っているとは言えない。
つい先日も腕が落ちやすいヴィクターに代わって荷物を持とうとしたら、思い切りドア枠に荷物をぶつけてしまった。
記憶も一向に戻る気配はないし、正直皆にとってお荷物なんじゃないかと不安になってしまう。
そんなもやもやした気持ちを抱えながらふと入り口に目を向けると、絨毯の上に紙屑が落ちているのが目に入った。
「風で飛んできちゃったのかな……」
そう思って片付けようと紙屑を拾う。
「ちわーっす! パンのお届けに……」
「ぐえっ」
カランと入店を告げるベルが鳴り、ドアが開いたのと同時に僕の背中にものすごい重量を感じる。僕は当然、重みに耐えきれずに蛙のような鳴き声をあげて地面に突っ伏してしまった。
「来たんやけど……あれ? この店の床、こんなやわかったっけか?」
「うわーっ! きょっぴー!!」
詳しくは分からない。
でもヴィクターが僕の名前を叫んだ事だけは分かった。
「なんやなんや、人踏んでたんかいな!」
ようやく僕を踏んでいる事に気づいたその人が足をどかす。
一気に体が軽くなってふらふらしていると、大きな掌が僕の目の前に差し出された。
「どんくさいやっちゃな~、おい、大丈夫か? 兄ちゃん」
見上げたそこには、銀髪碧眼の男性が僕の事をのぞき込んでいた。南の海のように透き通った、綺麗な目だ。
「す、すみません……」
慌ててその人は僕の手を掴むと、ぐいと強い力で引き起こしてくれた。
立ってみて分かる、凄い大きな人だ。背の高いアインさんと同じくらい高い。
それに、とても引き締まった体格をしている。僕を引き起こした腕を見ただけでもそれがすぐに分かった。
ベーカリーユニフォームを着ていなかったらスポーツマンかと思ってしまいそうだ。
銀髪のその人は、大きな体格に似合わない人懐っこい笑顔で片目を瞑り「かんにんや」と僕に謝った。なんだかその顔が、少しだけ犬っぽく見える。
「きょっぴー、大丈夫?」
ヴィクターが心配そうに僕の背中をさすった。重点的に踏まれたところをさすっているから、たぶん足跡がついているんだろう。
「ちょっと痛いけど、まあ大丈夫です……」
「ほんまに悪かったな。このお詫びはいずれ……そういや店長おらんの?」
謝ったかと思うと、即用件を突っ込んできた。
「えっと、どちらさまで……?」
自分のペースで突き進む銀髪の人についていけなくて、しどろもどろになりながら僕は訊ねる。
「きょっぴー、この人は……」
「ワイはエミリオ・アルジェンティっちゅーもんや。おたくの店長さんに頼まれて出来立てパンお届けにあがったんやけど?」
ヴィクターさんが言いかけたのを遮って、銀髪の人が話し始めた。どこまでも自分のペースで突き進む人らしい。
そしてエミリオと名乗った銀髪の人は、確かにフランスパンがいくつも入った番重を肩に担いでいる。
「ああ、エミリオ済まないね」
僕たちのドタバタに気づいたのか、アインさんが奥から出てきた。
「彼は向かいのパン屋の店長さんでね。うちのパンは毎日このお店から出来立てを仕入れているんだよ」
「おー、今回もぎょうさんご注文、さんきゅーですわ」
「有難う、助かるよ」
エミリオさんが番重《ばんじゅう》をテーブルに置くと、時折会話を交わしながらアインさんはその中のフランスパンを一つ一つ確認していく。
その楽しそうな雰囲気からは、二人は気心知れた間柄なんだろうという事がなんとなく感じられた。
「新人さん? 珍しいねんな」
「そうそう、うちの新規スタッフできょっぴーというんだ」
きょっぴーと呼ばれて反論しようかと思ったけれど、そんな事は出来ず、僕は普通に頭を下げる。
「よ、よろしくお願いします」
「おう、よろしゅうな! きょっぴー!!」
満足そうな顔で、エミリオさんは僕の事を「きょっぴー」と呼ぶ。そろそろ僕も自分の名前を忘れてしまいそうだ。
……本当の名前かも分からないけど。
「あの、エミリオさんて関西のご出身なんですか?」
明らかにイントネーションも話し方も違うから、さっきからとても気になっていた。見た目は完全に外国の人だから余計に凄いギャップだ。
けれど、アインさんから出た言葉は意外なものだった。
「いや、イタリア出身だよ。……彼のあの口調は、テレビドラマの適当な真似だから気にしないで」
「は、はあ……」
まさかのテレビドラマの真似。
まさかすぎる意外な理由に、それ以上僕はなんと答えていいか分からなくなってしまった。
「んじゃ、今後ともごひいきに! またな、きょっぴー!!」
最後に僕のあだ名までちゃっかり呼んで、エミリオさんは店を後にした。
……もう、きょっぴーで確定なんだな。
苦笑いしながら、僕はエミリオさんの去っていったドアを見つめた。
「そういえば……エミリオさんははアインさんがヴァンパイアだって事、知ってるんですか?」
同じように海外からやってきたであろうエミリオさんとアインさん。ヴィクターもジェドさんも海外からやってきた。
そしてエミリオさんもビストロ・ノクターンに関わり合いのある人だ。
もしかしたら、アインさんの秘密も知っているんじゃないだろうかと思った。
「ああ、勿論だよ。……なにせ彼も人狼だからね」
「えっ!?」
予想外の答えが飛んできて、思わず僕は声をあげる。
「銀色の狼になるととても美しい毛並みなんだよ。いつかそのふさふさの毛をもふもふとさせて貰うと良いよ。癒されるから」
「は、はあ」
まさかエミリオさんも人外だったなんて。人は見かけによらない……と思ったけれど、あの人懐こい笑い方。
犬みたいだなって思った僕の印象は、あながち間違いではなかったらしい。
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