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第80話 頂上決戦
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俺達は屋敷の外に出て空を見上げる。
「な、何が始まるんでしょう?」
天を覆う悪魔の群れの中から、ボスと見られる一際大きな角を生やした悪魔がフルーレティの前に進み出る。
その手には巨大な鎌が握られている。
どう見ても一触即発状態だ
俺達は地上からそれを眺めている事しかできない。
「きゃー」
「なにあれ!?」
「変な所に飛ばされたと思ったら次は化け物の大群かよ!」
「もうやだ、さっきから何がどうなってるのよ!?」
ディハールの市民も異変に気付き、町中がパニックになる。
「皆さん落ち着いて。外は危険ですから家の中に避難をして下さい」
リッキー辺境伯が市民を落ちつかせようと奔走するが、市民達のパニックは収まらない。
当然だ。
もしあれだけの数の悪魔が襲ってきたら家の中に避難したところで気休めにもなりはしない。
「チェイン君、もしもの時の為に≪リプレイス≫の準備を」
「は、はい」
「他の皆は私の後ろで待機してくれ、ルッテは私と一緒に魔法障壁を張る準備を」
「分かりましたわ」
ハーゲン伯爵の指示で、全員が臨戦態勢に入る。
シズハナの見立てでは、あの悪魔一体一体がレベル100以上の強さを持つとの事だ。
そして巨大な悪魔はレベル300に相当する。
国崩級モンスターにも匹敵する。
そしてその全てが……凄まじい殺気を放っている。
俺達は固唾を飲んで成り行きを見守る。
「ふふっ……」
ん?
こんな状況で誰が笑って───
俺は声の方向を見る。
「きれい……」
マリーニャが空を覆う悪魔の群れを虚ろな目で見つめ、微笑んでいる。
明らかに様子がおかしい。
「マリーニャ……? 大丈夫か?」
しかし俺の問いかけに反応する様子はない。
「チェイン君、余所見をしている場合ではないぞ」
「は、はいっ」
俺はハーゲン伯爵に叱責され、悪魔達に視線を戻してその動きに集中する。
俺達の緊張が限界に達した時、ボス悪魔が動いた。
手に持った巨大な鎌を振り上げ、フルーレティの首を刈るように振り下ろす。
しかしその刹那、ボス悪魔の身体が一瞬にして凍りつく。
俺はこの魔法を知っている。
極限氷結魔法≪絶対零度≫だ。
続けて天が割れ、轟音と共に巨大な雷がボス悪魔の頭上に落ちる。
極限電撃魔法≪轟天雷≫だ。
そして耳を劈く様な爆音と共にボス悪魔の身体が弾け飛ぶ。
極限爆砕魔法≪混世魔王≫だ。
ボス悪魔の四肢は千切れ、身体中から体液を撒き散らしている。もはや生きているのも不思議な状態だ。
だがこれで終わりではない。
俺はフルーレティが使う極限魔法がもう一つある事を知っている。
極限炎上魔法≪滅却業炎≫。
その強大な魔力で放たれる熱線は、全てを焼き尽くす。
俺達は誰もがボス悪魔の惨たらしい最期を確信する。
しかし、その魔法が放たれる事はなかった。
ボス悪魔はボロボロの身体で跪き、首を垂れる。
それに倣うように、空を覆っていた悪魔の大群も服従のポーズを示した。
フルーレティはそれを見届けるとボス悪魔と一言二言交わした後、俺達の前に降りてきて言った。
「この地の支配者を降し、我が眷族とした。お前達に従うよう命じてある。好きなように使うと良い」
「は、はい」
「圧倒的すぎんだろ……」
力こそが魔界の掟。
フルーレティが味方になってくれた事を神に感謝せざるを得ない。
それにしても、かつてこのフルーレティを打ち破ったという勇者ってどんな化け物だったんだろうか。
フルーレティに敗れてボロぞうきんの様になっていたボス悪魔は、他の悪魔達の治癒魔法によって全快していた。
そして空から降りてくると俺達に挨拶をする。
「私はエリゴールと申します。我らの新たなる王、フルーレティ様から事情は伺いました。門の捜索については我らにお任せ下さい」
「え……俺達の言葉が分かるのか?」
「翻訳魔道具があります。今から500年程前にこの世界の人間達が作りだしたものです」
そう言って、エリゴールは懐から小さな蓄音器の様な形をした魔道具を取りだす。
どうやらこの世界の魔法は俺達の世界より遥かに発展しているようだ。
魔法珠に使われた技術も見つかるかもしれないな。
「人間の魔道具を使っているという事は、この世界では人間と悪魔は共存しているんですか?」
「我らは魔道具によって人間と意思の疎通ができるようになりましたが、主義主張の違いから争い事は絶えませんね」
でしょうね。
エリゴールは俺達に翻訳魔道具を一つ渡すと、その大きな羽をはばたかせて上空へ飛び、悪魔達に指示を飛ばす。
「お前達、この世界のどこかにあるであろう門を、草の根を分けて探し出せ!」
悪魔達は雄叫びをあげると、四方へ散らばって行った。
門については彼らに任せるとして、その間俺達にも成すべき事がある。
魔法珠や魔法鈺の製造技術を得る事だ。
この世界の人間が住む場所へ行けば何かが分かるかもしれない。
悪魔と人間が争っている以上、彼らに調査を任せる事は難しい。
俺達はエリゴールにこの世界についての情報を聞き、俺達だけで人間達の国へ行く事にした。
「な、何が始まるんでしょう?」
天を覆う悪魔の群れの中から、ボスと見られる一際大きな角を生やした悪魔がフルーレティの前に進み出る。
その手には巨大な鎌が握られている。
どう見ても一触即発状態だ
俺達は地上からそれを眺めている事しかできない。
「きゃー」
「なにあれ!?」
「変な所に飛ばされたと思ったら次は化け物の大群かよ!」
「もうやだ、さっきから何がどうなってるのよ!?」
ディハールの市民も異変に気付き、町中がパニックになる。
「皆さん落ち着いて。外は危険ですから家の中に避難をして下さい」
リッキー辺境伯が市民を落ちつかせようと奔走するが、市民達のパニックは収まらない。
当然だ。
もしあれだけの数の悪魔が襲ってきたら家の中に避難したところで気休めにもなりはしない。
「チェイン君、もしもの時の為に≪リプレイス≫の準備を」
「は、はい」
「他の皆は私の後ろで待機してくれ、ルッテは私と一緒に魔法障壁を張る準備を」
「分かりましたわ」
ハーゲン伯爵の指示で、全員が臨戦態勢に入る。
シズハナの見立てでは、あの悪魔一体一体がレベル100以上の強さを持つとの事だ。
そして巨大な悪魔はレベル300に相当する。
国崩級モンスターにも匹敵する。
そしてその全てが……凄まじい殺気を放っている。
俺達は固唾を飲んで成り行きを見守る。
「ふふっ……」
ん?
こんな状況で誰が笑って───
俺は声の方向を見る。
「きれい……」
マリーニャが空を覆う悪魔の群れを虚ろな目で見つめ、微笑んでいる。
明らかに様子がおかしい。
「マリーニャ……? 大丈夫か?」
しかし俺の問いかけに反応する様子はない。
「チェイン君、余所見をしている場合ではないぞ」
「は、はいっ」
俺はハーゲン伯爵に叱責され、悪魔達に視線を戻してその動きに集中する。
俺達の緊張が限界に達した時、ボス悪魔が動いた。
手に持った巨大な鎌を振り上げ、フルーレティの首を刈るように振り下ろす。
しかしその刹那、ボス悪魔の身体が一瞬にして凍りつく。
俺はこの魔法を知っている。
極限氷結魔法≪絶対零度≫だ。
続けて天が割れ、轟音と共に巨大な雷がボス悪魔の頭上に落ちる。
極限電撃魔法≪轟天雷≫だ。
そして耳を劈く様な爆音と共にボス悪魔の身体が弾け飛ぶ。
極限爆砕魔法≪混世魔王≫だ。
ボス悪魔の四肢は千切れ、身体中から体液を撒き散らしている。もはや生きているのも不思議な状態だ。
だがこれで終わりではない。
俺はフルーレティが使う極限魔法がもう一つある事を知っている。
極限炎上魔法≪滅却業炎≫。
その強大な魔力で放たれる熱線は、全てを焼き尽くす。
俺達は誰もがボス悪魔の惨たらしい最期を確信する。
しかし、その魔法が放たれる事はなかった。
ボス悪魔はボロボロの身体で跪き、首を垂れる。
それに倣うように、空を覆っていた悪魔の大群も服従のポーズを示した。
フルーレティはそれを見届けるとボス悪魔と一言二言交わした後、俺達の前に降りてきて言った。
「この地の支配者を降し、我が眷族とした。お前達に従うよう命じてある。好きなように使うと良い」
「は、はい」
「圧倒的すぎんだろ……」
力こそが魔界の掟。
フルーレティが味方になってくれた事を神に感謝せざるを得ない。
それにしても、かつてこのフルーレティを打ち破ったという勇者ってどんな化け物だったんだろうか。
フルーレティに敗れてボロぞうきんの様になっていたボス悪魔は、他の悪魔達の治癒魔法によって全快していた。
そして空から降りてくると俺達に挨拶をする。
「私はエリゴールと申します。我らの新たなる王、フルーレティ様から事情は伺いました。門の捜索については我らにお任せ下さい」
「え……俺達の言葉が分かるのか?」
「翻訳魔道具があります。今から500年程前にこの世界の人間達が作りだしたものです」
そう言って、エリゴールは懐から小さな蓄音器の様な形をした魔道具を取りだす。
どうやらこの世界の魔法は俺達の世界より遥かに発展しているようだ。
魔法珠に使われた技術も見つかるかもしれないな。
「人間の魔道具を使っているという事は、この世界では人間と悪魔は共存しているんですか?」
「我らは魔道具によって人間と意思の疎通ができるようになりましたが、主義主張の違いから争い事は絶えませんね」
でしょうね。
エリゴールは俺達に翻訳魔道具を一つ渡すと、その大きな羽をはばたかせて上空へ飛び、悪魔達に指示を飛ばす。
「お前達、この世界のどこかにあるであろう門を、草の根を分けて探し出せ!」
悪魔達は雄叫びをあげると、四方へ散らばって行った。
門については彼らに任せるとして、その間俺達にも成すべき事がある。
魔法珠や魔法鈺の製造技術を得る事だ。
この世界の人間が住む場所へ行けば何かが分かるかもしれない。
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