私、家出するけどちゃんと探してよね!

スーパー・ストロング・マカロン

文字の大きさ
20 / 275
帰国した妹はお姉ちゃんと瓜二つ

19

しおりを挟む
「ここから見る夕陽が素敵だね。あたしめっちゃ気に入ったわ。」

セラはベランダの手すりに腕を乗せて頬杖をついている。

「やっぱ我が妹ね。私も引越して来たばかりの時、夕焼けの美しさにうっとりしたよ。」

「へぇ~姉貴もか。そん時、お義兄さんは?」

「ウミは引越し作業でくたびれて、コーラ飲んでたっけな。」

ソラも窓際までやってきた。
時折、風が入りレースカーテンがソラの顔を覆う。

「あはは。話を聞いているだけで愉快な気持ちになってきた。
姉貴達の幸せな家庭をイメージしちゃってさ。」

レースカーテンを開いてベランダまで出て行きソラは何も言わずセラの肩に優しく腕を回した。
夏の黄昏は若く美しい姉妹の将来をずっと見守るように夜の訪れを拒んでいる。

セラは駅から歩いてくる会社員や学生の集団を見てウミの事を考えた。

「普段通りならそろそろウミが帰宅する時間だわ。
お料理の準備しちゃうね。」

「あたしも手伝う。」

「お夕食はハンバーグだよ。」

「ハンバーグ大好き!」

仲良し姉妹はキッチンへ向かった。

カチ、カチ、カチ

遅いなぁ。あの一件以降、ちゃんと連絡くれるようになったのに。
ソラはハンバーグの表面を焼きながらキッチンに置いてある、やたらと秒針を刻む音がうるさい時計を見て思った。


午前中、ソラが綺麗に掃除した換気扇は姉妹の作る料理から出る煙を吸い込んでいく。


テーブルには3人分のサラダが添えられたデミグラスソースのハンバーグとコーンスープ、マカロニ・チーズが並んだ。

「食欲をそそるいい匂い。やっぱ奥様はさすがです!」

妹のセラはお祈りをするようなポーズをして品よく話した。

「やめてよぉ、セラも手伝ってくれたじゃない。感謝してるんだから。」

セラもカチカチうるさい時計を見て言った。

「お義兄さんちょっと遅いね。電話してみたら?」

「そうね。ウミからもかかってこないしね。
ったくあれほど言ったのに!」

ソラは連絡をいれたが繋がらない。
1回目の電話から5分間、間隔をあけてソラは連絡をいれたがまたしても繋がらなかった。

「もうちょっと待ってみる?あたしは大丈夫だよ。」

「ダメ!もう9時だよ。
これ以上、待つ必要なんかないわ。先に食べちゃおう。
セラだってお腹が空いているはずよ。
私もペコペコだもの。
ウミには、こないだよりハードなお返しをしなきゃね。」

「カンチョー?」

セラは悪戯っ子な表情を浮かべてソラに聞いた。

「カンチョー100発…んー、それだけでは甘いわ。
あっそうそう、前にやって苦しめた"くすぐりの刑"ね!
あれのロングバージョン。」

姉妹は美味しい食事を終えた後も夫のウミとは一向に連絡がつかなかった。
























しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。

蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。 これで、貴方も私も自由です。 ……だから、もういいですよね? 私も、自由にして……。 5年後。 私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、 親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、 今日も幸せに子育てをしています。 だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。 私のことは忘れて……。 これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。 はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?

前世で孵した竜の卵~幼竜が竜王になって迎えに来ました~

高遠すばる
恋愛
エリナには前世の記憶がある。 先代竜王の「仮の伴侶」であり、人間貴族であった「エリスティナ」の記憶。 先代竜王に真の番が現れてからは虐げられる日々、その末に追放され、非業の死を遂げたエリスティナ。 普通の平民に生まれ変わったエリスティナ、改めエリナは強く心に決めている。 「もう二度と、竜種とかかわらないで生きていこう!」 たったひとつ、心残りは前世で捨てられていた卵から孵ったはちみつ色の髪をした竜種の雛のこと。クリスと名付け、かわいがっていたその少年のことだけが忘れられない。 そんなある日、エリナのもとへ、今代竜王の遣いがやってくる。 はちみつ色の髪をした竜王曰く。 「あなたが、僕の運命の番だからです。エリナ。愛しいひと」 番なんてもうこりごり、そんなエリナとエリナを一身に愛する竜王のラブロマンス・ファンタジー!

転生皇女セラフィナ

秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。 目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。 赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。 皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。 前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。 しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。 一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。 「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」 そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。 言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。 それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。 転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。 ※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。

子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました

もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました

iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

王太子妃専属侍女の結婚事情

蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。 未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。 相手は王太子の側近セドリック。 ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。 そんな二人の行く末は......。 ☆恋愛色は薄めです。 ☆完結、予約投稿済み。 新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。 ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。 そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。 よろしくお願いいたします。

人質姫と忘れんぼ王子

雪野 結莉
恋愛
何故か、同じ親から生まれた姉妹のはずなのに、第二王女の私は冷遇され、第一王女のお姉様ばかりが可愛がられる。 やりたいことすらやらせてもらえず、諦めた人生を送っていたが、戦争に負けてお金の為に私は売られることとなった。 お姉様は悠々と今まで通りの生活を送るのに…。 初めて投稿します。 書きたいシーンがあり、そのために書き始めました。 初めての投稿のため、何度も改稿するかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。 小説家になろう様にも掲載しております。 読んでくださった方が、表紙を作ってくださいました。 新○文庫風に作ったそうです。 気に入っています(╹◡╹)

ヤンキー、悪役令嬢になる

山口三
恋愛
岸田和華(きしだわか)は異世界に飛ばされた。自分が読んでいた小説の悪役令嬢ジュリエットに憑依してしまったのだ。だが和華は短気でガサツで、中学高校と番を張ってたヤンキーだ。高貴な身分の貴族令嬢なんてガラじゃない。「舞踏会でダンス? 踊りなんて盆踊りしか知らないからっ」 一方、リアル世界に残された和華の中にはジュリエットが入っていて・・。

処理中です...