私、家出するけどちゃんと探してよね!

スーパー・ストロング・マカロン

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ソラが女子高校生だった頃。標的にされたソラ

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「お姉ちゃん、早くお風呂に入ってきなさい。」

夕食後、部屋に閉じこもっていたソラは母に呼ばれて渋々、着替えを持って一階にある浴室へ向かった。

「いつもなら返事をするのに、どうも様子がおかしいわ。学校でなにかあったのかしら。」

母はソラが夕食で振る舞った大好物のハンバーグを残していた事にも疑問を持っていた。



ソラはシャワーで身体を洗った後、湯船に浸かった。

チャポン

母が柑橘かんきつ系の入浴剤を浴槽に入れておいてくれていた。
とても良い香りがバスルームを包み、しばしの癒し空間になっている。

「あぁ、疲れた1日だったなぁ。走ってばかりで足がパンパン…。」

ふくらはぎ、太ももを温かい湯船に浸かりながら優しくマッサージをした。

「明日も砂城院かつらは、私の素顔を見ようと狙ってくるに決まってるよぉ…。私は素顔でも襲われるし顔を隠しても襲われてしまう。いったいどうすればいいの?」

ソラは浴槽から上がり、バスチェアに座ってシャンプーをしている。

湯気やお湯で鏡が曇って自分の顔や身体がボヤけて見える。
このお風呂の鏡に映る自分の姿のように、外からはボヤけて見えづらい存在になりたい。

トリートメントを洗い流して、ボディーソープで身体を洗う際、左足の甲に痛みが走った。
シャワーの水圧がもろに幹部に当たってしまっていた。

「うぅ痛いっ!」

骨折するほどの重症ではないが砂城院に踏んづけられて青く腫れてあざになっている。

「なぜ私はここまでやられなきゃいけないのよぉ。」

腹が立ってプロ野球のピッチャーが振りかぶるようにシャワーヘッドから流れてくる湯を鏡にかけた。

ザザァッ

ソラの怒った顔と吸い付くような白い肌、マシュマロのような乳房が鏡に映る。

数秒経って、すぐに顔も乳房もボヤけて見えなくなった。

「お姉ちゃん、今夜は随分長風呂ね?のぼせないかしら?」

新生活で何か不安を抱えているのではと、ソラを心配した母が脱衣所から声をかけた。

「ううん…。のぼせてなんかいないよ。大丈夫だから心配しないで。」

「そう…。」

ソラはバスルームを出て、タオルで全身の水気を拭いてクマがプリントされたパジャマに着替えた。
ドライヤーで美しい黒髪を乾かし終わったのを見計らったように、また母が脱衣所にやってきて「パパから話があるみたい」と言った。

リビングに行くと父は4人掛けのソファに座ってテレビのニュース番組を観ていた。

「そこに座って。」

父に言われるがまま、ソラは父から1番端のソファに座り肘掛けに腕を置いた。

「今日が初日だったわけだが新生活はどうだい?」

父は視線をテレビからソラに向けた。

「普通、かな。」

ソラは咄嗟とっさにパジャマの袖で口元を隠した。

「ははは。普通か。普通は良い事だ。パパも高校生の頃は普通だったんだ。
特別な事もなく、ぼんやりとした三年間が過ぎ去っていったよ。」

ソラは黙っていた。

お盆を持った母が氷の入った麦茶を持ってきた。

「お姉ちゃん、お風呂上がりで喉が渇いたでしょ?」

母がダークブラウンのテーブルにソラが愛用しているクマのマグカップを置いた。

「ありがとう。ママ。」

カランカラン

マグカップの中で六つ入った氷が、小さな泡を放出させ、互いに重なり合って弾けたり沈んだりしている。

ソラは父と話す事がなく黙ってマグカップの中を見ていた。




































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