279 / 785
第二部 宰相閣下の謹慎事情
363 好奇心はほどほどに
しおりを挟む
※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
スヴェンテ公爵邸訪問の件は後で話そうと言われ、夕食の後、入浴や着替えを済ませた所で、エドヴァルドの部屋へと向かった。
続き扉を塞いでいる意味が、最近ない…と言うかすっかり形骸化している気がする。
ヨンナ曰く「それでも、今元に戻せばなし崩しになります」との事なので、最近は二人で交互に部屋を行ったり来たりしている日々が続いている。
少なくとも、バリエンダールに行って、帰って来るまではこの状況が続きそうだ。
「え、明後日なんですか⁉」
私の言葉に、水差しを持って来てくれていたヨンナも、ちょっと柳眉を逆立てていた。
…うん。フォルシアン公爵家のユティラ嬢からのお茶会への招待を除いては、明らかに礼儀作法を無視した会ばかりが開かれているものね。
エドヴァルドも、チラッとヨンナを見た後「ただの社交なら礼儀作法も弁えるが……」と、分かっていると言った言い方をしていた。
「恐らく明日には、バリエンダール王家からの訪問日時の指定連絡が王宮に届くだろう。今回は封書のみで、中身も起きた事実しか書かれていなかったとなれば、一刻も早くテオドル大公に事情を説明しに来て欲しいとなる筈だ」
「なるほど……敢えて詳細を書かないやり方を選んだんですね?」
「起きた事をそのまま書いたとて、貴女は信じるか?」
「………」
的確すぎるエドヴァルドの返しに、私は何も言えなくなった。
王子二人に王女一人。まさかそれぞれにアンジェス国内で揉め事を起こしたなどと、普通の神経ならまずアンジェス側からの謀略を疑うだろう。
それこそ、テオドル「大公」くらいの証言があって、初めて信じるかどうかと言ったレベルの話だ。
「今回は、社交ではなく緊急案件となるから、返信が届く日から3日以内の日時が記載されていたとしてもおかしくない。そうなると、スヴェンテ老公とミカを会わせるのは明後日くらいまでがギリギリになる。スヴェンテ老公も納得ずくで決まった事だ」
イデオン公爵領傘下の次期伯爵を、エドヴァルド抜きでスヴェンテ家に招くとなれば、いらぬ憶測を呼ぶだろう事は想像に難くない。
なるほどスヴェンテ老公爵に「諦める」と言う選択肢がないのなら、明後日あたりがタイムリミットなのかも知れない。
そしてミカ君は、私の同行も希望した。
無意識かも知れないけど、庇護者であるエドヴァルドだけではなく、次期ハルヴァラ伯爵も認めているのが私だと、対スヴェンテ老公を含めて、王宮の内外にさりげなく知らしめようとしてくれているんだと思う。
ミカ君の中に、自分の一挙手一投足が、次期ハルヴァラ伯爵としての評価に繋がるとの自覚が育ちつつあって、多分ウルリック副長あたりが、今回の王都滞在を通して、さりげなく教導している。
だからエドヴァルドも、最後には折れたのだ。
「あぁ…ミカ君の成長が嬉しいやら哀しいやら……」
「このまま成長するようなら、スヴェンテ老公が先々縁談を持ちかけてくる可能性もあるな。次期スヴェンテ公爵となるリオルは、まだ4歳。2学年違えど、もしかしたら学園での学友狙いで紹介はしてくるだろうし、3年以内くらいにリオルに妹でも出来れば、確実にミカが相手として対象になるだろうよ。伯爵家と公爵家と言えど、ミカは次期当主だ。白磁器の更なる発展が加わったりなどすれば、スヴェンテ側も誰も反対すまい」
「!」
ちょっとした愚痴のつもりが、まさかのガチの将来展望。
高位貴族の世知辛さを、こんなところで痛感させられる。
「せめて恋愛に発展して欲しいと思うのは甘いんでしょうか……ああ、いえ、まだ生まれてもいない他家の女の子の話をしてもしょうがないんでしょうけど……」
いや、とエドヴァルドが片手を振った。
「確かに、生まれてもいない子との将来を考えるのも、先走り過ぎだな。可能性の話として、頭の片隅に残しておくくらいで、ちょうど良いだろう。そもそも、ミカは〝ロッピア〟以降、複数の貴族家に『次期伯爵』として認知された。スヴェンテでなくとも、あと何年かすれば縁談が殺到する筈だ。よく考える様に、予めチャペックあたりには伝えておく必要があるだろうな」
「……ちなみに、エドヴァルド様」
「ああ」
「純粋に、ただただ疑問なんですけど、学園の中で、先々おかしな女性に引っかからない様、あれこれ伝授してくれると言う『裏の科目』があるって、本当なんですか?」
「―――」
その瞬間、エドヴァルドの顔からごっそりと表情が抜け落ち――否、日頃の鉄壁無表情に拍車がかかって空気が冷えた。
……どうやら聞き方を間違えたっぽかった。
「レイナ。…どこでそんな話を?」
「……ワスレマシタ」
うん。
多分ボードリエ家で聞いた様な気はするけど、きっとコレは、思い出さない方が世の中平和だ。
――好奇心は身を滅ぼす。
日本の格言って、疎かに出来ないモノなんだな……。
「そ…そう言えば、スヴェンテ公爵邸の庭園が、凄く有名なんですよね⁉︎季節ごとに咲く花がそれぞれ凄いって」
誰が聞いても強引に過ぎる話題の転換だとは思ったけど、エドヴァルドはため息一つで、深く追求しないでいてくれた。
「リオルが成人するまでは、派手な社交は慎むとして、庭園の開放はしないつもりの様だが、フォルシアン公爵が確か、婚約者時代のエリサベト夫人を初めて誘ったのがその庭園だと、昔散々惚気られた覚えがある」
「な、なるほど」
「今回は、老公とミカが話をするところに、私や貴女を同席させたくないが為の妥協、その日その時間限りの臨時開放と言う扱いで庭園を開けるようだ。――花は好きか?」
最後、思ってもいなかった事を聞かれて、思わず答えに詰まってしまった。
「……考えた事なかったです」
「……私に言えた義理でもないが、考えて答えを出す物ではない気がするが」
「大学――学園に入学した時に、門の近くに咲いていた桜――花なんですけど、それを見た時には凄く感動したんです。ただそれって、花より状況に感動したとも言えるでしょうし、だからと言って嫌いとは言えないし……面倒なコト言ってますね。概ね好き、で良いんじゃないでしょうか。むしろこの公爵邸とシーカサーリ王立植物園以外で見る花は初めてになる訳ですし、楽しみの方が大きいかも知れませんね」
これから好きな花を作ってみましょうか、と微笑う私に、エドヴァルドも「…それは良いな」と、淡く微笑い返してくれた。
「では、季節が変わるごとにスヴェンテの庭園を訪ねさせて貰う事にしようか。都度、気に入った花が見つかれば私に教えてくれ。可能な限りこの公爵邸にも取り入れて行こう。――まずは明後日からだな」
「はい。そうしますね」
その後、エドヴァルドの部屋を辞したヨンナは、セルヴァンに「あれでは急な他家への訪問を、とても責められない」と、複雑な内心を吐露していたとの事だった……。
スヴェンテ公爵邸訪問の件は後で話そうと言われ、夕食の後、入浴や着替えを済ませた所で、エドヴァルドの部屋へと向かった。
続き扉を塞いでいる意味が、最近ない…と言うかすっかり形骸化している気がする。
ヨンナ曰く「それでも、今元に戻せばなし崩しになります」との事なので、最近は二人で交互に部屋を行ったり来たりしている日々が続いている。
少なくとも、バリエンダールに行って、帰って来るまではこの状況が続きそうだ。
「え、明後日なんですか⁉」
私の言葉に、水差しを持って来てくれていたヨンナも、ちょっと柳眉を逆立てていた。
…うん。フォルシアン公爵家のユティラ嬢からのお茶会への招待を除いては、明らかに礼儀作法を無視した会ばかりが開かれているものね。
エドヴァルドも、チラッとヨンナを見た後「ただの社交なら礼儀作法も弁えるが……」と、分かっていると言った言い方をしていた。
「恐らく明日には、バリエンダール王家からの訪問日時の指定連絡が王宮に届くだろう。今回は封書のみで、中身も起きた事実しか書かれていなかったとなれば、一刻も早くテオドル大公に事情を説明しに来て欲しいとなる筈だ」
「なるほど……敢えて詳細を書かないやり方を選んだんですね?」
「起きた事をそのまま書いたとて、貴女は信じるか?」
「………」
的確すぎるエドヴァルドの返しに、私は何も言えなくなった。
王子二人に王女一人。まさかそれぞれにアンジェス国内で揉め事を起こしたなどと、普通の神経ならまずアンジェス側からの謀略を疑うだろう。
それこそ、テオドル「大公」くらいの証言があって、初めて信じるかどうかと言ったレベルの話だ。
「今回は、社交ではなく緊急案件となるから、返信が届く日から3日以内の日時が記載されていたとしてもおかしくない。そうなると、スヴェンテ老公とミカを会わせるのは明後日くらいまでがギリギリになる。スヴェンテ老公も納得ずくで決まった事だ」
イデオン公爵領傘下の次期伯爵を、エドヴァルド抜きでスヴェンテ家に招くとなれば、いらぬ憶測を呼ぶだろう事は想像に難くない。
なるほどスヴェンテ老公爵に「諦める」と言う選択肢がないのなら、明後日あたりがタイムリミットなのかも知れない。
そしてミカ君は、私の同行も希望した。
無意識かも知れないけど、庇護者であるエドヴァルドだけではなく、次期ハルヴァラ伯爵も認めているのが私だと、対スヴェンテ老公を含めて、王宮の内外にさりげなく知らしめようとしてくれているんだと思う。
ミカ君の中に、自分の一挙手一投足が、次期ハルヴァラ伯爵としての評価に繋がるとの自覚が育ちつつあって、多分ウルリック副長あたりが、今回の王都滞在を通して、さりげなく教導している。
だからエドヴァルドも、最後には折れたのだ。
「あぁ…ミカ君の成長が嬉しいやら哀しいやら……」
「このまま成長するようなら、スヴェンテ老公が先々縁談を持ちかけてくる可能性もあるな。次期スヴェンテ公爵となるリオルは、まだ4歳。2学年違えど、もしかしたら学園での学友狙いで紹介はしてくるだろうし、3年以内くらいにリオルに妹でも出来れば、確実にミカが相手として対象になるだろうよ。伯爵家と公爵家と言えど、ミカは次期当主だ。白磁器の更なる発展が加わったりなどすれば、スヴェンテ側も誰も反対すまい」
「!」
ちょっとした愚痴のつもりが、まさかのガチの将来展望。
高位貴族の世知辛さを、こんなところで痛感させられる。
「せめて恋愛に発展して欲しいと思うのは甘いんでしょうか……ああ、いえ、まだ生まれてもいない他家の女の子の話をしてもしょうがないんでしょうけど……」
いや、とエドヴァルドが片手を振った。
「確かに、生まれてもいない子との将来を考えるのも、先走り過ぎだな。可能性の話として、頭の片隅に残しておくくらいで、ちょうど良いだろう。そもそも、ミカは〝ロッピア〟以降、複数の貴族家に『次期伯爵』として認知された。スヴェンテでなくとも、あと何年かすれば縁談が殺到する筈だ。よく考える様に、予めチャペックあたりには伝えておく必要があるだろうな」
「……ちなみに、エドヴァルド様」
「ああ」
「純粋に、ただただ疑問なんですけど、学園の中で、先々おかしな女性に引っかからない様、あれこれ伝授してくれると言う『裏の科目』があるって、本当なんですか?」
「―――」
その瞬間、エドヴァルドの顔からごっそりと表情が抜け落ち――否、日頃の鉄壁無表情に拍車がかかって空気が冷えた。
……どうやら聞き方を間違えたっぽかった。
「レイナ。…どこでそんな話を?」
「……ワスレマシタ」
うん。
多分ボードリエ家で聞いた様な気はするけど、きっとコレは、思い出さない方が世の中平和だ。
――好奇心は身を滅ぼす。
日本の格言って、疎かに出来ないモノなんだな……。
「そ…そう言えば、スヴェンテ公爵邸の庭園が、凄く有名なんですよね⁉︎季節ごとに咲く花がそれぞれ凄いって」
誰が聞いても強引に過ぎる話題の転換だとは思ったけど、エドヴァルドはため息一つで、深く追求しないでいてくれた。
「リオルが成人するまでは、派手な社交は慎むとして、庭園の開放はしないつもりの様だが、フォルシアン公爵が確か、婚約者時代のエリサベト夫人を初めて誘ったのがその庭園だと、昔散々惚気られた覚えがある」
「な、なるほど」
「今回は、老公とミカが話をするところに、私や貴女を同席させたくないが為の妥協、その日その時間限りの臨時開放と言う扱いで庭園を開けるようだ。――花は好きか?」
最後、思ってもいなかった事を聞かれて、思わず答えに詰まってしまった。
「……考えた事なかったです」
「……私に言えた義理でもないが、考えて答えを出す物ではない気がするが」
「大学――学園に入学した時に、門の近くに咲いていた桜――花なんですけど、それを見た時には凄く感動したんです。ただそれって、花より状況に感動したとも言えるでしょうし、だからと言って嫌いとは言えないし……面倒なコト言ってますね。概ね好き、で良いんじゃないでしょうか。むしろこの公爵邸とシーカサーリ王立植物園以外で見る花は初めてになる訳ですし、楽しみの方が大きいかも知れませんね」
これから好きな花を作ってみましょうか、と微笑う私に、エドヴァルドも「…それは良いな」と、淡く微笑い返してくれた。
「では、季節が変わるごとにスヴェンテの庭園を訪ねさせて貰う事にしようか。都度、気に入った花が見つかれば私に教えてくれ。可能な限りこの公爵邸にも取り入れて行こう。――まずは明後日からだな」
「はい。そうしますね」
その後、エドヴァルドの部屋を辞したヨンナは、セルヴァンに「あれでは急な他家への訪問を、とても責められない」と、複雑な内心を吐露していたとの事だった……。
1,066
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
事情があってメイドとして働いていますが、実は公爵家の令嬢です。
木山楽斗
恋愛
ラナリアが仕えるバルドリュー伯爵家では、子爵家の令嬢であるメイドが幅を利かせていた。
彼女は貴族の地位を誇示して、平民のメイドを虐げていた。その毒牙は、平民のメイドを庇ったラナリアにも及んだ。
しかし彼女は知らなかった。ラナリアは事情があって伯爵家に仕えている公爵令嬢だったのである。
平民の娘だから婚約者を譲れって? 別にいいですけど本当によろしいのですか?
和泉 凪紗
恋愛
「お父様。私、アルフレッド様と結婚したいです。お姉様より私の方がお似合いだと思いませんか?」
腹違いの妹のマリアは私の婚約者と結婚したいそうだ。私は平民の娘だから譲るのが当然らしい。
マリアと義母は私のことを『平民の娘』だといつも見下し、嫌がらせばかり。
婚約者には何の思い入れもないので別にいいですけど、本当によろしいのですか?
お前は家から追放する?構いませんが、この家の全権力を持っているのは私ですよ?
水垣するめ
恋愛
「アリス、お前をこのアトキンソン伯爵家から追放する」
「はぁ?」
静かな食堂の間。
主人公アリス・アトキンソンの父アランはアリスに向かって突然追放すると告げた。
同じく席に座っている母や兄、そして妹も父に同意したように頷いている。
いきなり食堂に集められたかと思えば、思いも寄らない追放宣言にアリスは戸惑いよりも心底呆れた。
「はぁ、何を言っているんですか、この領地を経営しているのは私ですよ?」
「ああ、その経営も最近軌道に乗ってきたのでな、お前はもう用済みになったから追放する」
父のあまりに無茶苦茶な言い分にアリスは辟易する。
「いいでしょう。そんなに出ていって欲しいなら出ていってあげます」
アリスは家から一度出る決心をする。
それを聞いて両親や兄弟は大喜びした。
アリスはそれを哀れみの目で見ながら家を出る。
彼らがこれから地獄を見ることを知っていたからだ。
「大方、私が今まで稼いだお金や開発した資源を全て自分のものにしたかったんでしょうね。……でもそんなことがまかり通るわけないじゃないですか」
アリスはため息をつく。
「──だって、この家の全権力を持っているのは私なのに」
後悔したところでもう遅い。
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。