681 / 785
第三部 宰相閣下の婚約者
722 wktk――は、まだ通じる?
しおりを挟む
「……二人とも視線はそのまま、テーブルの下で片手出せ」
私とシャルリーヌが座ったか座らないかと言うタイミングで、背後からファルコの声が聞こえてきた。
どうやら護衛騎士の恰好をしつつ、フィトからの「伝言」を聞いたのか、こっちに慌ててやって来たように見えた。
「ファルコ、言い方」
慣れている私はともかく、さすがにシャルリーヌがちょっと戸惑っているので、私が「大丈夫」と言う意味もこめて頷いてあげた。
言われた通りに明後日の方向を向いた状態で片手だけをテーブルの下で広げると、私とシャルリーヌそれぞれの手に、雫型で手のひらサイズのガラスの小瓶が転がった。
「念のため、ナシオに少しだけ作らせた。お館様にも渡してある。アンタらのテーブルとお館様のテーブルは除外と聞いちゃいるが、物事に絶対なんてものはないからな」
チラッとだけ視線を落とせば、小瓶の中には少量の液体がユラユラと揺らめいている。
コレはどうやら、名称未定の毒の無効化薬をナシオが臨時でまた作ったのかと、私は一連の場の流れから読み取った。
「え、これだけなら他の誰かに預けても良かった――」
「何言ってんだ。そもそも俺に何か用があったんだろうが」
ファルコの声色が、やや硬い。
あぁ……と、私も混ぜ返すことはせずに頷いた。
「フィトから何か聞いた?」
「とりあえず黙って見守れ、と」
うん、フィト、どう足搔いてもそれ以上は問い詰められないと言う、簡潔にして的を射た指示だね。
私はいっそ感心してしまった。
「うん、そうだね。多分シュタムの銀に関係した話が陛下からあるんじゃないか……って予想なんだけど、詳しいことは陛下の胸の中にしかないから、だから『黙って見守れ』って話なんだと思うよ」
「それは……」
「多分ね? 多分の話なんだけど、今年の病人の情報があるんじゃないかと思ってるの。フィトに表向きの仕事を頼んでおいて、裏で〝草〟か護衛騎士の誰かが探ってた――とか? だからとにかく、その辺りが詳らかになるまで、事態を見守る方向でいこうかと」
私の視界に、強く握りしめられたファルコの拳が見えていたけれど、今は敢えて気付かないフリを通すことにした。
フィトは疑わしき病人を目撃しただけだし、アルノシュト伯爵邸内にある茶葉を探す名目で同行したであろう〝草〟や護衛騎士を探して問い詰めようにも、恐らくは陛下の「タネ明かし」を大人しく待っている方が話が早い。
きっとファルコも、それには気が付いたんだろう。結果的に、今は何もしない方が話が早いと。
だから拳を握りしめることで、何とか自分を納得させようとしている。
「分かった。じゃあ俺はその壁の近くで――」
「――あ、あんまり近付くと害獣駆除の罠にかかった第一号になっちゃうから、待機するなら別の場所の方がいいよ」
ファルコの言う「その壁」が、私には「壁」と認識出来ていない場所を指していると、気付いた私は慌ててファルコを止めた。
「は?」
「え?」
どうやら害獣駆除用の罠に関しては、シャルリーヌも初耳だったのか、目が薬の瓶から私の方へと勢いよく動いていた。
「あれ? シャーリー、もしかして何も聞いてない?」
私が分からないなりに壁のある方向をちょいちょいと指さすと、シャルリーヌには恐らく「壁」に見えているのだろう。「ああ……」と、何かを思い出そうとするかのように小首を傾げていた。
「認識阻害の話は陛下から聞いているわ。場の混乱を招くから近付かないようにと」
「それだけ?」
「それだけ、って……ええっと何だったか……ああ、そう言えば『貴女は姉君とは違ってあまり予測不可能な行動はとらないだろうから、あとの話は当日本人に聞いて貰いたい』とか何とか言ってたかも」
前回〝転移扉〟のメンテナンスに来た時に、慌ただしくそれだけを言い置いて管理部の部長や医局長とどこかに行ってしまったのだと言う。
(陛下、それはちょっとヒドい……)
それは何、私が常に予測不可能な行動をとっているとでも⁉
よりによって現在やりたい放題のサイコパスな陛下サマにそれを言われるとは! と、私は内心で地味にショックを受けながらシャルリーヌの呟きを聞いていた。
「あ……そう……まあとりあえず、ファルコをあまりここに立たせておけないから今はざっくりとしか言わないけど、そこの壁もどきのすぐ裏に、害獣駆除用の罠が点々と置いてあるから、巻き込まれに気を付けてね」
最後ちょっと投げやりだったかも知れないけど、そこは見逃して欲しい。
シャルリーヌは教育を受けた淑女らしく微かに目を瞠っているだけだったけど、ファルコは明らかに「は?」と、再度声が出ていた。
「ちょっと、そこの護衛騎士サマはお静かに」
「ちっ……ってか、今度は誰を吹っ飛ばす気なんだよ」
「いや、私を前提にしないで? 今回置いたのは管理部の皆さんなんだから」
いつまでも護衛騎士が茶会の招待客のテーブルに貼り付いているわけにもいかないだろうに。
とりあえず、一度入口の扉あたりまで下がったらどうかと言おうとしたら、今度は「くく……っ」と、いっそ不気味な笑い声がそこに割って入って来た。
「確かに今回はその通り、魔道具の全ては我々管理部の主導で設置している」
「⁉」
驚いて声の主を探せば、空いている椅子の一つを引いて、腰を下ろそうとしている一人の男性と視線があった。
「えっと……」
官吏服にマントと言う、官吏の準礼装で現れたため一瞬誰か分からなかったものの、男性の「我々管理部」の言葉に、すぐさま記憶中枢が刺激された。
ただ、さすがと言うべきか、シャルリーヌの方が社交慣れをしているからか、顔と名前を一致させるのが早かった。
「ド・ブロイ管理部長……」
そう、空いている二席の内の一席は、今回メインであれこれ動いている管理部の長、ヴェンツェン・ド・ブロイその人なのだ。
いつぞやギーレンに行く前に見た、大学の研究員みたいな恰好とはまた違ったために、誰なのかがすぐには分からなかった。
「いやはや、慣れない恰好に私こそ戸惑いがあるのだが……こうしないと参加はさせないと陛下から言われてしまった。苦肉の策だ」
そりゃあまあ、下は男爵令息から上は侯爵まで、広間に貴族を招いての「茶会」だと言うのに、研究着のままではさすがにいただけない。
そこまでして何故参加したがるのかと思ったら、当の管理部長はそう言って首を緩々と横に振った後、いきなりテーブルの上に紙やらインクやら羽根ペンやらを並べ始めた。
「ああ、この後テーブルの中央に軽食が並ぶとは聞いているが、私はそれぞれの魔道具の確認に忙しくなるから、そもそも食べようとは思っていない。遠慮なく私の分も食べてくれ」
「「…………」」
確認、がモニターに聞こえたのは私だけじゃないはず。
もしかしてこの人、認識阻害装置や害獣除けの罠の作動状況を間近で観察して、レポートにでもするつもりなんだろうか。
「貴女にはこの場で罵詈雑言を投げつけられても止む無しと思っていたのだが、それどころか何の変哲もないと思われていた魔道具の思わぬ使い道をいくつも提案して貰って、我々管理部の人間は例外なく感謝をしているところなのだ」
「⁉」
え、ちょっと待って。
認識阻害がそもそも効かないこととか、ちょっとした結界の応用を提案してみたこととかが、思わぬところで評価爆上がり⁉
いや、確かに「勝手に召喚なんぞしてくれて!」って言いたい気持ちはなきにしもあらずだったんだけどね?
「いや、このテーブルには本当に料理人たちが腕によりをかけた料理が並ぶと聞いているから、遠慮なく口をつけてもらって構わない。恐らくもうすぐエフゲニー……ガールシン医局長もここへやって来る。万が一があっても何とでもなるはずだ」
「……医局長」
まさかその医局長も、管理部長と同様に〝痺れ茶〟の実験結果を間近で確かめるために参加するとか言い出すのだろうか。
「……万が一って、ナニ?」
うん、そうだよねシャーリー。そう思うよね。
「……詳しく聞きたい?」
ううん、いっそ聞いて貰おうかな。
こうなったら、もう一蓮托生。
「どうしようかな……なんか、管理部長の表情に『ワクワク』って巨大な太字で書いてあるような気もするしね……」
「うん、じゃあ、諦めて聞いてシャーリー?」
「ええぇ……」
日本語でいいから――と、私は勢いで押し切った。
私とシャルリーヌが座ったか座らないかと言うタイミングで、背後からファルコの声が聞こえてきた。
どうやら護衛騎士の恰好をしつつ、フィトからの「伝言」を聞いたのか、こっちに慌ててやって来たように見えた。
「ファルコ、言い方」
慣れている私はともかく、さすがにシャルリーヌがちょっと戸惑っているので、私が「大丈夫」と言う意味もこめて頷いてあげた。
言われた通りに明後日の方向を向いた状態で片手だけをテーブルの下で広げると、私とシャルリーヌそれぞれの手に、雫型で手のひらサイズのガラスの小瓶が転がった。
「念のため、ナシオに少しだけ作らせた。お館様にも渡してある。アンタらのテーブルとお館様のテーブルは除外と聞いちゃいるが、物事に絶対なんてものはないからな」
チラッとだけ視線を落とせば、小瓶の中には少量の液体がユラユラと揺らめいている。
コレはどうやら、名称未定の毒の無効化薬をナシオが臨時でまた作ったのかと、私は一連の場の流れから読み取った。
「え、これだけなら他の誰かに預けても良かった――」
「何言ってんだ。そもそも俺に何か用があったんだろうが」
ファルコの声色が、やや硬い。
あぁ……と、私も混ぜ返すことはせずに頷いた。
「フィトから何か聞いた?」
「とりあえず黙って見守れ、と」
うん、フィト、どう足搔いてもそれ以上は問い詰められないと言う、簡潔にして的を射た指示だね。
私はいっそ感心してしまった。
「うん、そうだね。多分シュタムの銀に関係した話が陛下からあるんじゃないか……って予想なんだけど、詳しいことは陛下の胸の中にしかないから、だから『黙って見守れ』って話なんだと思うよ」
「それは……」
「多分ね? 多分の話なんだけど、今年の病人の情報があるんじゃないかと思ってるの。フィトに表向きの仕事を頼んでおいて、裏で〝草〟か護衛騎士の誰かが探ってた――とか? だからとにかく、その辺りが詳らかになるまで、事態を見守る方向でいこうかと」
私の視界に、強く握りしめられたファルコの拳が見えていたけれど、今は敢えて気付かないフリを通すことにした。
フィトは疑わしき病人を目撃しただけだし、アルノシュト伯爵邸内にある茶葉を探す名目で同行したであろう〝草〟や護衛騎士を探して問い詰めようにも、恐らくは陛下の「タネ明かし」を大人しく待っている方が話が早い。
きっとファルコも、それには気が付いたんだろう。結果的に、今は何もしない方が話が早いと。
だから拳を握りしめることで、何とか自分を納得させようとしている。
「分かった。じゃあ俺はその壁の近くで――」
「――あ、あんまり近付くと害獣駆除の罠にかかった第一号になっちゃうから、待機するなら別の場所の方がいいよ」
ファルコの言う「その壁」が、私には「壁」と認識出来ていない場所を指していると、気付いた私は慌ててファルコを止めた。
「は?」
「え?」
どうやら害獣駆除用の罠に関しては、シャルリーヌも初耳だったのか、目が薬の瓶から私の方へと勢いよく動いていた。
「あれ? シャーリー、もしかして何も聞いてない?」
私が分からないなりに壁のある方向をちょいちょいと指さすと、シャルリーヌには恐らく「壁」に見えているのだろう。「ああ……」と、何かを思い出そうとするかのように小首を傾げていた。
「認識阻害の話は陛下から聞いているわ。場の混乱を招くから近付かないようにと」
「それだけ?」
「それだけ、って……ええっと何だったか……ああ、そう言えば『貴女は姉君とは違ってあまり予測不可能な行動はとらないだろうから、あとの話は当日本人に聞いて貰いたい』とか何とか言ってたかも」
前回〝転移扉〟のメンテナンスに来た時に、慌ただしくそれだけを言い置いて管理部の部長や医局長とどこかに行ってしまったのだと言う。
(陛下、それはちょっとヒドい……)
それは何、私が常に予測不可能な行動をとっているとでも⁉
よりによって現在やりたい放題のサイコパスな陛下サマにそれを言われるとは! と、私は内心で地味にショックを受けながらシャルリーヌの呟きを聞いていた。
「あ……そう……まあとりあえず、ファルコをあまりここに立たせておけないから今はざっくりとしか言わないけど、そこの壁もどきのすぐ裏に、害獣駆除用の罠が点々と置いてあるから、巻き込まれに気を付けてね」
最後ちょっと投げやりだったかも知れないけど、そこは見逃して欲しい。
シャルリーヌは教育を受けた淑女らしく微かに目を瞠っているだけだったけど、ファルコは明らかに「は?」と、再度声が出ていた。
「ちょっと、そこの護衛騎士サマはお静かに」
「ちっ……ってか、今度は誰を吹っ飛ばす気なんだよ」
「いや、私を前提にしないで? 今回置いたのは管理部の皆さんなんだから」
いつまでも護衛騎士が茶会の招待客のテーブルに貼り付いているわけにもいかないだろうに。
とりあえず、一度入口の扉あたりまで下がったらどうかと言おうとしたら、今度は「くく……っ」と、いっそ不気味な笑い声がそこに割って入って来た。
「確かに今回はその通り、魔道具の全ては我々管理部の主導で設置している」
「⁉」
驚いて声の主を探せば、空いている椅子の一つを引いて、腰を下ろそうとしている一人の男性と視線があった。
「えっと……」
官吏服にマントと言う、官吏の準礼装で現れたため一瞬誰か分からなかったものの、男性の「我々管理部」の言葉に、すぐさま記憶中枢が刺激された。
ただ、さすがと言うべきか、シャルリーヌの方が社交慣れをしているからか、顔と名前を一致させるのが早かった。
「ド・ブロイ管理部長……」
そう、空いている二席の内の一席は、今回メインであれこれ動いている管理部の長、ヴェンツェン・ド・ブロイその人なのだ。
いつぞやギーレンに行く前に見た、大学の研究員みたいな恰好とはまた違ったために、誰なのかがすぐには分からなかった。
「いやはや、慣れない恰好に私こそ戸惑いがあるのだが……こうしないと参加はさせないと陛下から言われてしまった。苦肉の策だ」
そりゃあまあ、下は男爵令息から上は侯爵まで、広間に貴族を招いての「茶会」だと言うのに、研究着のままではさすがにいただけない。
そこまでして何故参加したがるのかと思ったら、当の管理部長はそう言って首を緩々と横に振った後、いきなりテーブルの上に紙やらインクやら羽根ペンやらを並べ始めた。
「ああ、この後テーブルの中央に軽食が並ぶとは聞いているが、私はそれぞれの魔道具の確認に忙しくなるから、そもそも食べようとは思っていない。遠慮なく私の分も食べてくれ」
「「…………」」
確認、がモニターに聞こえたのは私だけじゃないはず。
もしかしてこの人、認識阻害装置や害獣除けの罠の作動状況を間近で観察して、レポートにでもするつもりなんだろうか。
「貴女にはこの場で罵詈雑言を投げつけられても止む無しと思っていたのだが、それどころか何の変哲もないと思われていた魔道具の思わぬ使い道をいくつも提案して貰って、我々管理部の人間は例外なく感謝をしているところなのだ」
「⁉」
え、ちょっと待って。
認識阻害がそもそも効かないこととか、ちょっとした結界の応用を提案してみたこととかが、思わぬところで評価爆上がり⁉
いや、確かに「勝手に召喚なんぞしてくれて!」って言いたい気持ちはなきにしもあらずだったんだけどね?
「いや、このテーブルには本当に料理人たちが腕によりをかけた料理が並ぶと聞いているから、遠慮なく口をつけてもらって構わない。恐らくもうすぐエフゲニー……ガールシン医局長もここへやって来る。万が一があっても何とでもなるはずだ」
「……医局長」
まさかその医局長も、管理部長と同様に〝痺れ茶〟の実験結果を間近で確かめるために参加するとか言い出すのだろうか。
「……万が一って、ナニ?」
うん、そうだよねシャーリー。そう思うよね。
「……詳しく聞きたい?」
ううん、いっそ聞いて貰おうかな。
こうなったら、もう一蓮托生。
「どうしようかな……なんか、管理部長の表情に『ワクワク』って巨大な太字で書いてあるような気もするしね……」
「うん、じゃあ、諦めて聞いてシャーリー?」
「ええぇ……」
日本語でいいから――と、私は勢いで押し切った。
958
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
事情があってメイドとして働いていますが、実は公爵家の令嬢です。
木山楽斗
恋愛
ラナリアが仕えるバルドリュー伯爵家では、子爵家の令嬢であるメイドが幅を利かせていた。
彼女は貴族の地位を誇示して、平民のメイドを虐げていた。その毒牙は、平民のメイドを庇ったラナリアにも及んだ。
しかし彼女は知らなかった。ラナリアは事情があって伯爵家に仕えている公爵令嬢だったのである。
お前は家から追放する?構いませんが、この家の全権力を持っているのは私ですよ?
水垣するめ
恋愛
「アリス、お前をこのアトキンソン伯爵家から追放する」
「はぁ?」
静かな食堂の間。
主人公アリス・アトキンソンの父アランはアリスに向かって突然追放すると告げた。
同じく席に座っている母や兄、そして妹も父に同意したように頷いている。
いきなり食堂に集められたかと思えば、思いも寄らない追放宣言にアリスは戸惑いよりも心底呆れた。
「はぁ、何を言っているんですか、この領地を経営しているのは私ですよ?」
「ああ、その経営も最近軌道に乗ってきたのでな、お前はもう用済みになったから追放する」
父のあまりに無茶苦茶な言い分にアリスは辟易する。
「いいでしょう。そんなに出ていって欲しいなら出ていってあげます」
アリスは家から一度出る決心をする。
それを聞いて両親や兄弟は大喜びした。
アリスはそれを哀れみの目で見ながら家を出る。
彼らがこれから地獄を見ることを知っていたからだ。
「大方、私が今まで稼いだお金や開発した資源を全て自分のものにしたかったんでしょうね。……でもそんなことがまかり通るわけないじゃないですか」
アリスはため息をつく。
「──だって、この家の全権力を持っているのは私なのに」
後悔したところでもう遅い。
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
継子いじめで糾弾されたけれど、義娘本人は離婚したら私についてくると言っています〜出戻り夫人の商売繁盛記〜
野生のイエネコ
恋愛
後妻として男爵家に嫁いだヴィオラは、継子いじめで糾弾され離婚を申し立てられた。
しかし当の義娘であるシャーロットは、親としてどうしようもない父よりも必要な教育を与えたヴィオラの味方。
義娘を連れて実家の商会に出戻ったヴィオラは、貴族での生活を通じて身につけた知恵で新しい服の開発をし、美形の義娘と息子は服飾モデルとして王都に流行の大旋風を引き起こす。
度々襲来してくる元夫の、借金の申込みやヨリを戻そうなどの言葉を躱しながら、事業に成功していくヴィオラ。
そんな中、伯爵家嫡男が、継子いじめの疑惑でヴィオラに近づいてきて?
※小説家になろうで「離婚したので幸せになります!〜出戻り夫人の商売繁盛記〜」として掲載しています。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。