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第三部 宰相閣下の婚約者
741 銀の骸が見た夢は(前)
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ファルコが投げた害獣駆除の罠、もとい魔道具によってアルノシュト伯爵がいたテーブルは既になく、そこにいた人たちも右へ左へと飛ばされていた状態だった。
当然アルノシュト伯爵も強制的に床と仲良くする羽目になっていて、何とか上半身だけを気力で起こしていると言ったように見えた。
呻いたまましばらく起き上がれもしなかったナルディーニ侯爵父子に比べれば、よほど根性があるとも言える。
ただ、そんなアルノシュト伯爵を見据えるエドヴァルドの視線は、絶対零度の刃と言ってもいいくらいに冷え切っていた。
「そもそも息子のことは何年も前に『銀細工の職人になると言って家を出てしまったので勘当した』と言っていたはずだ。いずれ王都学園の最終学年生の中で家を継がない優秀な子を養子に迎えたい、と。それがなぜ邸宅で病床についていた」
どうやらアルノシュト伯爵が夫人と共に税の申告にやって来た際、他の家族の話を一切聞かなかったのには、アルノシュト伯爵自身がまだまだ領主として現役であるということも含め、そう言った裏事情があったのかと、この時の私は理解をした。
もしかすると夫人が所謂「ご近所のお見合いオバサン」と化していたのも、他家の縁談を取り纏めようとする傍ら、自家の跡取りになれそうな子息の情報を集める意図も並行してあったのかも知れない。
「宰相のことだ。きちんと話の後追いはして、その息子が市井で暮らしていたところまでは確認したんだろう?」
そしてここまで嬉々としてお茶会?を仕切ってきた国王陛下も、他ならぬエドヴァルドの領地内の話だからと思ったのか、話の主導権をここはエドヴァルドに譲ろうとしている風に見えた。
後でチクチクと何か言われそうな気もするけれど、多分全てを詳らかにするなら今だとエドヴァルドも思ったんだろう。
国王陛下が振って来た話を、そのまま受け止めることにしたみたいだった。
「……グラーボと言う村で銀細工の職人に弟子入りをしていました。そこの職人はシュタムにある店舗と契約をして、銀細工の製品を幾つも卸していましたから、真面目に修行をしていれば、いずれは後継か独立かといった道も開けたはずです」
さすがにアルノシュト伯爵からの口頭申告だけで、後継者の座から外すことを認めるわけにもいかず、エドヴァルドとしても当時はちゃんと人を遣って確認したらしい。
勝手に姿をくらまして下手に他の国に駆け込まれても困るし、実は虐げられていたなどという裏事情があっても困るし、後ろ暗いことをやってしまった揉み消しのためと言われても更に困るだろうから、それは至極当然の指示と言えた。
エドヴァルドの様子を見るに、その結果としてアルノシュト伯爵の息子さんは本当に銀細工の職人の下にいたということなんだろう。
「ですが昨年の申告時に、この村の土地が悪天候が続いたのか痩せてしまい不作が続いた、と。隣村のイシードルと合併することで何とか乗り切れそうだと、そんな報告書は受け取っていました」
「……っ」
いっそ淡々と説明をしているエドヴァルドの言葉に、息を呑んだのは私だ。
合併の名の下に、地図から消えた村。
「ふむ。取り立てて珍しい話ではないと思うが?」
「…………これまでは、私もそう思っていました」
首を傾げている国王陛下に、苦さと後悔を滲ませたままエドヴァルドが答えている。
「ですが今年の報告書を見たレイナが――我が最愛の婚約者が私に教えてくれたのです。それらは銀の採掘による弊害だ、と」
「…………」
あの、こんなところで真顔で「最愛」とかちょっと……。
場の空気を壊すんじゃないかと思ったのはどうやら私だけ――と言うか周囲はむしろ、エドヴァルドが言った「銀の採掘による弊害」との言葉に困惑を露わにしていた。
こんな時真っ先に揶揄いそうな、陛下でさえも。
「不作、合併……そんな報告が年を追うごとに銀山から川下に向かって現れていると、私に教えてくれたのは、彼女です」
「!」
そしてエドヴァルドのその言葉で、恐らくは他の貴族たちが私の話を無意味に軽んじることのないようにと、敢えて婚約者の部分を強調したのだと分かった。
私を軽んじること、すなわちそれはこの国の宰相をも軽んじることだ――と。
「彼女は更に、銀を精製する過程で使用した水には、月日を重ねると人の身体に害となる成分が溶け込んでいるのだとも教えてくれました。そしてその水が染み込んだ土は不作をもたらし、そんな土から収穫される作物は、水と同様に有害となる――実際に彼女の元いた国で起きていたことだそうですから、そう荒唐無稽な話ではないかと」
「水……?」
そう呟いたのは、果たして誰だったろう。
無事だったテーブルの上の水差しに視線を向けているカプート子爵やフラーヴェク子爵なんかは、やはり本来は領主として優秀な部類にいるということなんだろう。勘がいい。
「保護されたアルノシュトの息子は、その水が原因で病の床にあると?」
国王陛下が確認をしてくるのは、恐らくは周囲に聞かせる意味合いの方が強いはずだ。
アルノシュト伯爵邸から令息を連れ出して保護をし、銀山に近い場所から汲んできたと思われる水を茶会の席で振る舞っている。
多分この時点で陛下が知らなかったとすれば、アルノシュト伯爵令息が伯爵家と絶縁状態にあったことと、それがなぜ再び伯爵家に引き取られていたのかということくらいじゃないだろうか。
「恐らくは」
「――――‼」
エドヴァルドが国王陛下からの問いかけに頷いたその瞬間、それまで上半身だけを起こして座り込んでいたアルノシュト伯爵が、立ち上がろうとして失敗していた。
「公爵閣下!そ……れは……本当で……っ」
「伯爵?」
その様子を見たエドヴァルドが、不審げに眉根を寄せる。
「もしや原因に心当たりがなかったのか」
「…………それは」
「原因は分からないが、グラーボが死の村になっていることを周囲に悟られたくはなかったのか。呪いだとも、息子がその原因かも知れないなどと、後ろ指を指されたくなかったから。何より銀の採掘と製品の製作を滞らせたくなかったから」
「…………っ」
沈黙は肯定と周囲は捉える。
そして私はその瞬間、エドヴァルドのすぐ傍にいたファルコが、切れそうなほどに強く両の拳を握りしめているのを見てしまった。
それは、ファルコのお姉さんが辿った末期と同じ。
「そもそも何故報告をしなかった、アルノシュト‼」
ここが王宮の「軍神の間」であることを忘れた、エドヴァルドの本気の怒号が辺りに響き渡った。
当然アルノシュト伯爵も強制的に床と仲良くする羽目になっていて、何とか上半身だけを気力で起こしていると言ったように見えた。
呻いたまましばらく起き上がれもしなかったナルディーニ侯爵父子に比べれば、よほど根性があるとも言える。
ただ、そんなアルノシュト伯爵を見据えるエドヴァルドの視線は、絶対零度の刃と言ってもいいくらいに冷え切っていた。
「そもそも息子のことは何年も前に『銀細工の職人になると言って家を出てしまったので勘当した』と言っていたはずだ。いずれ王都学園の最終学年生の中で家を継がない優秀な子を養子に迎えたい、と。それがなぜ邸宅で病床についていた」
どうやらアルノシュト伯爵が夫人と共に税の申告にやって来た際、他の家族の話を一切聞かなかったのには、アルノシュト伯爵自身がまだまだ領主として現役であるということも含め、そう言った裏事情があったのかと、この時の私は理解をした。
もしかすると夫人が所謂「ご近所のお見合いオバサン」と化していたのも、他家の縁談を取り纏めようとする傍ら、自家の跡取りになれそうな子息の情報を集める意図も並行してあったのかも知れない。
「宰相のことだ。きちんと話の後追いはして、その息子が市井で暮らしていたところまでは確認したんだろう?」
そしてここまで嬉々としてお茶会?を仕切ってきた国王陛下も、他ならぬエドヴァルドの領地内の話だからと思ったのか、話の主導権をここはエドヴァルドに譲ろうとしている風に見えた。
後でチクチクと何か言われそうな気もするけれど、多分全てを詳らかにするなら今だとエドヴァルドも思ったんだろう。
国王陛下が振って来た話を、そのまま受け止めることにしたみたいだった。
「……グラーボと言う村で銀細工の職人に弟子入りをしていました。そこの職人はシュタムにある店舗と契約をして、銀細工の製品を幾つも卸していましたから、真面目に修行をしていれば、いずれは後継か独立かといった道も開けたはずです」
さすがにアルノシュト伯爵からの口頭申告だけで、後継者の座から外すことを認めるわけにもいかず、エドヴァルドとしても当時はちゃんと人を遣って確認したらしい。
勝手に姿をくらまして下手に他の国に駆け込まれても困るし、実は虐げられていたなどという裏事情があっても困るし、後ろ暗いことをやってしまった揉み消しのためと言われても更に困るだろうから、それは至極当然の指示と言えた。
エドヴァルドの様子を見るに、その結果としてアルノシュト伯爵の息子さんは本当に銀細工の職人の下にいたということなんだろう。
「ですが昨年の申告時に、この村の土地が悪天候が続いたのか痩せてしまい不作が続いた、と。隣村のイシードルと合併することで何とか乗り切れそうだと、そんな報告書は受け取っていました」
「……っ」
いっそ淡々と説明をしているエドヴァルドの言葉に、息を呑んだのは私だ。
合併の名の下に、地図から消えた村。
「ふむ。取り立てて珍しい話ではないと思うが?」
「…………これまでは、私もそう思っていました」
首を傾げている国王陛下に、苦さと後悔を滲ませたままエドヴァルドが答えている。
「ですが今年の報告書を見たレイナが――我が最愛の婚約者が私に教えてくれたのです。それらは銀の採掘による弊害だ、と」
「…………」
あの、こんなところで真顔で「最愛」とかちょっと……。
場の空気を壊すんじゃないかと思ったのはどうやら私だけ――と言うか周囲はむしろ、エドヴァルドが言った「銀の採掘による弊害」との言葉に困惑を露わにしていた。
こんな時真っ先に揶揄いそうな、陛下でさえも。
「不作、合併……そんな報告が年を追うごとに銀山から川下に向かって現れていると、私に教えてくれたのは、彼女です」
「!」
そしてエドヴァルドのその言葉で、恐らくは他の貴族たちが私の話を無意味に軽んじることのないようにと、敢えて婚約者の部分を強調したのだと分かった。
私を軽んじること、すなわちそれはこの国の宰相をも軽んじることだ――と。
「彼女は更に、銀を精製する過程で使用した水には、月日を重ねると人の身体に害となる成分が溶け込んでいるのだとも教えてくれました。そしてその水が染み込んだ土は不作をもたらし、そんな土から収穫される作物は、水と同様に有害となる――実際に彼女の元いた国で起きていたことだそうですから、そう荒唐無稽な話ではないかと」
「水……?」
そう呟いたのは、果たして誰だったろう。
無事だったテーブルの上の水差しに視線を向けているカプート子爵やフラーヴェク子爵なんかは、やはり本来は領主として優秀な部類にいるということなんだろう。勘がいい。
「保護されたアルノシュトの息子は、その水が原因で病の床にあると?」
国王陛下が確認をしてくるのは、恐らくは周囲に聞かせる意味合いの方が強いはずだ。
アルノシュト伯爵邸から令息を連れ出して保護をし、銀山に近い場所から汲んできたと思われる水を茶会の席で振る舞っている。
多分この時点で陛下が知らなかったとすれば、アルノシュト伯爵令息が伯爵家と絶縁状態にあったことと、それがなぜ再び伯爵家に引き取られていたのかということくらいじゃないだろうか。
「恐らくは」
「――――‼」
エドヴァルドが国王陛下からの問いかけに頷いたその瞬間、それまで上半身だけを起こして座り込んでいたアルノシュト伯爵が、立ち上がろうとして失敗していた。
「公爵閣下!そ……れは……本当で……っ」
「伯爵?」
その様子を見たエドヴァルドが、不審げに眉根を寄せる。
「もしや原因に心当たりがなかったのか」
「…………それは」
「原因は分からないが、グラーボが死の村になっていることを周囲に悟られたくはなかったのか。呪いだとも、息子がその原因かも知れないなどと、後ろ指を指されたくなかったから。何より銀の採掘と製品の製作を滞らせたくなかったから」
「…………っ」
沈黙は肯定と周囲は捉える。
そして私はその瞬間、エドヴァルドのすぐ傍にいたファルコが、切れそうなほどに強く両の拳を握りしめているのを見てしまった。
それは、ファルコのお姉さんが辿った末期と同じ。
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