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第三部 宰相閣下の婚約者
802 アンディション侯爵領へ
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翌日、エリィ義母様は家令のラリとフォルシアン公爵領の領政で、イル義父様の手が回らない書類を朝から代理で目を通していた。
養女であり、近い未来イデオン公爵邸に戻る私は、どこまで参加していいのかが分からないため、ここは割り切って「声をかけられない限りはノータッチ」を通すことにして、自室でギーレンの植物園に送るレシピや、出版予定の小説の確認に勤しんだ。
特に小説は、文学侍女ラウラの筆がノリにノっていて、普通に日本で出したとしても話題になりそうなほどのエンタメ性だ。
最初のうちは、モデルになっている人物の顔が次々と浮かんでしまい、ところどころ赤面ものの展開になっていたのだけれど、これはあくまで「似た名前の別人」であり「読者が喜ぶ展開」にしなくては――と意識を切り替えたところ、ただただ「面白い」に、私の心も落ち着いた。
これならば、エヴェリーナ妃やコニー夫人もゴシップとは思わず、作品としてきっと満足してくれるだろう。
「――レイナちゃん、ちょっといいかしら?」
お昼にはまだ早い時間のはずが、ノックの音と共にエリィ義母様の声が聞こえた。
「あっ、はい、大丈夫です!」
慌てて立ち上がったものの、そのままドアを開ければ「淑女らしくない」と言われることは必至。
小さな深呼吸をして、なるべく落ち着いた声で「どうぞ」と返す。
こちらからは見えないものの、多分侍女の誰かかが付いてきていたはずだ。
エリィ義母様は両手を下腹部辺りに重ねて、優雅に静かに部屋の中へと入って来た。
更にその手には手紙と思しき紙も見えていて、自分の手で扉を開けていないのが明白だったからだ。
「お茶をお願いね?」
そんなエリィ義母様の声と共に人の気配が静かにかき消える。
お茶は建前で、人払いをしたという風にも受け取れて、私は無意識のうちに背筋を伸ばしていた。
「ああ、ごめんなさいね? 余計な不安を抱かせてしまったみたいね」
この部屋は、元は先代フォルシアン公爵夫人の部屋だったそうだけど、今は私が使わせて貰っている。
つまり部屋の主人は私ということになり、ここはまず私がエリィ義母様に椅子を勧めて、自分が先に腰を下ろすのが正解。
よく出来ました、といった笑みでエリィ義母様も私に続いて腰を下ろした。
「手紙は私宛ではあったのだけれど、内容としては実質レイナちゃん宛なのよ」
「イル義父様からですか?」
「ええ、そう。私宛に書かれた部分はいったん横に置くとして……レイナちゃんとボードリエ伯爵令嬢に、アンディション侯爵邸においでのユリア夫人を訪ねて欲しいと、そういう内容なのよ」
「!」
――ついに来た。
それは三国会談の後の交流会のために、アンディション侯爵邸に向かえとの示唆に他ならない。
誰の目に触れてもいいように、ユリア夫人の名前を表に出しているだけだ。
「えっと……私とボードリエ伯爵令嬢だけですか? エリィ義母様は……」
「今回に限って言えば、私は夫が王宮に詰めている間、どうしても領政を手伝う必要があるのよ」
ため息と共にエリィ義母様が残念そうに声を洩らす。
イデオン公爵邸であれば、家令のセルヴァンはエドヴァルドの成人前から補佐をしていたため、大抵の判断はつくということだけど、フォルシアン公爵邸では、ラリもまだそこまでの経験がなく、エリィ義母様と二人で何とか代理がこなせる状況らしい。
「テオドル大公殿下も今は王宮でしょう? ボードリエ伯爵令嬢は以前からユリア夫人をご存じだとかで、二人で行ってくれれば――と、殿下からのお願いがあったそうよ?」
お願いというよりは、私とシャルリーヌがアンディション侯爵邸に赴くために、大公殿下なりエドヴァルドなりが、そんな理由付けをしたんじゃないかという気もする……。
「夫人はまだ侯爵領だったんですね?」
大公殿下が王宮にしばらく拠点を置くことになったのに合わせて、夫人も一緒に移り住んで、今の侯爵邸は別荘扱いで残しておくという話だったはず。
内心でそう思っていた私に、エリィ義母様は「いくらなんでもこの短時間ではそうなるわよ」と、笑った。
「とにかく公務を手伝って欲しい大公殿下に関しては、もう、その身ひとつでいいから王宮に――となっていたでしょうけど、一日二日のことじゃなく王宮に移って欲しいとの話なら、ユリア夫人にしてみれば、ちょっとした引っ越しだもの。荷造りの時間は欲しいでしょう」
「それもそうですね……」
「とはいえ今の情勢じゃ、殿下もユリア夫人をお一人で残しておくのが心配なんでしょう。そして、そう言われてしまっては、皆、大公殿下のご意思を尊重せざるを得ないわ」
臍を曲げてアンディション侯爵領に引きこもられてしまうのが一番困る。
猫の手も借りたい現状では、よほどの無茶ぶりでなければ頷かざるを得ない。
――対外的には、そういう言い訳がたつようにしたんだろう。
実際には、三国会談の後にバリエンダールの国王が私的訪問をする場を整えるためのものだ。
そして私とシャルリーヌは、そこにギーレンのラハデ公爵を密かに招く。
バリエンダール国王女・ミルテ姫の輿入れの可能性を探るために。
「アンディション侯爵領って、王都から馬車でどのくらいかかるんでしょう……?」
着く頃には、三国会談終わってるんじゃないだろうか?
思わず首を傾げた私に「まさか」と、エリィ義母様も笑った。
「大公殿下が陛下から小型の転移装置をお借りになられるそうよ? レイナちゃんとボードリエ伯爵令嬢を侯爵邸に案内されたら、殿下はそのままお帰りになるとのことらしいけれど」
「……なるほど」
転移装置は基本的に、己の持つ魔力で行先登録をしなくてはならない。
アンディション侯爵邸をよく知るテオドル大公が、登録と先導をするのは当然と言うべきだった。
ここのところ、転移装置の使用がかなり頻繁だと思いはすれど、魔力ナシの私には、何をどうすることも出来ない。
王宮管理部自体どう見ても社畜の集まりだったので、ギリギリまでは自分の疲労にも無頓着な気はする。何せル〇バ型魔道具が床を滑ったことにも興味津々だった(主に管理部長が)。
いや、そのうちブチ切れて今回の原因となったどこかの侯爵家に憤りが向かうかもしれない。
(ぶつけるなら、ぜひ私の関知しないところでやって下さい)
何にせよ、王宮管理部の皆さんが、過労で倒れないことを願うばかりだ。
「ボードリエ伯爵令嬢への連絡を頼みたいと夫は言っているわ。王宮から彼や宰相閣下が手紙を出せば『何ごとか』となるでしょうから、レイナちゃんが普通の手紙のように出すのが一番いいだろうと」
実際には隣国の国王や公爵が来るような場だ。
悟られるリスクは、少ないにこしたことはない。
「分かりました。ボードリエ伯爵家宛、急いで手紙を書きますね」
私からの手紙となれば、多少のマナー違反はもはや誰も咎めないだろう。
当日のお茶会を含め、これまでの実績がありまくりだ。
ある意味、部外者に向けてはいいカムフラージュかもしれない。
「それと、何泊分か旅支度をしないとね。この様子だと、日帰りということはないでしょうから」
さすがエリィ義母様。
イル義父様からの手紙には詳しいことは何も書いてないはずなのに、これがただの表敬訪問ではないことを既に察している。
「そ、そうですね」
テオドル大公が送ってくれるとなれば、三国会談の様子は少しは教えて貰えるだろうか。
それよりもまず、ラハデ公爵へのミルテ王女プレゼン資料を作った方がいいかもしれない。
――私の頭の中は、この後の予定のことで埋め尽くされようとしていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
いつも読んでいただいて、いいね!や♡を有難うございますm(_ _)m
書籍4巻も大好評発売中ですが、2月28日(金)、タロコ先生によるコミカライズ版「聖女の姉ですが、宰相閣下は無能な妹より私がお好きなようですよ?」の2巻が出荷されることになりました……!!
https://regina.alphapolis.co.jp/recently/comic
まだ装丁画などは発表されておりませんが、ぜひ楽しみにお待ち頂ければと思います……!
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