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16) エリクサーを<コピー>
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森林の少し奥に入りクロの育成に励んでいた。Lv.20になるとクロは二回り大きくなり、スキルに<モグモグ><影>*<マネマネ>が発現。<影>はその名の通り影に潜み影となる。
相変わらず頭に乗ってくるので「帽子のマネ出来ないかな。」と言うと、黒いフライト帽もどきになった。
<マネマネ>は化けるのね。便利なスキルだ。
魔物もモンスターも縄張り意識が強く侵入を許さない。
どいつもこいつも足を踏み入れると攻撃してくる。
低レベル地帯にいたのだが運悪くブルーバードと出会ってしまった。ちょっと厄介な敵だ。
この魔物は小鳥の姿だが鋭い嘴で敵を刺し、氷魔法<ヘール>を撃ってくる。
多数の氷の塊が俺達に飛んでくる。俺は<魔法シールド>で防御。
ちょこまかと動きが素早くてこっちの魔法は当たらない。
上空から一直線にブルーバードが俺達目掛けて落下してくる。「影に潜れ!」そう言って<透明化>したが、クロは動かない。
「おい!」
落ちてくるブルーバードに向かってクロはニュイ~ンと伸びると、ブルーバードを包み込み<モグモグ>した。
数十秒後「けぷっ。」と言ってブルーバードは消化されたのだった。
(従僕は絶対服従じゃないのかよ、焦ったぁ。無事でよかった。)
クロにとって最善の方法だったのだろう。
臨機応変な方がいい、俺自身はどんくさいからな。
ログハウスに戻ると中2階でテオが熱心に魔道具や薬品を調べていた。
ワイルナー伯爵家から頂いたものだ。シェルへの手切れ金と思っていいよな。
テオは錬金術師、非常に貴重な物を生み出すことが可能だ。
「テオ、いいものあった?」
「シェル、エリクサーがある! 2本も!」
テオは興奮気味だ。
「そんなに凄いの?」俺はいくらでもコピーできるのに。
「凄いに決まってる。 兄上…王太子はこれのせいで命を落としたのだから。」
「エリクサーの?」
「説明が長くなるぞ? 興味なければ聞き流せ」
「グランダ王国内に存在する巨大な森林地帯、そこに昔から森人が住んでいる。
森林地帯の中心にある神木を祀り 神木の恩恵を受けて暮らしている。神木からは薬の原料が取れて回復薬が作れるのだ。秋になるとエリクサーも作成されてグランダ王国に献上される。
数年前、傷ついたドラゴンが飛来し神木の傍に居座るようになった。神木の生命力を利用して回復し、その後も神木の力を奪い続けていた。このままでは神木は枯れてしまうと森人はドラゴンを追い払おうとしたが、多大な犠牲が出ただけで追い払えなかった。それでグランダ国王に協力を求めたのだ。貴重なエリクサーを欲する王は快諾した。
王太子という勇者がいる、簡単に討伐できると誰もが信じていた。しかし惨敗で王太子さえも失ってしまった。
それから今に至るまでドラゴンには手を出せない。
更に懸念されるのがドラゴンの後方にある2か所のダンジョンだ。
長く放置したままだと飽和状態となり魔物があふれ出すだろう。
この問題について意見は割れた。第二王子の他国に応援を求める派 第一王女の勇者召喚を行う派
埒が明かず、王女は召喚を渋る王の毒殺を試み勇者召喚を強行し、巻き込まれたのがイブキ達だ。」
マジでテオの説明長かった・・・
要は、ドラゴン倒して神木救って、スタンピードを阻止したいってことね。
「勇者って16歳だよ。ドラゴンを倒させるの?無茶だ。」
「この国では16歳で成人だ。渡り人は強力なスキルが得られるからな。反対していた第二王子派も、ジューク タチバナという勇者の能力の高さに賛成に転じたようだ。」
「ジュークか、会ってみたいな」
「ところで、テオって何歳なの?」
「私は14歳だ。」
マジか。少々ヒねてないか…
「魔道具も面白い物が沢山あるぞ。修理が必要な物がたくさんあるな、預かっていいだろうか?」
「好きにやってよ。僕はわからないから。」
「任せてくれ。」と嬉しそうだ。
中2階はテオの作業場になり時折、ミラに「綺麗に片付けなさい!」と怒られるのだった。
コアにぶつぶつ文句言われてもクロとゴロゴロしている午後の事。
「マスター 仕入れ情報 OK?」「────儲け話ならOK。」
「エリクサー 3個所望 値段相談。」 「あー1個 大白金貨1枚で。」
「................................」コア沈黙。(吹っ掛け過ぎたか・・・・)
「取引成立 至急買取希望。」
「マジかぁぁぁ 3億だぞ!」
急いでコピー品3個コアの前に置く。「注意事項を伝えてくれ。長期保管不可と。」
使用期限がはっきりしない。
「了解!」コピーエリクサーはスーッと消えた。
「................................」沈黙
数十分経過・・・・・・・・
「ん? コアさん大白金貨はいづこに? まさかコピーはダメなのか?」
「大変 エリクサー希望 大量。」
「何個?」
「100個。」
「ちょっと待て! 市場経済大丈夫か? おかしいだろう100億だぞ。」
「断ル?」
「うぐぅぅ 断る。100億、欲しいけど。」泣きそう。
100億も手に入れたらコアがすぐにダンジョン作れと言い出しそうだ。
「それで、3億はどこに?」
「私の倉庫でス ダンジョン資金 OK? 」
「お前の倉庫だとぉ? もう勝手にしろ!」
自由に使えないのかい。
「ダンジョン拡張可能! …召喚施設 設置不可 マスターLv50必要。」
「え、拡張?」
足元がズンズン響いて震度5レベル、ログハウス大丈夫か。
「拡張終了!」
芝生の周りに畑が現れた。川や花畑もあって遠くに山が見える。
「護衛兼作業用ゴーレム召喚!」
「ちょ、まてまてまて!」
ゴーレムが10体現れた。
「大白金貨3枚 支払済 OK?」
3億パーだ「OKじゃねぇわーー!」
「俺は自由に使える金が欲しかったんだよ。」
しくじった、コアの頭にはダンジョンの事しか無いのだ。
この時俺はエリクサーをコピーして販売することを軽く考えていた。
エリクサーは神の水 誰もが欲しがるとても貴重なものだ。
この件はずっと長く俺を悩ませる事になるのを、この時は知る由もなかった。
「地震? おお、広くなって・・・ゴーレムがいる。」
JK達が出てきた。
「畑だ、これは私のターンだね。」
農業師のユカがガッツポーズ。
「お米食べたいよね~。植えられるのかな?」
嬉しそうなJK3人娘。
「ユカさんを農業責任者に任命します。好きにやって下さい。」
この後、ユカはゴーレムを従えて農作業に励むのだった。
相変わらず頭に乗ってくるので「帽子のマネ出来ないかな。」と言うと、黒いフライト帽もどきになった。
<マネマネ>は化けるのね。便利なスキルだ。
魔物もモンスターも縄張り意識が強く侵入を許さない。
どいつもこいつも足を踏み入れると攻撃してくる。
低レベル地帯にいたのだが運悪くブルーバードと出会ってしまった。ちょっと厄介な敵だ。
この魔物は小鳥の姿だが鋭い嘴で敵を刺し、氷魔法<ヘール>を撃ってくる。
多数の氷の塊が俺達に飛んでくる。俺は<魔法シールド>で防御。
ちょこまかと動きが素早くてこっちの魔法は当たらない。
上空から一直線にブルーバードが俺達目掛けて落下してくる。「影に潜れ!」そう言って<透明化>したが、クロは動かない。
「おい!」
落ちてくるブルーバードに向かってクロはニュイ~ンと伸びると、ブルーバードを包み込み<モグモグ>した。
数十秒後「けぷっ。」と言ってブルーバードは消化されたのだった。
(従僕は絶対服従じゃないのかよ、焦ったぁ。無事でよかった。)
クロにとって最善の方法だったのだろう。
臨機応変な方がいい、俺自身はどんくさいからな。
ログハウスに戻ると中2階でテオが熱心に魔道具や薬品を調べていた。
ワイルナー伯爵家から頂いたものだ。シェルへの手切れ金と思っていいよな。
テオは錬金術師、非常に貴重な物を生み出すことが可能だ。
「テオ、いいものあった?」
「シェル、エリクサーがある! 2本も!」
テオは興奮気味だ。
「そんなに凄いの?」俺はいくらでもコピーできるのに。
「凄いに決まってる。 兄上…王太子はこれのせいで命を落としたのだから。」
「エリクサーの?」
「説明が長くなるぞ? 興味なければ聞き流せ」
「グランダ王国内に存在する巨大な森林地帯、そこに昔から森人が住んでいる。
森林地帯の中心にある神木を祀り 神木の恩恵を受けて暮らしている。神木からは薬の原料が取れて回復薬が作れるのだ。秋になるとエリクサーも作成されてグランダ王国に献上される。
数年前、傷ついたドラゴンが飛来し神木の傍に居座るようになった。神木の生命力を利用して回復し、その後も神木の力を奪い続けていた。このままでは神木は枯れてしまうと森人はドラゴンを追い払おうとしたが、多大な犠牲が出ただけで追い払えなかった。それでグランダ国王に協力を求めたのだ。貴重なエリクサーを欲する王は快諾した。
王太子という勇者がいる、簡単に討伐できると誰もが信じていた。しかし惨敗で王太子さえも失ってしまった。
それから今に至るまでドラゴンには手を出せない。
更に懸念されるのがドラゴンの後方にある2か所のダンジョンだ。
長く放置したままだと飽和状態となり魔物があふれ出すだろう。
この問題について意見は割れた。第二王子の他国に応援を求める派 第一王女の勇者召喚を行う派
埒が明かず、王女は召喚を渋る王の毒殺を試み勇者召喚を強行し、巻き込まれたのがイブキ達だ。」
マジでテオの説明長かった・・・
要は、ドラゴン倒して神木救って、スタンピードを阻止したいってことね。
「勇者って16歳だよ。ドラゴンを倒させるの?無茶だ。」
「この国では16歳で成人だ。渡り人は強力なスキルが得られるからな。反対していた第二王子派も、ジューク タチバナという勇者の能力の高さに賛成に転じたようだ。」
「ジュークか、会ってみたいな」
「ところで、テオって何歳なの?」
「私は14歳だ。」
マジか。少々ヒねてないか…
「魔道具も面白い物が沢山あるぞ。修理が必要な物がたくさんあるな、預かっていいだろうか?」
「好きにやってよ。僕はわからないから。」
「任せてくれ。」と嬉しそうだ。
中2階はテオの作業場になり時折、ミラに「綺麗に片付けなさい!」と怒られるのだった。
コアにぶつぶつ文句言われてもクロとゴロゴロしている午後の事。
「マスター 仕入れ情報 OK?」「────儲け話ならOK。」
「エリクサー 3個所望 値段相談。」 「あー1個 大白金貨1枚で。」
「................................」コア沈黙。(吹っ掛け過ぎたか・・・・)
「取引成立 至急買取希望。」
「マジかぁぁぁ 3億だぞ!」
急いでコピー品3個コアの前に置く。「注意事項を伝えてくれ。長期保管不可と。」
使用期限がはっきりしない。
「了解!」コピーエリクサーはスーッと消えた。
「................................」沈黙
数十分経過・・・・・・・・
「ん? コアさん大白金貨はいづこに? まさかコピーはダメなのか?」
「大変 エリクサー希望 大量。」
「何個?」
「100個。」
「ちょっと待て! 市場経済大丈夫か? おかしいだろう100億だぞ。」
「断ル?」
「うぐぅぅ 断る。100億、欲しいけど。」泣きそう。
100億も手に入れたらコアがすぐにダンジョン作れと言い出しそうだ。
「それで、3億はどこに?」
「私の倉庫でス ダンジョン資金 OK? 」
「お前の倉庫だとぉ? もう勝手にしろ!」
自由に使えないのかい。
「ダンジョン拡張可能! …召喚施設 設置不可 マスターLv50必要。」
「え、拡張?」
足元がズンズン響いて震度5レベル、ログハウス大丈夫か。
「拡張終了!」
芝生の周りに畑が現れた。川や花畑もあって遠くに山が見える。
「護衛兼作業用ゴーレム召喚!」
「ちょ、まてまてまて!」
ゴーレムが10体現れた。
「大白金貨3枚 支払済 OK?」
3億パーだ「OKじゃねぇわーー!」
「俺は自由に使える金が欲しかったんだよ。」
しくじった、コアの頭にはダンジョンの事しか無いのだ。
この時俺はエリクサーをコピーして販売することを軽く考えていた。
エリクサーは神の水 誰もが欲しがるとても貴重なものだ。
この件はずっと長く俺を悩ませる事になるのを、この時は知る由もなかった。
「地震? おお、広くなって・・・ゴーレムがいる。」
JK達が出てきた。
「畑だ、これは私のターンだね。」
農業師のユカがガッツポーズ。
「お米食べたいよね~。植えられるのかな?」
嬉しそうなJK3人娘。
「ユカさんを農業責任者に任命します。好きにやって下さい。」
この後、ユカはゴーレムを従えて農作業に励むのだった。
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