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第3章 秘密の花園
第22話 精霊石
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翌朝の水桶を使ったテストは、二人を驚かせた。リアムのように桶の中心に幾重もの波紋が折り重なるような現象は起きなかったが、リリカの両手で挟まれた桶の水面は渦を巻き、浮かせた紙片はぐるぐると周り、水分を吸って底に沈んだ。パターンは違ったが、水面の動きの激しさは、リアムのものに近かった。
「まさか一日でな。正直、ここまで伸びるとは思わなかった。」
「・・・普通はどのくらいかかるものなんですか?」
「個人差もあるが、2週間はかけるのが普通だ。あのトレーニング方法は効果は凄いが、赤の他人と直接それも長時間接触するからな、魔力の送り手も受けても反射的に精神的な抵抗感が大抵はあって、それが効果を減じるんだ。」
「へぇ・・・。そうなんですか。(わたし、抵抗感とかなかったから効果が高かったのかな。)」
だからこそ禁止された訓練術なのである。2週間をかけ、十分な効果が得られるようになり、訓練が終了する頃には、禁じられた師弟関係がいっちょ上がりなのだ。
もっとも、すでに何かと理由をつけてはベタベタしていたこの二人の場合は、端から精神的な抵抗感もなく、最大効率を発揮した上に、特に不都合なこともなかった。
「これだけ効果がでたら、このトレーニングはあと2日もやれば十分だな。」
「え?」
これからしばらくは毎日あんなすごいドロドロのやるんだと、テレつつもワクワクしていたリリカは、あからさまに落胆の表情をした。まさかの3日だけ。
「・・なんか残念そうだね、リリカ。勘違いをしてはいけないよ。あくまでもトレーニングのためですよ。」
「・・・わ、わかってますもん。」
トレーニング中にリリカに悪戯をしたリアムがそれを言う資格はないと思うが。。。
基礎魔力の向上は目覚しい結果になったので、リアムはこの先のプランを模索し始めた。
(渦を巻くと言うことは、力のかけ方が均等でないと言うこと。まあ、当たり前だ。今まで全く持ち合わせていなかった力に覚醒したんだからな。当然操れる訳がない。これからは魔力を増やすことよりも、その操作能力を鍛えることを重視したほうがよいな。)
リリカに魔術を教えるようになって、リアムは自分自身の魔術研究もスムーズになってきていた。リリカが魔術のことをまったく知らない間は、リアムが魔導書を読んだり、術の研究を始めるとリリカは完全に取り残されてしまっていた。
そんな時のリリカは、もくもくと家事をこなし、ひたすら働くのだった。だが、そういう時の「食事の準備ができた」と呼びにくるリリカの表情は、リアムを気が気でなくさせるのだった。
結局浮かない顔のリリカが気になって、リアムは魔術研究に集中できなくなる。だが、これで彼女を置いてきぼりにすることもなくなるだろう。
再び自分の魔術研究に没頭できるようになったリアムは、いよいよ島にかけるべき結界魔術の具体化をする段階になった。しかし、いざ結界魔術の準備をと考えると、リアムは非常な物資不足を感じた。
島を取り囲む規模の巨大結界魔術は、消費するエネルギーもさることながら、常時発動し続けなければならないと言う問題がある。術師にも生活がある。食事をする間も、寝る間も、結界魔術を使い続けると言うわけにはいかない。
術師を遠距離から、自動で発動し続ける装置(魔道具)が要る。そして、その魔道具を稼働し続けるエネルギー源も必要だ。
(精霊石がもっと必要だ。それも大量に。)
そうリアムは考えた。精霊石とは魔力を封じ込めた石や宝石の類で、この世界では、しばしば魔道具の動力源として使われる。
以前にリリカの菜園で結界魔術の実験をした時に用いたものだ。リアムが使用したのは、フォルセル王国産の輸入品だ。だが、術の規模を大きくするなら、今持っている分ではまるで足りない。
買うか作るかをしなければならない。普通は買うものだが、島を出たくないリアムは何とか作りたいと考えている。(丁度よい、早速リリカが役に立ちそうだ。)
夜、魔力強化のトレーニング2日目。精霊石量産のためにもリリカの魔力をぜひ強力にしようとリアムが意気込んでいると、バスタオルを敷いたリアムのベッドに、リリカは仰向けに横たわった。
「・・・。前からでも効果はあるんじゃないかと思いまして。」
「口から送り込むと、多分効果が高いぞ。」
「そうなんですね!お願いします!」
その夜の二人は終始無言で荒い鼻息をかわしながら、厳しいトレーニングに励んだのだった。
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急いで更新したのでいろいろミスってました。所々修正かけております。
今日は忙しくて、ギリギリの更新になりました。
「まさか一日でな。正直、ここまで伸びるとは思わなかった。」
「・・・普通はどのくらいかかるものなんですか?」
「個人差もあるが、2週間はかけるのが普通だ。あのトレーニング方法は効果は凄いが、赤の他人と直接それも長時間接触するからな、魔力の送り手も受けても反射的に精神的な抵抗感が大抵はあって、それが効果を減じるんだ。」
「へぇ・・・。そうなんですか。(わたし、抵抗感とかなかったから効果が高かったのかな。)」
だからこそ禁止された訓練術なのである。2週間をかけ、十分な効果が得られるようになり、訓練が終了する頃には、禁じられた師弟関係がいっちょ上がりなのだ。
もっとも、すでに何かと理由をつけてはベタベタしていたこの二人の場合は、端から精神的な抵抗感もなく、最大効率を発揮した上に、特に不都合なこともなかった。
「これだけ効果がでたら、このトレーニングはあと2日もやれば十分だな。」
「え?」
これからしばらくは毎日あんなすごいドロドロのやるんだと、テレつつもワクワクしていたリリカは、あからさまに落胆の表情をした。まさかの3日だけ。
「・・なんか残念そうだね、リリカ。勘違いをしてはいけないよ。あくまでもトレーニングのためですよ。」
「・・・わ、わかってますもん。」
トレーニング中にリリカに悪戯をしたリアムがそれを言う資格はないと思うが。。。
基礎魔力の向上は目覚しい結果になったので、リアムはこの先のプランを模索し始めた。
(渦を巻くと言うことは、力のかけ方が均等でないと言うこと。まあ、当たり前だ。今まで全く持ち合わせていなかった力に覚醒したんだからな。当然操れる訳がない。これからは魔力を増やすことよりも、その操作能力を鍛えることを重視したほうがよいな。)
リリカに魔術を教えるようになって、リアムは自分自身の魔術研究もスムーズになってきていた。リリカが魔術のことをまったく知らない間は、リアムが魔導書を読んだり、術の研究を始めるとリリカは完全に取り残されてしまっていた。
そんな時のリリカは、もくもくと家事をこなし、ひたすら働くのだった。だが、そういう時の「食事の準備ができた」と呼びにくるリリカの表情は、リアムを気が気でなくさせるのだった。
結局浮かない顔のリリカが気になって、リアムは魔術研究に集中できなくなる。だが、これで彼女を置いてきぼりにすることもなくなるだろう。
再び自分の魔術研究に没頭できるようになったリアムは、いよいよ島にかけるべき結界魔術の具体化をする段階になった。しかし、いざ結界魔術の準備をと考えると、リアムは非常な物資不足を感じた。
島を取り囲む規模の巨大結界魔術は、消費するエネルギーもさることながら、常時発動し続けなければならないと言う問題がある。術師にも生活がある。食事をする間も、寝る間も、結界魔術を使い続けると言うわけにはいかない。
術師を遠距離から、自動で発動し続ける装置(魔道具)が要る。そして、その魔道具を稼働し続けるエネルギー源も必要だ。
(精霊石がもっと必要だ。それも大量に。)
そうリアムは考えた。精霊石とは魔力を封じ込めた石や宝石の類で、この世界では、しばしば魔道具の動力源として使われる。
以前にリリカの菜園で結界魔術の実験をした時に用いたものだ。リアムが使用したのは、フォルセル王国産の輸入品だ。だが、術の規模を大きくするなら、今持っている分ではまるで足りない。
買うか作るかをしなければならない。普通は買うものだが、島を出たくないリアムは何とか作りたいと考えている。(丁度よい、早速リリカが役に立ちそうだ。)
夜、魔力強化のトレーニング2日目。精霊石量産のためにもリリカの魔力をぜひ強力にしようとリアムが意気込んでいると、バスタオルを敷いたリアムのベッドに、リリカは仰向けに横たわった。
「・・・。前からでも効果はあるんじゃないかと思いまして。」
「口から送り込むと、多分効果が高いぞ。」
「そうなんですね!お願いします!」
その夜の二人は終始無言で荒い鼻息をかわしながら、厳しいトレーニングに励んだのだった。
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急いで更新したのでいろいろミスってました。所々修正かけております。
今日は忙しくて、ギリギリの更新になりました。
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