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第5章 結界と侵入者
第47話 結界魔術の試運転(後半)
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ペンダントを使ったマジックシールドの展開は簡単で、ペンダントの魔石に念を送り込むことですぐにマジックシールドの魔術が使えた。防御壁は目には見えないが、魔力を感じる感覚で、大体どの位置にあるかは把握できる。「魔力を感じる感覚」と言うものは、現実世界の人間には理解できない感覚だが、肌で感じる温度と耳で感じる音が混じるような感覚だ。
防御壁の範囲や強度は、送り込む念力の強さとその操作で調節できた。広範囲の防御壁と強度の高い防御壁は、いずれもより多くの念力を投入するが、術の発動時のイメージの仕方で結果が異なった。この辺はもう少し練習した方がよさそうだ。
「さすがだな、リリカ。何の練習をしないといけないか、もう分かってきたみたいだね。」
何度かペンダントでマジックシールドを試すリリカを見て、リアムが言葉をかけた。
「念力を強く投入すると、壁の強度を強くしたり、広い範囲に壁を作ったりできるみたいですけど。その使い分けがちょっと難しいので、練習がいるなと思いました。」
「そうだな。より強い壁をイメージするのか、広い範囲を守るイメージとするのかで、同じ強い念力を送るにしても、結果が変わる。魔術の制御に大切なイメージのコントロールが重要になるね。」
「リリカ、マジックシールドの性能を試してみよう。」
「いいですけど、どうしたらいいですか?」
リアムは、地面に転がっている石を物色し、こぶし大の石ころとしてはやや大きめのものを手に取った。
「いいか?これを俺がお前に向けて投げるから、マジックシールドではじいてみろ。大事なのは、顔とかに物が飛んできても動じないことだ。動揺は術を弱める。いくらマジックシールドの防御力が高くても、動揺して術が弱まったら元も子もないからな。」
「や、やってみます。」
リリカは、身の回りにめいっぱいの出力で結界を張ってみた。強度を高くするために、範囲を狭め、自分の身体の外側30センチくらいの範囲にした。
「俺の投擲力なんて大したものじゃないから、普通ならこの石でマジックシールドが破られることはない。ただし顔に向けて投げるからな。ビビるなよ!」
リアムが、握っていた石を投げつける。
「ひっ!」
──パリン
──コンッ
「・・・い、痛。」
顔面に投げつけられた石が怖くて、リリカは身が竦んだ。両手は頭を抱える感じになり、結界はたやすく破れてしまった。勢いを失いつつも、完全には速度をなくさなかった石が、軽くリリカの頭にぶつかった。リアムが駆け寄る。
「大丈夫か?言ってるそばからビビりまくりじゃないか。」
「ご、ごめんなさい。」
「こりゃ、慣れが必要だな。マジックシールドが使えるだけじゃ、実践では役に立たなそうだ。」
「・・・つい、びくってなっちゃいました。」
「うん、反射的に身体が身を守ろうとするんだろうが、むしろその方が身を守れないことを、訓練で身につけろよ。少しずつ練習することにしよう。」
「はい。」
エルチェリータの酒場で3人の冒険者が、杯を酌み交わしている。
ドルゴス:「グフフフ、なかなかおいしい話だったな。」
フィリップ:「ああ、人間一人をひっとらえるだけで、300Gとはな。」
セラフィーナ:「しぃっ!あまり大きな声で任務の中身の話をすんじゃないよ!言ってただろ?その値段には、秘密保持料も含まれてるってさ。」
ドルゴス:「そう神経質になるなよ。雇い主の話をしなければいいんだろうが?」
セラフィーナ:「馬鹿だね、あんた。ホシの情報も漏らすなって言われたの忘れたのかい?」
フィリップ:「まあ、なんにせよ。こんなおいしい話、他のギルドの連中に知られたら、妬まれかねんからな。こっそりこなすとしようぜ。だが、人間一人に、ギルドの俺ら3人がかりって、話がうますぎるようにも思うな。さんざん魔物を相手にしている俺たちからしたら、はっきり言って楽勝だぜ?」
セラフィーナ:「だから、あんまり甘く見るんじゃないよ。ホシは一人かもしれないけど、仲間がいることも充分考えられるだろ?」
フィリップ:「アロン島だろ?考えにくいな。定期便もないあの島にまとまった人数が入ったら、渡航記録か、密航にしても目撃者の手がかりがあるはずだ。」
ドルゴス:「コソコソと逃げ回っとるんだろう。」
フィリップ:「そういえば、奴は姿をくらます前後で、奴隷商人のところに顔を出したんだったな。」
ドルゴス:「大した話じゃねぇだろうよ。子供奴隷を一人買っただけだって話だぜ?店主が言うには、性奴隷にする目的だったってよ。ゲヘヘ」
セラフィーナ:「ったく、吐き気がするよ。いっそ殺してもいい任務にしてくれればよかったのに。」
フィリップ:「まぁ、女のお前からしたらそうだろうな。何にしても1●歳の農家育ちの小娘だろ?戦力にもならん。楽な仕事だぜ。」
ドルゴス:「や、奴を捕まえるついでに、その娘、つまみ食いしてみてぇな。」
──パァン
ドルゴス:「て、てめぇ。」
セラフィーナ:「あたしの前でそういう話をすんじゃねぇ!やんのかコラ。」
フィリップ:「お前ら、やめろ。下らんことで仲間割れしちまったら、目の前の報酬がパァになるだろうが。(この馬鹿。黙ってりゃいいものを、女の前でそういう話すんじゃねぇ。)」
セラフィーナ:「・・・船の手配は、いつにする?」
フィリップ:「3日後くらいになりそうだ。今、結構出張ってるらしいんでな。」
セラフィーナ:(性奴隷で買われて、無人島に連れられて、男の慰み者か。さぞかし辛い思いをしてるんだろうねぇ。)
荒れくれものの一人ではあるが、セラフィーナは女だ。性奴隷として買われていったという少女の行く末には、同情の念があった。
「ご主人様、今夜もミルクご馳走様でした。」
「・・・」
「リリカ、大人の味が分かってきたかもです!苦いのも悪くないですよね。」
「・・・」
「次は下のお口でもいいですか?」
「待って。ちょっと休もう。今出したばかりだし。」
「休んだら、就寝時間来ちゃいますよう。リリカは今したいです!ね♪ご主人様♡」
その日、辛い思いをしているのは、どちらかというとリアムの方だった。
-----------------------
そろそろバトル的な展開になりそうになってきましたが、結末を決めてません。焦ります。どうしようかな。どうしよう。
防御壁の範囲や強度は、送り込む念力の強さとその操作で調節できた。広範囲の防御壁と強度の高い防御壁は、いずれもより多くの念力を投入するが、術の発動時のイメージの仕方で結果が異なった。この辺はもう少し練習した方がよさそうだ。
「さすがだな、リリカ。何の練習をしないといけないか、もう分かってきたみたいだね。」
何度かペンダントでマジックシールドを試すリリカを見て、リアムが言葉をかけた。
「念力を強く投入すると、壁の強度を強くしたり、広い範囲に壁を作ったりできるみたいですけど。その使い分けがちょっと難しいので、練習がいるなと思いました。」
「そうだな。より強い壁をイメージするのか、広い範囲を守るイメージとするのかで、同じ強い念力を送るにしても、結果が変わる。魔術の制御に大切なイメージのコントロールが重要になるね。」
「リリカ、マジックシールドの性能を試してみよう。」
「いいですけど、どうしたらいいですか?」
リアムは、地面に転がっている石を物色し、こぶし大の石ころとしてはやや大きめのものを手に取った。
「いいか?これを俺がお前に向けて投げるから、マジックシールドではじいてみろ。大事なのは、顔とかに物が飛んできても動じないことだ。動揺は術を弱める。いくらマジックシールドの防御力が高くても、動揺して術が弱まったら元も子もないからな。」
「や、やってみます。」
リリカは、身の回りにめいっぱいの出力で結界を張ってみた。強度を高くするために、範囲を狭め、自分の身体の外側30センチくらいの範囲にした。
「俺の投擲力なんて大したものじゃないから、普通ならこの石でマジックシールドが破られることはない。ただし顔に向けて投げるからな。ビビるなよ!」
リアムが、握っていた石を投げつける。
「ひっ!」
──パリン
──コンッ
「・・・い、痛。」
顔面に投げつけられた石が怖くて、リリカは身が竦んだ。両手は頭を抱える感じになり、結界はたやすく破れてしまった。勢いを失いつつも、完全には速度をなくさなかった石が、軽くリリカの頭にぶつかった。リアムが駆け寄る。
「大丈夫か?言ってるそばからビビりまくりじゃないか。」
「ご、ごめんなさい。」
「こりゃ、慣れが必要だな。マジックシールドが使えるだけじゃ、実践では役に立たなそうだ。」
「・・・つい、びくってなっちゃいました。」
「うん、反射的に身体が身を守ろうとするんだろうが、むしろその方が身を守れないことを、訓練で身につけろよ。少しずつ練習することにしよう。」
「はい。」
エルチェリータの酒場で3人の冒険者が、杯を酌み交わしている。
ドルゴス:「グフフフ、なかなかおいしい話だったな。」
フィリップ:「ああ、人間一人をひっとらえるだけで、300Gとはな。」
セラフィーナ:「しぃっ!あまり大きな声で任務の中身の話をすんじゃないよ!言ってただろ?その値段には、秘密保持料も含まれてるってさ。」
ドルゴス:「そう神経質になるなよ。雇い主の話をしなければいいんだろうが?」
セラフィーナ:「馬鹿だね、あんた。ホシの情報も漏らすなって言われたの忘れたのかい?」
フィリップ:「まあ、なんにせよ。こんなおいしい話、他のギルドの連中に知られたら、妬まれかねんからな。こっそりこなすとしようぜ。だが、人間一人に、ギルドの俺ら3人がかりって、話がうますぎるようにも思うな。さんざん魔物を相手にしている俺たちからしたら、はっきり言って楽勝だぜ?」
セラフィーナ:「だから、あんまり甘く見るんじゃないよ。ホシは一人かもしれないけど、仲間がいることも充分考えられるだろ?」
フィリップ:「アロン島だろ?考えにくいな。定期便もないあの島にまとまった人数が入ったら、渡航記録か、密航にしても目撃者の手がかりがあるはずだ。」
ドルゴス:「コソコソと逃げ回っとるんだろう。」
フィリップ:「そういえば、奴は姿をくらます前後で、奴隷商人のところに顔を出したんだったな。」
ドルゴス:「大した話じゃねぇだろうよ。子供奴隷を一人買っただけだって話だぜ?店主が言うには、性奴隷にする目的だったってよ。ゲヘヘ」
セラフィーナ:「ったく、吐き気がするよ。いっそ殺してもいい任務にしてくれればよかったのに。」
フィリップ:「まぁ、女のお前からしたらそうだろうな。何にしても1●歳の農家育ちの小娘だろ?戦力にもならん。楽な仕事だぜ。」
ドルゴス:「や、奴を捕まえるついでに、その娘、つまみ食いしてみてぇな。」
──パァン
ドルゴス:「て、てめぇ。」
セラフィーナ:「あたしの前でそういう話をすんじゃねぇ!やんのかコラ。」
フィリップ:「お前ら、やめろ。下らんことで仲間割れしちまったら、目の前の報酬がパァになるだろうが。(この馬鹿。黙ってりゃいいものを、女の前でそういう話すんじゃねぇ。)」
セラフィーナ:「・・・船の手配は、いつにする?」
フィリップ:「3日後くらいになりそうだ。今、結構出張ってるらしいんでな。」
セラフィーナ:(性奴隷で買われて、無人島に連れられて、男の慰み者か。さぞかし辛い思いをしてるんだろうねぇ。)
荒れくれものの一人ではあるが、セラフィーナは女だ。性奴隷として買われていったという少女の行く末には、同情の念があった。
「ご主人様、今夜もミルクご馳走様でした。」
「・・・」
「リリカ、大人の味が分かってきたかもです!苦いのも悪くないですよね。」
「・・・」
「次は下のお口でもいいですか?」
「待って。ちょっと休もう。今出したばかりだし。」
「休んだら、就寝時間来ちゃいますよう。リリカは今したいです!ね♪ご主人様♡」
その日、辛い思いをしているのは、どちらかというとリアムの方だった。
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そろそろバトル的な展開になりそうになってきましたが、結末を決めてません。焦ります。どうしようかな。どうしよう。
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