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第5章 結界と侵入者
第52話 ★実戦の練習
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まだ、もう少し時間もあったので、二人はファイアーボールの使い方をいろいろ試した。リアムがいろいろなシチュエーションを想像し、練習方法を考案した。まずは離れた的に正確にヒットさせる練習をもう少し。5メートルは問題なかったので、10メートル、20メートルと距離を伸ばして試してみた。
普通に物を投げるにしても、普段野球などをしている人でないと、狙いに命中させるのは結構難しい。リアムもリリカも20メートル離れた的は、かなり外した。けども、繰り返しているうちに、火球を動かしているのは、そもそも自分の魔力なんだから、直線的に飛ばすのではなく、的に向けて軌道修正すればよいではないかということに気づいた。軌道修正を意識して撃つ練習をすると、300メートル離れていても命中させられた。毎度遠くに的を設置するわけにもいかないので、遠くに見える岩などを的にして練習をしてみた。
「あんまり遠くだと、威力は下がるみたいですね。」
「うん。だが、弓とか飛び道具を持った相手のことも考えると、近くの敵に高威力の攻撃ができるよりも、遠くの敵に攻撃できることの方が重要だろうな。」
「リリカの場合だと、300メートル以上になってくると、2秒くらい時間かけないと岩とか破壊できないですね。」
何度も書くが、ファイアーボールは威力は二の次で使うので、普通は岩を破壊とかできない。離れていたら論外。
「確かにな。仕方がないけど、その辺は練習あるのみだな。魔力の総量だけでなく、コントロールも重要になるからな。」
「ですね。あ、狩りに使えるかもですね。良くカモメとか飛んでるじゃないですか!」
「ちょうどいい、やってみな。動く的に当てるのは難しいが、より実戦に近いし、今晩のおかずにできるぞ。」
結局、リリカは何度かやってみたものの、おかずにするのは諦めることとなった。最初の2,3発外した後は、当たるようにはなったのだが、火球の温度が高すぎて鳥が炭化してしまい、炭化はまだいい方で灰になって何も落ちてこなかったりと、食べられる状態で狩ることができなかったからだ。
「グスン。ごめんなさい。リリカ、狩りとか無理みたいです。」
「いいよいいよ。当たるようになったし、多分俺も威力が出すぎて無理だろうしな。」
その他、走りながら的に火球を当てる練習をしたり、マジックシールドを使いながらファイアーボールを使う練習をしたりと、いろいろ試したが、どれも10~15分ほど練習するとそこそこできるようになった。ちょっとした運動会気分で二人は気持ちのいい汗をかいたのだった。(普段二人でかく汗と比べると、とても健全である。)
これも、連日のイグニスヒールでの魔石づくりが効いていた。高い技術を必要とし、魔力負荷も大きいイグニスヒールを、1時間以上一定の範囲に一定の温度で継続的にかけ続ける、というのは消費魔力もさることながら、制御技術も非常に研ぎ澄まされていないとできない。魔石制作で培った基礎技術があったため、様々な手法をすぐに習得できたようだ。
そろそろ夕飯の支度をしないといけないということもあり、二人は手をつないで屋敷に向かって歩いていた。
「あー!何かいい運動した感じだ。」
「ゲームっぽくてリリカもなんか楽しかったです。こんな修業だったら毎日楽しいなぁ!」
「いや、黒魔術の修業は、そんな甘いもんじゃないぞ、リリカ。初等魔術のファイアーボールだから、運動会感覚でできるだけだ。本場の黒魔術師の高位魔術の修業はもっと過酷なはずだぞ。」
「そうですよね。あたしのなんか本当に初歩の練習だからですよね。」
リアムもたくさんの魔導書を読んで、黒魔術の知識はかなり豊富になったが、実際の黒魔術の修業現場を見たことはないので、想像することしかできない。しかし、高度な魔術の訓練が楽であるはずはない、と己を律していた。
「だが、マジックシールドを使いながらのファイアーボールとかは、実戦でもかなり役に立ちそうだな。」
「二つの魔術を使うのは、ちょっと慣れが必要でしたけど、こーぼーいったいですもんね!」
「そう、攻防一体だ。どっちもきっちりできたら、そう簡単に負けることはないだろうからな。」
「リリカ思ったんですけど、マジックシールドで敵を取り囲んで、その中にファイアボールを撃ったら、相手は逃げられないんじゃないですかね。」
「すごいこと思いつくな、お前。まあ、相手がそれなりに近くにいないといけないだろうが、それができたら、勝負ありだな。」
二つ以上の魔術を同時に使う技術は、マルチスペルとよばれ、フォルセル王国の魔導研究所では、奥義の一つとされているのだが。。そんなことは二人は知る由もない。
「リリカが、護身術を身に着けてきたので、俺も大分安心できるけど、いつ何者が侵入してくるかわからないからな。一人で外を歩き回ったりとかは、するんじゃないぞ。」
「いつものようにしてればいいですよね?」
「いつも?」
「いつも一緒にいますもん。こんなふうに♡」
ぎゅっとつないだ手に力を込めるリリカ。
「・・・ま、そうだな。」
薄暗がりの中、二人は屋敷の扉を開け、入っていった。
エルチェリータの港に一隻の船が停泊している。前々から予約していた、近距離航行用のチャーター船だ。漁師風の男が、署名の終わった契約書を持って案内をしている。
漁師風の男:「さあ、これが貸し出す船だ。整備はしてあるが、異常がないかあんたらも事前に確認しておいてくれよ。」
フィリップ:「ああ、ごくろう。」
漁師風の男:「貸出期間は3日。定刻までにここに船をつけて返還してくれ。では、航海の無事を祈っているよ。」
そう挨拶をすると、男は漁師ギルドの事務所に戻っていった。
ドルゴス:「いよいよだな。腕が鳴るぜ。」
フィリップ:「口がきける状態で捉えりゃいいんだよな。相手は一人、それもヒーラーで非戦闘員だ。楽勝だな。」
セラフィーナ:「まだ一人と決まったわけじゃないよ。油断は禁物だよ?」
ドルゴス:「一人じゃない場合は、奴隷娘ちゃんが生きてる場合だろ?むしろ大歓迎だぜ。なぁ、フィリップ?」
フィリップ:「・・・あんまり下品な話題を俺に振るな。(セラフィーナが怒るだろうが。)」
セラフィーナ:「・・・はぁ。(やだねぇ、これだから冒険者の男どもは。あがりはいいからね、とっとと済ませて、報酬をいただこう。)」
とうとう例の冒険者たちがアロン島を目指す時が来たのだった。
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戦闘の回が続きそうなので、しばらくエロシーンは入れられないかもしれません。エロ小説なのに。。すみません。
普通に物を投げるにしても、普段野球などをしている人でないと、狙いに命中させるのは結構難しい。リアムもリリカも20メートル離れた的は、かなり外した。けども、繰り返しているうちに、火球を動かしているのは、そもそも自分の魔力なんだから、直線的に飛ばすのではなく、的に向けて軌道修正すればよいではないかということに気づいた。軌道修正を意識して撃つ練習をすると、300メートル離れていても命中させられた。毎度遠くに的を設置するわけにもいかないので、遠くに見える岩などを的にして練習をしてみた。
「あんまり遠くだと、威力は下がるみたいですね。」
「うん。だが、弓とか飛び道具を持った相手のことも考えると、近くの敵に高威力の攻撃ができるよりも、遠くの敵に攻撃できることの方が重要だろうな。」
「リリカの場合だと、300メートル以上になってくると、2秒くらい時間かけないと岩とか破壊できないですね。」
何度も書くが、ファイアーボールは威力は二の次で使うので、普通は岩を破壊とかできない。離れていたら論外。
「確かにな。仕方がないけど、その辺は練習あるのみだな。魔力の総量だけでなく、コントロールも重要になるからな。」
「ですね。あ、狩りに使えるかもですね。良くカモメとか飛んでるじゃないですか!」
「ちょうどいい、やってみな。動く的に当てるのは難しいが、より実戦に近いし、今晩のおかずにできるぞ。」
結局、リリカは何度かやってみたものの、おかずにするのは諦めることとなった。最初の2,3発外した後は、当たるようにはなったのだが、火球の温度が高すぎて鳥が炭化してしまい、炭化はまだいい方で灰になって何も落ちてこなかったりと、食べられる状態で狩ることができなかったからだ。
「グスン。ごめんなさい。リリカ、狩りとか無理みたいです。」
「いいよいいよ。当たるようになったし、多分俺も威力が出すぎて無理だろうしな。」
その他、走りながら的に火球を当てる練習をしたり、マジックシールドを使いながらファイアーボールを使う練習をしたりと、いろいろ試したが、どれも10~15分ほど練習するとそこそこできるようになった。ちょっとした運動会気分で二人は気持ちのいい汗をかいたのだった。(普段二人でかく汗と比べると、とても健全である。)
これも、連日のイグニスヒールでの魔石づくりが効いていた。高い技術を必要とし、魔力負荷も大きいイグニスヒールを、1時間以上一定の範囲に一定の温度で継続的にかけ続ける、というのは消費魔力もさることながら、制御技術も非常に研ぎ澄まされていないとできない。魔石制作で培った基礎技術があったため、様々な手法をすぐに習得できたようだ。
そろそろ夕飯の支度をしないといけないということもあり、二人は手をつないで屋敷に向かって歩いていた。
「あー!何かいい運動した感じだ。」
「ゲームっぽくてリリカもなんか楽しかったです。こんな修業だったら毎日楽しいなぁ!」
「いや、黒魔術の修業は、そんな甘いもんじゃないぞ、リリカ。初等魔術のファイアーボールだから、運動会感覚でできるだけだ。本場の黒魔術師の高位魔術の修業はもっと過酷なはずだぞ。」
「そうですよね。あたしのなんか本当に初歩の練習だからですよね。」
リアムもたくさんの魔導書を読んで、黒魔術の知識はかなり豊富になったが、実際の黒魔術の修業現場を見たことはないので、想像することしかできない。しかし、高度な魔術の訓練が楽であるはずはない、と己を律していた。
「だが、マジックシールドを使いながらのファイアーボールとかは、実戦でもかなり役に立ちそうだな。」
「二つの魔術を使うのは、ちょっと慣れが必要でしたけど、こーぼーいったいですもんね!」
「そう、攻防一体だ。どっちもきっちりできたら、そう簡単に負けることはないだろうからな。」
「リリカ思ったんですけど、マジックシールドで敵を取り囲んで、その中にファイアボールを撃ったら、相手は逃げられないんじゃないですかね。」
「すごいこと思いつくな、お前。まあ、相手がそれなりに近くにいないといけないだろうが、それができたら、勝負ありだな。」
二つ以上の魔術を同時に使う技術は、マルチスペルとよばれ、フォルセル王国の魔導研究所では、奥義の一つとされているのだが。。そんなことは二人は知る由もない。
「リリカが、護身術を身に着けてきたので、俺も大分安心できるけど、いつ何者が侵入してくるかわからないからな。一人で外を歩き回ったりとかは、するんじゃないぞ。」
「いつものようにしてればいいですよね?」
「いつも?」
「いつも一緒にいますもん。こんなふうに♡」
ぎゅっとつないだ手に力を込めるリリカ。
「・・・ま、そうだな。」
薄暗がりの中、二人は屋敷の扉を開け、入っていった。
エルチェリータの港に一隻の船が停泊している。前々から予約していた、近距離航行用のチャーター船だ。漁師風の男が、署名の終わった契約書を持って案内をしている。
漁師風の男:「さあ、これが貸し出す船だ。整備はしてあるが、異常がないかあんたらも事前に確認しておいてくれよ。」
フィリップ:「ああ、ごくろう。」
漁師風の男:「貸出期間は3日。定刻までにここに船をつけて返還してくれ。では、航海の無事を祈っているよ。」
そう挨拶をすると、男は漁師ギルドの事務所に戻っていった。
ドルゴス:「いよいよだな。腕が鳴るぜ。」
フィリップ:「口がきける状態で捉えりゃいいんだよな。相手は一人、それもヒーラーで非戦闘員だ。楽勝だな。」
セラフィーナ:「まだ一人と決まったわけじゃないよ。油断は禁物だよ?」
ドルゴス:「一人じゃない場合は、奴隷娘ちゃんが生きてる場合だろ?むしろ大歓迎だぜ。なぁ、フィリップ?」
フィリップ:「・・・あんまり下品な話題を俺に振るな。(セラフィーナが怒るだろうが。)」
セラフィーナ:「・・・はぁ。(やだねぇ、これだから冒険者の男どもは。あがりはいいからね、とっとと済ませて、報酬をいただこう。)」
とうとう例の冒険者たちがアロン島を目指す時が来たのだった。
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戦闘の回が続きそうなので、しばらくエロシーンは入れられないかもしれません。エロ小説なのに。。すみません。
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