黒魔術と性奴隷と ~闇の治療魔術師奇譚~

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第2部 第1章 アロン島の物語再び

第4話 ★黒魔術の訓練状況

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エロなし回です。すみません。物語の設定を思い出すための作者自身のリハビリ回みたいになりました。
以前からですが、タイトルに★がついてるときはすみませんがエロなし回です。
よく印のついてる回がエロありという方式がありますが、うちのは基本エロ有りが標準と思ってるので、エロなしに印付けてます(笑)
─────────


 連載再会早々に3話もかけてエッチなことばかりしている二人だが(メタ発言自重しろ)、別に日がな一日そんなことばかりに耽っているわけでは断じてない。

 そもそもリリカは、性奴隷のする仕事が何であるか、今も知らないのである(は?)。

 元々リリカは働き者な性分なので、食事の支度もすれば掃除洗濯なんでも完璧にやる。そのため二人の家の中はきちんと整っている。

 加えてリアムは規則正しい生活を守り、リリカにも守らせているので、夜のある時間帯を除けば非常に模範的な生活ぶりだ。

 そんな二人だけの生活が続く無人島暮らしだが、平和な暮らしを脅かす事件が起きたこともある。リアムを憎む修道士長のアーネスト神父が冒険者を雇ってリアムを捕らえようとしたのだ。

 幸いリアムが研鑽を積んできた黒魔術によって刺客は撃退されたが、彼が以前から懸念していた通り、外からの侵入者からいかに身を守るか、という課題が浮き彫りになった。

 当初、リアムは島全体に結界を張り、何人たりとも外から島へ侵入できないようにすることを考え、かなりの時間をかけて研究をしてきたが、やはり規模が大きすぎて難しいという結論になった。

 今では、魔力を込めた石(=魔石)を島の各所に配置し、侵入者が島に上陸するとリアムとリリカが直ちにそれを把握できるような仕組みにしている。

 つまり、自分の身は自ら守らなければならない。そのため二人は日ごろから黒魔術の実戦訓練を積んでいる。

 とはいえ、頼りになるのは術の使い方が書かれている魔導書のみで、魔術を使った実戦を指導してくれるような人はいない。自分たちで何とかするしかない。

 そこで二人は、午前中は家事や畑仕事など、生活の維持に必要な諸々を片付け、天気が良ければ午後はなるべく魔術の実戦トレーニングに励むようになった。

 最近リリカは、ファイアーボールを含めいくつかの初等魔法を思い通りに使えるようになってきて、午後の魔術訓練は結構楽しく励んでいる。別にエッチしか頭にないわけではないのだ!そう、別にエッチしか(ry (二度言いかけたので強制終了)

 しかしリアムは全く楽観はしていない。いろいろトレーニングメニューを工夫してみてはいるが、しょせん素人の浅知恵の域を超えられるはずはない。

 本場の黒魔術師は俺たちの想像も及ばないような高度な魔術と実践訓練を積んでいるに違いないのだ。

 冒険者や軍隊もしかり。この前はたまたま撃退に成功したが、彼らは物理攻撃の世界のプロだ。

 机上の論理しか知らない俺が少々頭をひねり、トレーニングの真似事をしたところで、いざ真っ向勝負となればあっという間に命を取られてしまうだろう。

 リアムの専門は治療魔術だ。だから戦場に赴いたことはあっても負傷兵の治療に専念するのみで、自分自身が戦場で命を危険にさらしたことは一度もない。

 そのため、物理戦闘でも魔術戦闘でも、戦いのプロに対するリスペクトというか警戒心は非常に強い。

「いいか、リリカ。今日は魔術の攻防の模擬戦をする。」
「はい!」
「これまで勉強してきた中で、ファイアーボール、フリーズ、エアカッターあたりはリリカも使えるようになってきたからな。あとは、マジックシールドも駆使して、撃ち合いをする。」
「はい!」
「俺は、威力を抑えて撃つが、リリカは全力で来い。勝負は、そうだな2時間くらいはぶっ続けでやれるか?」
「2時間なら大丈夫だと思います!」

 二人は10メートルほど離れた位置に立ち、「よーいドン」で模擬戦を開始した。早速リアムが火球ファイアーボールを繰り出す。5発、6発・・・、まだ止まらない、25発もの火球がものすごい速度でリリカに襲い掛かる。

 リリカは走りだし、自分の位置を変えることで火球をよけようとする。25発の火球は、途中でそれぞれが分裂し5つずつに分裂して125発になり、さらに軌道を変えてリリカを追尾しにかかる。

「空刃(エアカッター)!!」

 リリカが魔力を込め術式を展開すると、彼女の背丈ほどはある真空の刃が発現した。「えい!」空刃が現れると同時にそれを地面に向けて薙ぎ払う。空刃に斬られた地盤がえぐれる。

「凍結(フリーズ)!!」

 空刃を振り回し、地面をえぐりながら、リリカはえぐれた地盤に凍結の魔法をかけた。そのまま念力で凍結した土の塊を自分の身体の周囲で高速回転させる。リアムの放った125発の火球が襲い掛かる。

ドドドドドドドドドッ!! ──ジュワーッ!

 炎の玉と凍結した土の塊がぶつかり合い、蒸気と土煙が彼女の姿をくらました。っと、その煙幕の中から無数の空刃が飛び出し、リアムに襲い掛かる。

「やるじゃないか。」

 リアムがにやりと笑う。

「ご主人様!覚悟―!!」

 なんと別の方向から、魔力を集中させながらリリカがさらに魔法を使おうとしている。煙幕の中で空刃の魔術を使った直後、リリカは自らも煙幕から抜け出し、別の角度から火球でリアムを狙おうとしたのだ。とっさにリアムは声をしたほうに向く。

 しかし、リリカの放った空刃はリアムに容赦ない斬撃を浴びせようとしている。

「アンチマジック!」

 リアムが、スナップを聞かせて指を鳴らすと、彼の立つ地面に魔法陣が浮き上がり円柱状の見えない魔力の障壁が彼を包んだ。リアムを襲おうとした空刃はことごとく障壁によってかき消された。

「そんな!ならこれで、エイッ!ファイアーボール!!」
「マジックウォーター!」

 リアムが作り出した魔力の水は、猛スピードで迫りくる火球を飲み込み、握り潰すようにかき消した。

──(約2時間経過)──

「よし、そこまでだ。」
「はぁ、はぁ。やっぱりご主人様にはかなわないです。」

 数々の攻防が錯綜した。いくつもの魔術を同時発動し、自らもめまぐるしく走り回ったリリカはかなり息が上がっている。リアムの方は最初の立ち位置から一歩たりとも動いてはいなかった。

「だが、今日は俺の攻撃をかいくぐって、反撃までできたんだ。すごい進歩だぞ、リリカ。」
「え、そうですか?かなり必死に頑張りました。」

 きらきらと額の汗を輝かせながら、リリカが嬉しそうな顔になる。

「リリカもう少し術の発動がスムーズになるといいな。走りながら術の準備をするときに、魔力の集中が少し雑になっているような気がするよ。

最後のファイアーボールも、火球が発生するまでに1秒くらいはかかってたからな。あれだとこっちも余裕を持って対処できてしまう。」
「・・・ご主人様、一歩も動きませんでしたもんね。」
「そうだぞ。1秒もかかってたらいちいち避けなくても迎撃魔術の準備ができちゃうからな。」

 ちなみにこの世界の普通の魔術師は、魔力を集中を妨げないように、術を使う際は呼吸を整え直立不動の体勢で最大限の精神集中を図る。

 全力疾走しながら術式の立ち上げを試みるなどもっての外。黒魔術の総本山フォルセル王国の魔術師でもそんなことを試みるものはいない。あとファイアーボールは3秒程度のうちに術が立ち上がれば充分早いとされている。

 そして以前にも書いたが、二つ以上の魔術の同時使用はマルチスペルと呼ばれ、高位魔導士のみが使用できる奥義の一つである。

が、その辺のことは二人は知る由もない。

「とにかく、俺たちは黒魔術を独学でかじったに過ぎないから、日々実戦演習と基礎トレの繰り返しを怠らないようにしないとな!大変かもしれんがへこたれるなよ。」
「リリカ、魔法の練習は楽しいんで、全然平気です。もっと頑張れますよ!」
「うんうん、その意気だ!」

 そんな会話をしながら手をつないで家路に向かう二人の背後を、夕日が照らしていた。
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