黒魔術と性奴隷と ~闇の治療魔術師奇譚~

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第2章 リリカの水魔術

第16話 ★水やり水魔術

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すみません。今回魔法回なので、エロなしです。魔術の話ばかりで内容イマイチかもです。
──────


 そんなこんなでリリカの考える水の魔術を開発するまでは、魔導書を読むお勉強は休止となった。

「でも、ご主人様。新しい魔術を開発するって、実際のところ何をしたらいいんでしょうか?」
「そうだな。まずは、起こしたい現象が具体的にどんなものか整理するんだ。そして、それを魔術でやるにはどうするのか考え、ここからは実際に試してみる。そして方法が確立したら、文書に残す。書き残すことは魔術においては非常に重要なことだ。」

「書き残したら、それは魔導書ってことですよね。」
「そうだ。」
「非常に重要ってのはどうしてなんですか?ご主人様が作ったヴェイパーディフュージョンは、リリカも使えるようになりましたけど、魔導書はないですよね。」
「ヴェイパーディフュージョンは今、俺が魔導書を作成中だ。」

「あ、そうなんですか。」
「ああ。俺はこれまでにも、治療魔術についてはいくつも術を開発しているし、黒魔術の魔導書も相当読んできたから、割と即興であの術を作ったけども、普通新しい魔術というのはあんなに簡単に作れるもんじゃないんだ。」
「ふーん。・・・やったことないんでどのくらい大変なのか想像できないです。」

「まあそうだろうな。高等なものになればそれこそ年単位、そこまでいかなくても数ヶ月単位というのはざらにあるぞ。」
「ええ~!?そんなにかかるんですか?」
「ヴェイパーディフュージョンだって、術式はそれなりに複雑だっただろ?あれは初等魔術の水準だから、まだ暗記できるが、高度なのは覚えるのが結構大変だろ?」
「そういえば。。よく使うのは覚えてますけど、しばらく使ってないと忘れて魔導書を読み返したりしますね。」

「そういうもんだ。魔術師が戦いに臨むときは、魔導書を手にして戦場に赴くという話も聞くからな。すべての術式を暗記するというのは、プロでもなかなか難しいんだ。まして、新しく作った術となれば、忘れたらまた最初から考えなければならないし、他の人が使えるようになるためには、魔導書の形で残っていなければ、習得はほぼ無理だ。」
「そっかぁ。だからこんなにたくさんの魔導書が作られているんですね。」

「でだ。水やりの手間を省けるような水魔術を作りたいんだったな。」
「あ!そうですそうです!」
「じゃあ、それはどんな現象だと思う?」
「現象?・・・え~・・と、まいた水が乾かない、とかですかね。」

「確かに乾かないのは重要だな。だが、それだけじゃ足りないんじゃないか?」
「へ?そうですかね。」
「リリカが前に俺に教えてくれたことがある。植物も呼吸しているから、水はけの悪い土地で水たまりができるほど水をやったら、空気の通り道がなくて腐っちゃうんだろ?」
「あ、それ確か種まきするときにお話ししたのですね。」
「ある程度、水はけのよい土にして、朝たっぷり水を上げるのが重要だと教えてもらったが、あれはつまり、水はけがよいから、土の中の水がどんどん地面の深いところまで落ちていくということだ。」

「・・・あ、確かに。」
「つまり、水がなくなるから翌日はまた水をやらないといけない。」
「そうなりますね。」
「ということは、ヴェイパーディフュージョンの逆で水が乾かないようにする魔術を開発すれば解決するということにはならないわけだ。」
「そっか、水が落ちていかないようにもしないといけないのかぁ。」

「しかも、空気の通り道をふさがないようにしないとな。根が腐るからな。」
「一口に魔術を開発するって言っても難しいですね。」
「その難しいのをやるのが魔術開発なんだ。この場合、土の中の砂利やもっと細かい土の粒々の周りを一つ一つ水が覆って、しかもそのまま落ちないようにしつつ、しかも乾きにくくもする魔術を考えることになる。」

「えー、そんなことできますかね?」
「リリカ。普通の現象では起きないようなことをやってのけるのが魔術だよ。できないと思ってしまったらできないぞ。」
「そうですけど、どうやったらいいのか想像ができなくて。」

「例えばだ。石ころがあったとして、水に浸けて引き上げるとどうなる?」
「濡れてポタポタしずくが落ちますね。」
「そうだ、しずくになってポタポタ落ちていくので、石の表面の水は蒸発する以外でもどんどん減る。土の中で起きる現象も同じだ。だが、その水がはちみつみたいにねっとりしていたら?」
「あんまり、落ちなくなります。・・・あ。」

「気づいたか?それが一つの答えだ。水の粘度を操作するのも水魔術の一つだ。」
「ああ!じゃあ、普通の土より少し粒の大きい砂利を多めにした土を作って、その砂利の周りに水をねっとりさせて落ちにくくすれば、空気の通り道もあって水もなくならない、ってことができそうですね。」
「そうだな。それが魔術で起こしたい現象を具体的に整理するということだ。そしてそれを実現するには、どうやって水を少しドロッとさせるか、というのを実際に術を試しながら形にしていくんだ。」

 術理の構築は魔導士の学問の基幹部分で非常に高度なものだが、リリカの理解は驚くほど速かった。教えるリアムの方ががやや興奮気味だ。

「すごいぞ、リリカ!やっぱりお前は賢いな。まあ本場の魔導士には俺も含めて叶わないだろうが、うちの国の修道士どもなんかよりもずっと優秀な術師になれるぞ!」
「リリカが賢いんじゃなくて、ご主人様の教え方が分かりやすいからですよぉ。でもこれでようやくやり方が分かってきました。あ、そうだ、ご主人様!もう一つ聞きたいことが。」
「うんうん、何だ?」

 熱心に質問を繰り返すリリカに、上機嫌なリアム。

「粘度を上げる方法ができれば、逆に粘度を下げてサラサラにする方法もきっとすぐできるようになりますよね?」
「多分な。逆をやればよいんだからできると思うよ。なんだ、さらに何か応用を考えているのか?」
「エヘへ。ご主人様の、み・・・・・・」

「み?」

「・・・あ、何でもないです。水やり水魔術、リリカ頑張って作ってみます!」
「?おう。俺も協力してやるからがんばれよ!」

 今日はどういう魔術を開発するのかを二人で話して魔術の時間は終わった。明日からは、水をドロドロにする術をいろいろ試すことになるだろう。時間が終わるとリリカが楽しみにしていたご褒美の時間(ノルマなし)が始まった。

(ご主人様のミルクを飲みやすくできそうって思ったんだけど、口に出さなくて正解だったよね?)

 肌と肌を重ね合わせて、官能の渦に翻弄されつつリリカはさっきの自分の密かなファインプレーを思い返していた。「エヘへ。ご主人様のミルクをサラサラにしたら飲みやすくなるなと思って。」などといった日には、また気まずい空気になってしまっていただろう。

 リリカも少しずつ、空気の読める子に成長しているのかもしれない(←そうか?)。

─────
 かなりくどい魔術話にしてしまいました。極力こういう回は少なめにするように頑張ります。
 植物の水やりの理屈は適当なので、専門家が見たら粗ばっかりだと思いますが、これ以上もっともらしいうんちくを書くとくどすぎになると思ってるので、大目に見てやってください―。
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