黒魔術と性奴隷と ~闇の治療魔術師奇譚~

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第2章 リリカの水魔術

第19話 水魔術の応用

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 お風呂での水魔術の実験も上々の成果を上げ(そうか?)、最近のリリカの魔術研究は勢いづいている。術名はアクアジェリングにした。まだ、農作物の水やりに直接使用はしていないが、土にまく実験も行うようになった。

 実は、リリカはすぐにでも試そうとしたのだが、リアムに止められたのだ。「万が一大事な作物を枯らすようなことがあったら、俺たちの食料事情に関わる問題になるからもっと慎重にしなさい。」と言われ、リリカも納得したのだ。

 実際、土にまいて水を長く留めるというのはやってみるとあまり簡単ではなかった。これまでのお試しでは水をねばつかせたり、ゼリー状に固めたりということは実現できていたが、魔力を止めると数秒で元の水に戻ってしまっていた。

 リリカの目的は、一度水をまいたら数日は水やりをしなくても持つような魔術を作りたいと思っていたので、すぐに元の水に戻ってしまっては意味がない。だからといって、効果を持続させるために魔力をかけ続けるとしたら、普通に毎日水をやる方がよっぽど楽なので、それも意味がない。

 その課題についてはリアムが、結界魔術を開発した時の技術を使おうとアドバイスした。結界魔術は魔力の障壁を張って、外部から敵が侵入するのを防ぐ術だが、これも効果を継続させる必要がある。つまり術の中に、障壁を張る技術と術を持続させる技術があるわけだ。

 リリカのアクアジェリングも、術を持続させる技術を取り込んで初めて目的を達成できることになる。

「そのためには魔石を使うのが良いな。」
「そういえば、以前に畑で虫よけの結界を作りましたね。あんな感じですか?」
「うん。細かいことを言い出すとかなり違うが、基本は同じ技術だ。」

 魔石は、以前に二人が窯でせっせと焼成した、魔力を封じ込めた石だ。魔力を封じ込めた鉱物としては、世間ではフォルセル王国産の精霊石が有名だが、高いしそれを買いに島を出るのも大変だったので、島内で自作したのだった。

 この魔石に封じ込められた魔力を徐々に開放し、アクアジェリングの維持に充てる、というのが有効に思えた。

「ご主人様、魔石の魔力を自動的にアクアジェリングに振り向けるのはどうしたらよいのでしょうか。。」

 自分が魔石を手にもって、封じ込められた魔力を解放させ、魔術のエネルギー源にすることなら今のリリカにも充分できる。

 しかし、自分のいないところで自動的に魔石の魔力を解放させ、さらにその魔力でアクアジェリングを自動的に発動させるとなると、どうしたらいいかは見当がつかなかった。

「まだ教えてない技術だから知らないのも仕方ないな。こういう時には魔法陣を使うんだ。」
「あ、ご主人様がよく使ってるのですね。」

 リリカは先日、リアムがブラックドラゴンフレアを大規模に発動させて、全世界を闇に陥れてしまった時も、術の補助に魔法陣を使っていたのを思い出して言った。

「ああ、魔法陣は特定の術を術師の操作を離れて実行させる時に使うものだ。幾何学模様に特定の魔術的な意味が持たせてあり、正しい文法と正確な作図によって、効果を発揮する。」
「・・・ということは。」
「魔法陣の勉強を始めないとだな。」
「や、やっぱりそうですかぁ。水まき水魔術、想像してたよりずっと大変ですね。」
「これが、新しい魔術を創るっていうことだ。大変じゃないはずないだろ?技術が完成したら、リリカが魔導書を書くんだぞ。」

「うぇぇ、大変ですぅ(+_+) ね、ね、ご主人様。リリカはご褒美があると頑張れるかなぁなんて思います!例えば頑張れたら朝も、とか。」
「リリカ・・・。ちょっと最近現金すぎやしないか?ご褒美がないと頑張れないというのは感心しないぞ。」

 大変な道のりを知ってしまってリリカがまたゴネ始めてしまった。しかし、ろくに学校も行ったことのない少女が、本人もリアムも自覚がないが新魔術の開発という世界の魔術の最先端水準のことをやっていること自体、通常ではありえないことで、彼女の努力はひとかたならぬものなのだ。

 それを考えれば、彼女がモチベーションを上げる何かがほしい(リリカの場合必ずエッチなご褒美になるのだが・・・)と思うのは仕方ないのかもしれない。

 しかし、その努力のレベルを正しく理解していない無人島の二人である。リアムは手厳しくリリカに返すのだった。

「リリカ。むしろ逆に考えないとな。ちゃんと俺の教える魔法陣のお勉強についてこれなかったら、かわいそうだけどその日がご褒美なしだ。だからしっかり頑張れよ。」

 その言葉の衝撃はリリカにとって凄まじかった。「魔王●●を倒して参れ。」と王に命ぜられた勇者の生活がその日から一変するように、リアムの言葉はリリカに絶大な衝撃を与えた。

「え・・・、ご、ご主人様。・・・が、頑張れなかったら、ご褒美なし?・・・・。」

 もはや明日、世界の終わりが来るかのような絶望の表情を見せるリリカ。

(やば。そこまでショックを受けるとは。だ、だが、ここは退かないぞ。1日3回もエッチさせられたら、俺の身が持たないからな!)心を鬼にするリアムは、腕組みをし、口を真一文字に結んでリリカの様子を伺った。

「で、でもそうですよね。リリカがやりたいって言った魔術ですもんね。ご褒美なかったらやらないなんて、調子のいいこと言ってしまってごめんなさい。リリカ、毎日ご褒美してもらえるように頑張ります。(・・・出来なかったらご褒美なし・・・ぅう(>_<) )」

 悲壮感を漂わせ決意するリリカに、むしろリアムが戸惑う感じだった。(毎日してるわけだし、俺は別にいいんじゃないかと思うんだけど。。)

 リアムの逆説的なご褒美によるモチベーション誘発効果は絶大で、それからリリカは(悲壮感が漂うほどに)必死になって魔法陣のお勉強を始めるのだった。でも考えてみれば、ノルマを達成したらご褒美、という以前のルールと同じである。言い方を変えるだけで話の雰囲気が随分変わるもんだなとリアムはしみじみ思った。

 数日後、今日もお勉強の時間をあとに控え、入浴しているときのことだった。(今日も、今日も頑張ろう!でないとご褒美がなくなっちゃう。) お湯に浸かりながらいつものように気合を入れるリリカは、ふとあることを思いついた。

(そうだ!ご褒美がなくなってしまった日のために、明日あれを試してみよう!)

 きっとまた何か変なことを思いついたに違いない。
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