黒魔術と性奴隷と ~闇の治療魔術師奇譚~

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第3章 魔導要塞の攻防

第24話 ★聖騎士団の上陸

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 今のアロン島の季節は初夏だ。この地方の気候は夏場は晴天の日が多く、降水量はかなり少なくなる。アロン島は島なので、周りを海に囲まれてはいるが、大陸の対岸は島からも肉眼で見えるほど近い。

 そのためか、陸地と同じく夏場の降水量はかなり少ない。夏場の季節風が大陸側から吹いていることが、降水量を少なくしていると思われる。夏は作物が成長する重要な時期ではあるが、多くの水を必要とする時期でもある。つまり、水の確保が非常に重要であり、その結果が秋の実りに直結するのだ。

 リリカも夏場の水やりについてはこれまでとても苦労させられた。雨が少ないので、畑の水瓶が少なくなると、毎日桶で川の水を汲み、畑にまく作業を繰り返す。それはかなりの重労働なのだ。だが、今年は違う。苦労して開発した水魔術によって、今年の畑仕事はがらりと変わった。

 雨が降らなくても水やりを毎日しなくてもいい。水を一度まけば、4~5日は乾かず作物を潤してくれる。水の消費量が減るので、畑の水瓶が枯れにくくなり、川から水を汲む回数もかなり減らすことができた。さらに最近は、大気中の水分を寄せ集め、雨を降らせるレインコールも使えるようになった。

 (今日もいいお天気だな。でもそろそろ水瓶も少なくなってきたし、雨を降らせないとね。)そんなことを考えながらリリカは今日も畑で土いじりをしていた。


 そんな平和なアロン島に転機が訪れようとしている。50隻の船がエルチェリータを発ち、整然とした隊列を組んで水上を滑り始めている。聖騎士の精鋭を集めたカーネル将軍の調査部隊だ。調査部隊という名目にはなっているが、その実力はバルティス王国の主戦力といってよい。鋼の肉体と、組織的なヒールを兼ね備えた、不死身の部隊なのだ。

 目標はアロン島。数週間前におきた暗黒事変の原因がそこにあると考え、究明にあたるのだ。鬼が出るか蛇が出るか分からない。それ故に調査とはいえ、国軍の最高峰による部隊編成としたのだ。

 カーネルは考える。恐らくは大した任務にはならない。多分島を一通り見て回り、それで終わることになるだろう。もしかしたら、くだんのカリスマヒーラーとやらを捕らえることがあるかもしれない。それで終わるようなら、むしろその方が良い。

 これまでヒーラーが潜伏し続けることができたというなら、それはこの島が安全ということだといえる。暗黒事変の原因は結論が出ないかもしれないが、少なくともアロン島が出どころではない、世界の中で我が国が特に危険にさらされているわけではないと示すことができれば、一応は任務完了だ。

 そのリアム当人が事件の元凶であるというふうにはカーネルは考えていない。それは彼が自分に都合のいい想定しかしていないということではない。先の大事変は、常識的に考えて治療魔術師一人ができるようなことではないため、人間ではない何か別の大きな要因がある、と考えるのが普通なのだ。

 天変地異もしくは何かしら魔物の類の出現。彼らの考える最悪の状況は恐ろしい魔物が現れ、我が国を滅ぼすようなことをすることだ。確率は低いだろうが、デーモンや竜族の類、そのようなものが発見されれば大変だ。

 その場合は防御態勢をしきながら直ちに退却、万が一敵の攻撃を受けたとしても生還し、島の状況を本国に伝えなければならない。でなければ、いたずらに敵を刺激し襲撃のきっかけを作った上に、本国はその状況を把握するのが遅れ、奇襲を受けることにもなりかねない。生還は必須条件。そのための最強部隊なのだ。

 30分もすると船団はアロン島に到着した。入り江に船をつけ、カーネルと騎士団は様子を伺う。これといって変わったことはなさそうだ。そして隊列を整え、探索の行軍を始めた。


「む!」

 一方、館ではリアムとリリカがすぐさま異変に気付いた。二人は外からの人間の侵入を知らせるセンサー式の魔道具を島中に配備しているのだ。かつてリアムは島全体に侵入不可能な結界を張ろうとして断念したことがあったが、その際、その代わりに取った防衛策だ。

 畑仕事をしていたリリカが館に戻ってきた。

「ご主人様!何か人が、人がたくさん島に入ってきたと思います!!」
「ああ。お前も魔道具からの信号をキャッチしたな。数が多そうだ。50人はいるな。」

 以前雇われ冒険者が3人、島に侵入したことがあったが、今回は数が段違いだ。

(くっ、かつてない危機だ。だが、以前とは違う。素人ながらこれまで実戦訓練もたくさんしてきたしな、リリカもそれなりに戦えるはずだ。)緊張に表情を引き締めながらも、リアムはきっと大丈夫と、心に念ずるのだった。

─────

 いよいよの展開ではありますが、本作はあくまでエロ小説なので、戦闘シーンはあまり期待しないでお待ちください~。
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