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第二部 学生時代回想編

第24話 組長の決断1(※エロ要素少なめ注意)

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僕を略取して移動していた車は、海沿いの倉庫街の一角に止められたようだった。


・・・え?こ、これって、やくざモノのドラマとかで見たことあるけど、ドラム缶にコンクリート詰めされて海に沈められるとか、そういう話?

そんな不安に駆られていると、誘拐犯のお姉さんから車から降りるように言われた。


「さあ、大人しくこっちについて来い。」(リーダー格)


リーダーのお姉さん、相変わらず高圧的な言葉で僕を従わせようとしているけど、声色が非常に満足げだ。機嫌も相当良さそう。


さっき、車内で僕の上に乗っかって、こころゆくまで楽しんだからだよね。

あの後、他の4人の部下のお姉さんや運転をしていたお姉さんにも乗っかられてしまった。おかげで車が駐車場に止まってから小一時間くらいは、そのまま誰も降りることなく、車体がギシギシと不可解に振動する状態が続いたんだ。

で、最後にリーダーの人がもう1回僕に乗っかってきて(今度は最初からオッパイも出して覆いかぶさってきた)、ひとしきり達した後、ようやく車から降ろされて、今、「ついて来い」といわれたところ、という状況。


ふぅ、結局僕、車の中で3回も逝かされてしまった。きっとこの人たちって、ヤクザとかそれ関係の無法者集団なんだよね。

僕、無理やり襲われる場合に一番怖いのは、襲ってきた女の人がブスな感じだと流石にヤバいかなって思ってるんだけど。・・だって、それだと僕がさ、勃たないかもしれないじゃない?そうすると元々暴力的に目的を果たそうとしている人だから、欲望が満たされないとより暴力的になっちゃうんじゃないかって思うんだよね。

でもなんか、この誘拐犯の組織の人って、入れる人を顔とスタイルで選んでるのかってくらい、美人で引き締まった体型の人ばかりだったんで、・・・僕、ちょっと興奮しちゃって。。(←犯罪に巻き込まれている自覚に乏しい主人公)


まあ、なんかこっちの世界のAVの影響なのか、結構酷い言葉を浴びせられたりしたけど。

「雄豚の分際で、ここは随分元気じゃねぇか。」
「こいつ、ショタっ子のくせに、気持よがってんよ(笑)」
「グヘヘ、イカくせぇ♪出ちまったの?男なのに気持ち良くなって出しちゃったの?」

とか、いった感じで、僕のことを罵倒して喜んで盛り上がったりするのは、ちょっとムッとしないこともなかったんだけど、、でも、それはこっちの世界での僕のいじめられ方で、今に始まったことじゃないんで、きにしても仕方ないよね。



そんなこんなで、倉庫街の建物の一つに僕は連れてこられた。


────────
(ここから、十七興産社長、迫間隆太郎視点)


ふう。


部下からの報告によれば、今回の事案の鍵になる男子大学生の確保には成功したようだ。思い返してみれば、なかなか信じられないような話だ。

風俗店舗経営の責任者を任せている春日部には、報告してくる内容があまりに信じがたい話で、かなり厳しくあたったものだ。だが、どうも報告に嘘はなかったようだ。少なくとも春日部が、言い訳のために適当な嘘を言ったわけではなかったことは明らかになっている。

今となっては、彼女には少々悪いことをしたとは思っている。かなりきつく当たったからな。


話によると、つばさ学園といううちのシマの中にある大学のOGグループが、とある男子大学生に目をつけて、乱交パーティを開くサークルを作ったということだ。

そういう話はたまに聞かないこともない。こういう稼業を営んでいる俺が、今さら正義感を振る気は毛頭ないが、同じ男として痛ましい話だとは思う。大抵は、弱みを握られ、泣く泣く女どもに精の搾取を強要される境遇に陥るというケースだ。まあ、中には金目当てに自らそういう状況に身を置く男もいないこともないが。

だが、どういうケースであれ、普通そういうのは長続きしないもんだ。男の方は、自分を守るためにのらりくらりと誘いを躱すもの。女からすれば、好き放題やれると思ってサークルに入ったのに、ヤルヤル詐欺の繰り返しで、結局騙されたってなり、サークルは自然消滅する。

まあ、少し考えれば当然の話。男が複数の女を相手にするなど、普通に考えてありえない。一回でも出してしまえば、俺たち男は当分動けないわけだからな。俺たちは余程の覚悟がない限り、本番に踏み切ろうなどとは思わない。

一人の女相手でもそういう覚悟なのに、複数相手とか、それも同時に立て続けとか、男に死ねといっているようなもんだ。できるはずがない。

結局、ああいうものの実態は、サークル運営者が都合のよい男をダシに使って、不当に金を巻き上げる詐欺商法のようなものだ。で、春にそういう話がにわかに立ち昇り、社会人になったばかりの性欲が旺盛で世間知らずの女がしばしば騙されて金を巻き上げられるのが相場と決まっている。


だから、今回もそういう詐欺集団がうちのシマを荒らし廻っていると考えたんだが。


どうも今回の件は性質が異なるようだ。


そもそもが既に何ヶ月も運営が続いている。しかも、会員からヤれない不満が爆発することなく、続々と増え続けている。運営側が高額の金を要求することなく、ホテルと食事代程度、つまりは俺たちの風俗店の店に行くよりも圧倒的に金額的メリットのある価格。

結果、つばさ学園周辺エリアで、うちの系列の風俗店の客足が急速に遠のくレベルにまで至ったということだ。


つまりはそのヤリサーの運営者は堅気。誰も詐欺商法をする気もなく、騙されたと感じている会員もいない。

俺もこの稼業には俺なりの任侠の矜持を持っているつもりだ。詐欺集団が、俺の縄張りに入って荒らし廻っているなら容赦することはないが、堅気の人間を力で排除するのはやや気が引ける。

だが、こっちも風俗店の経営状態がシャレにならん状態になってきているからな。このままにはするわけにはいかん。

まあ潰そうと思えば、やってやれんことはないんだが。堅気っつっても乱交パーティは違法行為だから、そこを突いて脅せば潰すのは簡単だ。


だが、その前にまだ確認しておかないといけないことがある。

乱交の詐欺ビジネスではないという話だが、それだと、例の男子大学生は数十人からの女どもに本番をさせていることになるが、・・・そんなことが本当にありえるのか。

いや、考えられん。なら、どうやって会員の不満を出させない運営が可能になっているのか。あるいは、違法ドラッグの取引が本命の会合ということも考えられる。もしそうなら、それはそれでいい。こちらも心おきなく叩き潰せるというものだ。


「社長。よろしいでしょうか。」(春日部)
「状況はどうなっている?話せ。」(迫間)

「ただ今、例のD2・・・いや、男子大学生をここまで連れてきました。」(春日部)


よし、謎の真相を明かしてみるとするか。
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