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第二部 学生時代回想編

第27話 組長の決断4(※エロなし注意:迫間隆太郎視点)

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船越少年から一通りの話を聞いた俺は、これからの動き方を思案していた。


疑問はいくつか残っている。

あれからさらにいろいろ詳しく聞いてみたが、彼は会合で薬物のやり取りのようなものはないと答えた。

しかし、女たちに輪姦されるというのに報酬を何ももらっていないとも言っているのだ。


それが本当なら、そんな会合、彼に何の得がある?


そもそも20~30人という女性を一人の男が相手にできようはずもない。当然、会費を払って集まった女たちの大半はヤれない。不満は爆発するはずだ。

だが、そうなっていない。


つまり、彼は何かを隠しているということだ。考えられるのは、やはり薬物の類だろう。

船越少年自身、違法ドラッグが入っている可能性が高い。その弱みがあり、会合の新規参入者の客寄せパンダとして利用され、参入者はドラッグの顧客となり、そちらの恩恵があるから不満が爆発しない。

そういう構造なら納得がいく。


となれば、やはりどこかの組か、あるいは、海外のマフィアの類が奴らに関与しているというのが真相だろう。ならば、是が非でも背後関係を洗わねばならん。


砂村と三橋・・・。公務員の三橋の方が脅しには弱そうだが、実取引に関与しているのはどちらかと考えると、恐らくはいろいろ伝手がありそうな砂村。こいつをどうにかする方が優先だな。


そう考え、俺は砂村に対し、電話、メールなど複数の手段で連絡を入れた。お前たちのやっていることを把握しているぞ、という含みをもたせた脅し文句をつけて。


当然即座のレスポンスはなかった。しかし、内容が内容なだけに、向うもスルー出来るはずがない。数時間後には通話での接触ができた。

砂村とやら、声が恐怖で震えている。ふふ、自分がやったことのヤバさはよく理解しているってことだ。よし、それなら話が早い。さっさと一仕事片付けるとしよう。


迫間:よう、お姉さん。ようやく電話に出てくれましたね。
砂村:あの・・・、どういったご用件で?
迫間:あ?しらばっくれんなよ。知ってんだぜ?お前たちがやっている週末のヤリパーティのことは。
砂村:・・・・!

迫間:あれ、真っ黒黒の犯罪パーティなのは分かっているよな?こっちには出席者の名簿もある。バックレようったってもう遅いぜ。
砂村:それで・・・、私にどうしろと?

迫間:まずは認めるのかどうか?どうなんだ?あの少年を使ってのセックスパーティ・・・あんたが主催してたんだよな?返事の仕方には気をつけろよ。あんたの今の社会的立場、明日から一変するかもしれねぇってな。
砂村:・・・・

迫間:で、どうよ?あんた、主催者だよな?
砂村:・・・はい。


迫間:よーし。じゃあ、もう一つ教えて貰おうか。
砂村:・・・え?
迫間:パーティでいろいろ取引もやってんだろ?
砂村:・・・?
迫間:しらばっくれようとするなよ。もう一度言う、返事の仕方には気をつけろ。お前らのバックには何がついてんだ?

砂村:・・・言っている意味が分からないんですが。


ここに来て、しらを切る気か?くそが、通用しねぇぞ。ここからが重要なところだからな。背後関係をきっちり洗わねぇと。


迫間:お姉さんよう。あんた、脅されないと言うこと聞けないタイプ?俺もめんどくさがりな方だからよ、一応今は静かに話させてもらってんだが・・・、手間かけさせないうちに全部ゲロっておくのが身のためだぜ?


どすのきいた喋り方にしたら、電話の向こうで恐怖に息を詰まらせているのが感じ取れた。まあ、大したことじゃない。素人はこんなもんだ。


砂村:でも・・・その、私が話せることはもう話したと思うんですが。


この期に及んで、まだ隠し事をする気か。

迫間:いい加減にしろよ、てめぇ。そんなんで、俺がはいそうですかって納得すると思ってんのか。
砂村:で、でも。その・・・・何のことを言っているのでしょうか。
迫間:かぁ、イライラさせんじゃねぇよ。やってんだろ?ヤクの取引をよ。どこと繋がってのかさっさと吐けや、コラ!

砂村:そ、そんな。ドラッグとかそんなのは全く。私たちはほんとにただ、船越君を囲んでただけで。
迫間:はあ?バカ言ってんじゃねぇ。30人からの女が集まってんだろうが?少年一人に何ができるんだ?!ただのセックスパーティじゃねぇことなんざお見通しなんだよ!!いい加減吐けや、コラ!
砂村:そ、それが、船越君は本当にできるんですぅ。みんな大満足なんです。


迫間:・・・あんたさ、もう少し話の分かる人間だと思ってたんだがな。いいか、堅気のお前に用はねぇんだ。お前の後ろについている奴ら、うちのシマで薬物流す奴らを潰すのが目的だ。いい加減、庇い立てしてねぇで、吐けや。
砂村:その・・・薬とか。私たち、知りません。本当に、圭くんは特別なんですぅ。


・・・らちがあかんな。アホな女だ。折角堅気には手を出さないように気を配ってやってんのに、こうなるとこの女にもそれなりに痛い目見させねぇといけなくなってくるぞ。



・・・ん?そういえばなんか、部下の春日部から話を聞いた時も似たようなやり取りをしたような気が・・・。原木を潜入させた報告によると、その少年が本当にヤッていたとかなんとか。ヤルヤル詐欺ではなく、本当にヤっていた?

ありえねぇと思って、その話はスルーして、この闇サークルが健在で、人数が増えつつ、不満も出てないという所だけ、くみ取っていたんだが。

・・・確かに、活動のメインがドラッグの取引で、セックスの方は少年がヤルヤル詐欺で、躱し続けているとしたら・・・。

ドラッグ入手の意味では参加者は目的が果たせても、ほとんどの会員の性欲方面は欲求不満のままのはずだ。だとすると、うちの店の売り上げは落ちないはずだが・・・。


・・・辻褄が合わなくなるな。


いや、あれだ。キメセクだろ。ドラッグで無理矢理勃たせてヤってるってことだ。つまりは、背後にルートがある。。。

だとしても・・・、30人も相手出来るような強力なドラッグとか、聞いたことないが・・・。


仮にあっても、そんなヤバい薬、やったら多分男の方は一発で死ぬんじゃ。。


・・・・。


だめだ、どこまで考えても、疑問が残る。


迫間:・・・あんたさ。自分の言ってることが嘘じゃないことを何か証明できるか?
砂村:その・・・圭・・・船越君に実際会えばそれが証拠なんですが・・。(あ!ヤバッ。こんなこと言ったら圭くんに迷惑がかかっちゃう。)

迫間:ほう、そりゃ都合がいい。実は、その船越君にはお越しいただいているところだ。彼の身体に聞いてみるのも面白いかもしれないな。
砂村:・・・・ッッ!!
迫間:うちの連中に襲わせてみることにしよう。
砂村:そ、そんな!

迫間:船越君が本当にうちの連中を相手にできるんだったら、あんたの言うこと、信用してやるよ。少しでも少年君を守りたいなら今のうちだぜ?どうだ、何かしゃべりたくなったか?
砂村:・・・・あの、薬の取引とかそういうのはしてません。


クソ女め。あっさり少年を切り捨てやがった。舐めやがって。お前もただでは済まないことを思い知らせてやる。


迫間:あー、俺もいろいろ顔がきくんでね。船越少年が救急搬送された際は、きっと闇サークルとの因果関係がニュースで報道されることになるだろうよ。
砂村:・・・・

迫間:つまりはオタクのサークルの仕業ってことで、あんたのところにサツのガサ入れが来るだろうってことだ。
砂村:・・・じゃ、じゃあ・・・・。救急搬送とかなければ、私の言葉は正しかったということで、特にお咎めがないという理解でよろしいですか?


迫間:言ってくれるねぇ。俺が本気じゃないとでも思っているのかな。じゃあな、せいぜい後悔するこった。(ガチャ)



いい度胸だ。そっちがそう出るなら、とことんやってやろうじゃねぇか。



え?

船越少年は堅気だから手を出さないって、言ってなかったかって?彼を守る話はどうなったのかって?それがどうした?そんな言葉信用してると、お前もヤクザに騙されちまうぞ。


まあ、何でもいい。こちらもシマを荒らされておいて大人しくしてはいられんからな。こちらも話を聞く姿勢はみせたんだ。強情を張らなければ、穏便に済ませてやったものを。

まずは見せしめに船越。その後、砂村と三橋を捕まえて、何が何でもヤクの密売ルートを吐かせてやる。



「春日部。入れ!」(迫間)
「はい。」(春日部)


「今いる若い連中を集めろ。特に男に飢えているやつをだ。」(迫間)
「は、はい。(そんなの、全員ですが。)それで・・・何を?」(春日部)
「船越を監禁している部屋に送り込んで好きにさせろ。」(迫間)

「は?・・・大丈夫ですか?」(春日部)
「ヤキを入れる必要がある。多分、裏に薬物ルートがあるんだが、奴らどうにも吐かねぇ。部下どもにはめいっぱい好きにさせて、俺らに逆らうとどうなるか思い知らせろ。」(迫間)

「は、はい。(原木の話だと、本当に何もないかもしれないんだけど。)」(春日部)
「何なら、お前も参加してもいいんだぞ。」(迫間)
「い、いや、そんな。(マジで?ヤバッ、マジで?)」(春日部)

「あ、部屋にはビデオカメラ設置しとけよ。もしかしたら裏ビデオでいいシノギになるかもしれん。」(迫間)
「了解しました!(ワクワク)」(春日部)


「いいか。船越の身体のことに気を配らなくていい。射精てもすぐしゃぶらせろ。全員で絞り殺すつもりでヤれ。」(迫間)
「ラジャっす!(ワクドキ)」(春日部)


・・・春日部のやつ、柄にもなくメチャメチャテンション上がってたな。


まあ、少年には気の毒だが、ご愁傷さまだ。
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