71 / 95
71 2日目 委員長に見られた
しおりを挟む
嫌われたかと思った。
でも図書委員長さんは私を怒らなかった。
泣いたのはもちろん嫌われると思ったからだけど、優しさに感動したのもある。
キー子さんごめん、私の罪を全部被せちゃって…。キー子さん自身も私を庇うつもりだったのだろう、ありがとうキー子さん。
目の前に図書委員長さんがいる。
昨日の帰り道、一緒にいた時少し喋った以外今まで一言も話した事は無かった。
恋愛感情なのか分からないまま、座っている図書委員長さんの横顔を毎日眺めていた。
それが今は、真正面から見つめている。
そして見つめ返された。
慌てて目を逸らし、顔を赤らめる。
「お昼まだでしょ?早く食べた方がいいわよ」
図書委員長さんがそばにある私の弁当箱を差し出す。確かに給食時間ももう少し。
「ここで食べる?戻る?」
「ここで、いいです…」
まだ少し恥ずかしい、1人でいたい。
そう言って弁当箱を膝の上に乗せると、図書委員長さんは私の真横の岩に腰掛けた。
「もどらないんですか…?」
俯きながら言う。真横に図書委員長さんの腰と足があり、動揺している。
「ん…、1人ってのも寂しいでしょ?それとも1人がよかった?」
図書委員長さんは脚を組みながらぼーっと空を見つめて言う。
「いえ…」
少し顔が熱くなった。
1人でいたいけど、こう言われると一緒にいたくなる。優しいな。
緊張で少し箸が震えた。
横を見ると、図書委員長さんが頬杖をつきながら目を閉じていた。
冷たい風が吹き、私と図書委員長さんの髪を揺らす。
微かに遠くから放送の音楽が聞こえ、時折そよそよと風が吹く。とても静かで落ち着いている。居心地が良い。
まだ少し動悸は早いけど、その空間の中では気にならない。
弁当箱をしまい、図書委員長さんを見る。
寂しいから一緒に居てくれてるのに、一言も話せなかったな…。
「図書委員長さん、戻ります…」
声をかけても反応は無かった。
もしかして寝てる…?
耳を近付けると、息が一定のリズムで吐かれていた。多分寝てる。
どうしよう、起こさないとかな。
でも気持ちよさそうだし…うーん…。
私も図書委員長さんの隣に腰掛けた。
そして目を閉じる。
風の音が聞こえ、隣では図書委員長さんの寝息も聞こえる。
寒くもなく、暑くもなく。
いい温度で、いい環境。確かに睡眠には持ってこいだなぁ…。
そう思いながらうとうとする。
だめだ、起きないと…。
そう思うが、いつの間にか寝てしまった。
でも図書委員長さんは私を怒らなかった。
泣いたのはもちろん嫌われると思ったからだけど、優しさに感動したのもある。
キー子さんごめん、私の罪を全部被せちゃって…。キー子さん自身も私を庇うつもりだったのだろう、ありがとうキー子さん。
目の前に図書委員長さんがいる。
昨日の帰り道、一緒にいた時少し喋った以外今まで一言も話した事は無かった。
恋愛感情なのか分からないまま、座っている図書委員長さんの横顔を毎日眺めていた。
それが今は、真正面から見つめている。
そして見つめ返された。
慌てて目を逸らし、顔を赤らめる。
「お昼まだでしょ?早く食べた方がいいわよ」
図書委員長さんがそばにある私の弁当箱を差し出す。確かに給食時間ももう少し。
「ここで食べる?戻る?」
「ここで、いいです…」
まだ少し恥ずかしい、1人でいたい。
そう言って弁当箱を膝の上に乗せると、図書委員長さんは私の真横の岩に腰掛けた。
「もどらないんですか…?」
俯きながら言う。真横に図書委員長さんの腰と足があり、動揺している。
「ん…、1人ってのも寂しいでしょ?それとも1人がよかった?」
図書委員長さんは脚を組みながらぼーっと空を見つめて言う。
「いえ…」
少し顔が熱くなった。
1人でいたいけど、こう言われると一緒にいたくなる。優しいな。
緊張で少し箸が震えた。
横を見ると、図書委員長さんが頬杖をつきながら目を閉じていた。
冷たい風が吹き、私と図書委員長さんの髪を揺らす。
微かに遠くから放送の音楽が聞こえ、時折そよそよと風が吹く。とても静かで落ち着いている。居心地が良い。
まだ少し動悸は早いけど、その空間の中では気にならない。
弁当箱をしまい、図書委員長さんを見る。
寂しいから一緒に居てくれてるのに、一言も話せなかったな…。
「図書委員長さん、戻ります…」
声をかけても反応は無かった。
もしかして寝てる…?
耳を近付けると、息が一定のリズムで吐かれていた。多分寝てる。
どうしよう、起こさないとかな。
でも気持ちよさそうだし…うーん…。
私も図書委員長さんの隣に腰掛けた。
そして目を閉じる。
風の音が聞こえ、隣では図書委員長さんの寝息も聞こえる。
寒くもなく、暑くもなく。
いい温度で、いい環境。確かに睡眠には持ってこいだなぁ…。
そう思いながらうとうとする。
だめだ、起きないと…。
そう思うが、いつの間にか寝てしまった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる