92 / 196
2.計画実行と兄妹登場
2-031
しおりを挟むとりあえず、今は、目の前で困惑しているお母さんに、どうにかして、この状況を誤魔化すことを優先しないと。
ねぇウィーシュ、何か良い案とかないかな?
【最初から他力本願ですか。もう少し自分で考えたらどうですか、マスター。はァー、………失礼しました、つい本音が。】
た、溜息つかれた。
ううぅ、でも、前世では隠し事とか経験したこと無かったんだもん。だから、何も、思い付かないよぉ。
【前世、ですか?マスターは、前世の記憶持ちですか。もしかして、マスターの隠し事はその辺ですか?詳しく、ご説明をお願いできますか?マスター。】
うぐっ!
また今度。今度、ちゃんと説明するから、今はどうか、その力を貸して欲しいです。
【約束ですよ、マスター。では、いくつかの方法が思いつきますが、特にこれをオススメしますね。………】
流石、ウィーシュ。
そのアイディアは、有効かも!
—————————————————————
「ねぇ、フィル?お母さんね、………」
まずは、第一段階、声を掛けて、気を引く。
「うあーあう、あううぇ、………」
「あら、フィル。どうしたのかしら?」
よし、第一段階成功。
次に、第二段階、強めに魔力循環を行って、意識を向けさせる。
ううっ、やっぱり、ちょっと痛い。けど、ここまでやれば、必ず、気付いてくれるはず。
「あっ、あら。フィル、もしかして、魔力循環をしているの?でも、ここまで強くやっているなら、きっと、痛いはずだわ。でも、流石ね。もう、ここまでできるなんて。フィルは、本物の神童ね。」
よし、気付いてくれた。第二段階も成功。
最後、第三段階。頼むよ、ウィーシュ。
【準備が完了しました、マスター。安全対策も完了しました。早速、発動します。】
お母さん、どんな反応してくれるかな?
—————————————————————
「ア、氷華?もしかしなくても、フィル、よね?………」
初級の氷属性魔法、アイスフラワー。
僕はまだ、上手くないから、今は、小さな氷の粒を2、30粒くらい出現させて、散らす程度しか出来ないけど、魔法は魔法。お母さんの反応は………。
「すごいわ!フィル。とっても綺麗なアイスフラワーだったわ。ふふふっ、素晴らしいわ、フィル。ねぇ、フィル。フィルは、大人になったら、ソル君やサーシャみたいな、魔法剣士になるのかしら?ふふふ、今から楽しみだわ。」
そう言うと、お母さんは、あっさりと、帰って行ってしまった。
それにしても、お母さんは本当に、気が早いなぁ。
僕、まだ転生してから、2週間くらいしか、経ってないんだけどなぁ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
167
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる