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2.計画実行と兄妹登場
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しおりを挟むバモスも、リーナさんに連行されてしまったので、今日の僕の護衛官たちは、こんな早朝から、全員脱落してしまった。
何だったんだろうね?
考えても分からないから、サーシャさんの鍛練を眺めていよう。
今日の鍛練では、サーシャさんが型稽古をしているため、いつも以上に綺麗な剣筋が見える。
ナギのための稽古だったらしいんだけど、………稽古が始まる前に、居なくなっちゃったからなぁ、ナギ。
どうも、過去にも似たような出来事は何度かあったらしい。身内とか関係なく厳しいのが、リーナさんクオリ………余計なこと考えるのは止めよう。
【中庭に向かっている気配を察知しました。】
【対象は高位・森人1名です。】
【悪意・害意はありませんが、怒りの状態です。】
【高位・森人は記録に有る気配です。記憶と照合………完了。リーナ、と推測されます。】
バモスの二の舞になってしまう。
—————————————————————
朝の5刻頃。
お父さんが朝食を食べ終えたので、鍛練に参加しに来た。
僕は、お父さんと一緒に来たお母さんから、朝食のミルクを貰っている最中。
「型稽古ぉ?あぁ、ナギがいるのか?……………って、いないじゃねぇか。」
辺りを見回しても、ナギが見つからなかったからかな?「どういうことだ?」と言わんばかりの顔をしている。
「ナギはソルトが朝食を摂っている頃に、リーナさんに連行されてしまったからね。」
「何やったんだ?アイツ。」
「ニケが廊下を走っているのを見ていながら、止めなかったから、らしい。」
「相変わらずだな、アイツらは。学習したらいいのに、何度も何度も、同じことを繰り返しやがって。」
えっ、お父さんがそれを言うの?
「なぁ、ソルト。その言葉は、ブーメランだぞ。普段の自分を省みろ。二人もきっと、お前にだけは、言われたくないと、言うだろうな。」
「ひ、ひでぇ。俺、そんなに酷いのかぁ?」
「自覚無いとか、重症だな。」
「嘘だろぉ、サーシャ。なぁ、それって、いつもの冗談だよな?」
「それは、リーナさんに怒られる頻度を考えた上での反論か?」
「う、うぐぅ。」
これ以上無い程に、お父さんがサーシャさんに追い詰められている。
そして、その光景を眺めながら、愉しそうに笑う………お母さん。
お母さんの方から、向こうの二人にちょっかいを出すと、お母さんが愉しめなくなるし、向こう側も、何か言ったところで、お母さんが意に介さないのは、分かりきっているので、何も言ってこない。
何だか、新種の三竦みのようだ。
僕を巻き込まないでね。
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