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2.計画実行と兄妹登場

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  今日は、ウィーシュの有能さを思い知らされた一日になったなぁ。
  ウィーシュ曰く、【固有スキルは、完全に常識を逸脱した、非常識的なスキルが多く、中には、世界の理をも外れたモノすら存在します。ですから、「私」という存在そのものは、固有スキルという概念の中では、イレギュラーと、言う程のものではありません。】らしい。

  つまり、

 固有スキル  =  チートスキル

ということ、だと思う。

  ウィーシュみたいな、自我を持ったスキルは、珍しいと思うんだけどなぁ。

  まぁ、ウィーシュが、その辺のことを素直に教えてくれるとは、思えないけどね。
  というのも、元々、ウィーシュの性格や人格は、僕の性格や人格を元に、作成・形成しているらしい。
  だから、僕なら隠す事柄だな、って、僕が思うようなことは、だいたい全部ウィーシュも隠す、と思う。
  なら、僕なら絶対隠す、と思う事柄をウィーシュに聞いて、その答えが来ることを、期待してはいけない。
  だから、今は諦める。でも、いつかは必ず聞き出すからね。


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  今日は、8月23日、風の日。

  僕の護衛官や世話・教育係の任命式の日から、丁度、一週間が経った、らしい。

  今日は、何だか城内は騒がしく、いろんな人たちがバタバタしている。


  何故、祝日でも何でもないような、ただの平日であるはずの今日、城内がこんなに騒がしいのか、というと、ロナウドさんとシェルネオンさんから、それぞれ、驚愕の事実が書き記された手紙、が届いたから、らしい。

  内容は、ラスタリアさんが先日送ってきていた、僕への婚約の申し込みについての書類に書かれていたことで、イルベリア連邦の有力者であるエレゴーシュ家とギルメット公国の王家から、それぞれ来ていた2名の婚約の、申し込んだ相手が、異なっていた、というか、僕宛ての申し込みと書いていたのは、ラスタリアさんの独断である、というものだったらしい。
  そして、その婚約申し込みの正しい相手は、両家共に、お父さんだった。
  当のラスタリアさんは、「今のソルト兄貴に、婚約の申し込みなんて何かの間違いだ、と思ったんだ。まぁ、思い込みや先入観で行動して、みんなに迷惑掛けたことは、反省している。ただ、この件に関しては、後悔はしていないな。」、と言い切ったらしい。

  リーナさんとセルシェーダさんは、「「これは、断じて謝罪文などでは無い、と言えよう。」」と、かなり怒っている様子。

  そして何故か、現在中庭では、剣術の稽古を静かに、そして、真剣に行っているお父さんの姿が見える。
  昔は、リーダーシップのあるかっこいい男性だったらしいが、とても残念なことに、今はいつもの残念な姿を、あまり変えられてはいなかった。

  それにしても、今のお父さんは、どこか見栄を張っているようにしか、見えないんだよなぁ。

  
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