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2.計画実行と兄妹登場

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  今日は、サーシャさんの朝の稽古は、中止となってしまいました。
  理由は単純で、今日のサーシャさんは、今一つ体調が優れないから、らしい。
  きっと、昨日のことも、原因の一つ………、だと思う。ただし、原因の割合は、考えない。考えては、いけない。


  んー、朝から、暇になっちゃった。
  何しようかな?

  以前、オルフェリオス伯父さんから貰った本は、今は、世話・教育係の誰かが管理しているらしい。
  だから、この部屋には、僕が、我儘を言って残してもらった、セルシェーダさんのサイン入の法律書だけ、がある状態。暇つぶしとして、本を読むことはできない。

  昨日のことで、お母さんもお父さんも、強制的に忙しくさせられているはずなので、たぶん、今日は来ることは無い、と思う。
  世話・教育係のみんなも護衛官のみんなも、後任への仕事の引継ぎをしたり、昨日のような事態への対処の仕方を覚えるための研修に参加していたりで、今日は、誰もいない。

  「護衛官なのに、護衛してないじゃん。」と、思わなくもないけど、僕が城内に居る限りは、ベイルマート王国第一騎士団と呼ばれる、所謂いわゆる、近衛騎士団とベイルマート王国宮廷魔法師団の管轄内にいることになるので、態々わざわざ護衛官として、常駐する必要はないらしい。だから、護衛対象が城内にいる期間は、自己研鑽に励む護衛官が割といるらしいんだ。





  はぁ、一人で簡単に出来る、暇つぶし出来るようなものとかって、無いのかな?


【マスター、魔法の練習、或いは、魔力制御の練習をするのはどうですか?】

  ん?
  んー、魔法、………魔力制御。………、良いかもしれないねぇ。
  あっ、だけどなぁー、前に、お母さんから僕が魔法を使った、っていう話を聞いていたサーシャさんに、
「危ないことがあるから、一人のときは、魔法を使っちゃダメだよ。」
って言われちゃったんだよねぇ。
  お母さんならともかく、サーシャさんがダメって言うなら、ダメなんだと思う。

【制御ミスなんてもの、私はしませんよ。】

  ウィーシュは、そうかもしれないけど、僕は、自信が無いよ。
  それに、ウィーシュの補佐有り、で制御に成功しても「ちゃんと出来ました!」って、胸を張って言うことは、僕には出来ないよぉ。

【分かりました。では、『魔法陣学』を学ぶのは、如何でしょうか?】

  魔法陣学?魔法陣に関わること、だよね。

【一般的には『魔法陣学』は、 “陣術を扱う魔術師” や “魔導師” を志す者が学ぶ学問、と定義されていますが、 “魔法師” や “借術を扱う魔術師” も魔法陣を使用して魔法や魔術を使っているので、『魔法陣学』を学ぶべきだと思います。】

  な、成程?
  でも、ウィーシュは、魔法陣に関する知識が有るの?
  もし、無いんだったら、今現在の暇つぶしには、ならないよ?

【マスター、この案件はウィーシュにお任せを。必要な知識やスキルを、インストールしてしまえば、私に出来ないことはありません!】

  す、凄いことを豪語するね、ウィーシュは。
  でも、そこまで自信があるのなら、この件は、ウィーシュに任せてみるよ。って、ちょっと偉そうかな?

【マスターは、マスター主人格なので、偉そうで良いんです。】

  そう言われると、結構、恥ずかしいな。

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