120 / 196
2.計画実行と兄妹登場
2-059
しおりを挟む「おいッ、ソルト!お前、今のは流石に許せないぞ。」
何があったのかは、分からないけど、どうやら、お父さんがサーシャさんの逆鱗に触れたらしく、サーシャさんがとても怒っている。
「うーうッ、うーうアうぉ?」
「ん?あぁ、フィル君。すまないな、見苦しいところを見せてしまって。」
「う?」
「ああ、ソルトのやつがな。・・・・・・・・・急に近づいてきたんだ。それも、無断で。」
急に近づいただけで、そこまで怒ることは・・・・・・・・・あれ?稽古中に?
「あ。」
「流石だね、フィル君。もう気づいたんだ。」
今は、稽古中。
サーシャさんは、木製と言えど、刃の有るものを使っているし、魔法も使っている。
急に近づかれると、剣の刃や魔法が当たってしまう可能性があるし、最悪の場合、魔力を暴走させて暴発事故を起こしてしまう可能性もあるから危険、っていうことだよね。
「はぁ、・・・・・・・・・まったくこいつは。何故、いつも、こう、考え無しの言動をするんだ。」
一瞬落ち着いていた怒りが、再び揺り返してきたみたいで、サーシャさんはお父さんの愚痴を言い出す。
愚痴は、聞いていてもあまり意味が無いので、僕はウィーシュの帰りを大人しく待つことにしよっと。
_____________________
【マスター!マスター!ウィーシュ、只今、帰還いたしました!】
ほぇ?
ウィーシュ帰ってきたの?
うっく、いつの間にか寝ていたみたい。
【マスター、聞いて頂きたい!なんと、特殊なスキルを-- - - -】
「起きたかい?フィル君。随分とすやすや眠っていたみたいだったけれど、体調は悪くないかい?暑くて苦しかったり、寒くて凍えたりしてはいないかい?」
暑いのは、前世で言うところの夏みたいな季節らしいから分かるけど、寒いってどういうことなんだろう?
「あうう?」
「あぁ、寒くないのなら良かった。この魔法を僕以外に使うのは久しぶりだったからね。上手く制御できていたか、確信することができなかったんだ。」
魔法?
あ、そう言われると、僕の身体を包み込むような形の魔力を感じる。
この色は、水属性の魔法かな?
寝てしまった僕が暑くならないように、魔法を使って、僕の周辺だけを涼しくしてくれていたんだと思う。
「あうあおう。」
「あぁ、いいんだ。今日の日差しは心地よいからね。アンリエッタ風に言うならば、 “絶好の日向ぼっこ日和” だ。」
なるほど。そう言われると、確かにお母さんなら言いそうな気がする。
「じゃあ僕は、もう少し素振りをしているから、フィル君もアネスが来るまで、ゆっくりしていてくれ。」
「あう!」
どうやら、今日の朝食を持ってきてくれるのは、アネスらしい。というより、僕の最近の食事は、誰かが干渉したり、お客さんが来たりしない限りは、だいたいシアかアネスのどちらかが担当してくれているんだ。
僕が寝ていた時間は、僅かに数分くらいのことだったらしく、サーシャさんはまだ稽古を続けるみたい。
それじゃあ僕も、アネスが来るまでをのんびり待とうっと。
【むぅ、マスター。私の話を全く聞いてないですね?】
ハッ!
そうだった、ウィーシュが帰ってきて、報告を受けている途中だったんだ。うぅー、すっかり忘れていたよ。
【はぁー。まぁ、いいです。ですが、覚悟してくださいね、マスター。】
は、はい。
【では初めに、マスターの前世の記憶から、たくさんの情報や知識技術を習得することが出来ました。】
う、うん。流石だね、ウィーシュ。
【そして、それらから、たくさんのスキル情報を取得しました。今からインストールをするので、少々お待ちください。】
う、うん。ところで、取得出来たスキルは、いくつくらい有りそうかな?
【・・・・・・・・・、さぁ?それは終わってみないと分かりませんね。それよりマスター、ラノベ、漫画、アニメ、ゲームについて話しませんか?】
ろ、露骨に話題を逸らされた。って、もしかして、ウィーシュはラノベや漫画、アニメにゲームの情報も仕入れてきたの?それって、結構マズイんじゃ・・・・・・・・・
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
167
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる